これぞNetbookの真打ちか!?――「HP Mini 2140 Notebook PC」の高解像度版を試す1366×768ドットの威力(2/2 ページ)

» 2009年05月12日 11時30分 公開
[田中宏昌(撮影:矢野渉),ITmedia]
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SSDの搭載により体感速度は大幅に向上

OSの起動時間などを計測したグラフ

 定番のベンチマークテストを実行する前に、まずはWindows XP Professionalの起動時間などを計測した。なお、プリインストールされるOSはService Pack 2になっているが、ここではほかの製品と足並みをそろえるべく、Service Pack 3を適用した。

 まず、OSの起動時間(電源オンからタスクトレイの読み出しが完了するまで)は約39秒とSSDモデルらしく高速だ。スリープへの移行が約2.7秒、スリープからの復帰が約4秒と速く、休止状態も移行に約9.5秒、復帰も約24秒とスムーズでキビキビとした動作が好印象である。

 次にPCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3での結果を見ていこう。参考までにPCMark05とFFベンチでは、1024×576ドット表示で160GバイトHDD、1Gバイトメモリを搭載したHP Mini 2140 Homeモデルのスコアを加えている。

 PCMark05ではSSDモデルが2倍のメモリ容量を搭載しているとはいえ、シングルチャンネルで動作しているためスコアに違いはなく、逆にHDDのスコアは4倍以上も向上しているのが分かる。その結果、総合スコアはSSDモデルが約1.38倍も高くなった。SSDモデルはHDDの値だけが突出したスコアを残しており、ある意味バランスが悪いともいえるが、スリープや休止状態の移行/復帰が速く、HDDのようにスピンダウンを待たずに液晶ディスプレイを閉じてすぐにカバンに放り込めるのは大きな魅力だ。

 システムに高い負荷をかけ続けると、ファンの風切り音がやや耳につくのはHP Mini 2140 Homeモデルと同様だが、手の触れる部分で40度を超える部分はなかった(室温は25度)。

PCMark05のテスト結果
3DMark06のテスト結果
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のテスト結果

 バッテリー駆動時間は海人氏作の BBench V1.01を使って検証した。本機には、3セルバッテリー(10.8ボルト 28ワットアワー)が標準で付属し、従来から用意されている大容量6セルバッテリー(10.8ボルト 55ワットアワー)も流用可能だ。駆動時間の公称値は3セルで約5時間、6セルで約10時間となっているが、BBenchで液晶ディスプレイの輝度を最高に、電源設定をポータブル/ラップトップにし、Web巡回(60秒間隔)とキーストローク出力(10秒間隔)をオン(Bluetoothの電源もオン)にしたところ、3セルバッテリーで2時間14分と前述のHP Mini 2140 Homeモデルとほぼ同じ時間にとどまった。カタログ値(JEITAバッテリー動作時間測定法 Ver1.0)はSSDモデルのほうが約30分長いことになっているが、より実用に即した今回の測定法ではあまり差が見られなかった。

 ちなみに、ボディサイズはSSDモデル/HDDモデルとも261(幅)×166(奥行き)×27.2〜35.5(高さ)ミリと共通だが、重量はSSDモデルが約1.16キロ、HDDモデルが約1.19キロと30グラムほどの差がある。

ACアダプタはサイズが46(幅)×106(奥行き)×28(高さ)ミリ、重量が約400グラムとやや大柄
手前が標準装備の3セルバッテリーで、奥がオプションの6セルバッテリー
別売の6セルバッテリーを装着すると、底面にバッテリーが2センチほど出っ張る

SSDの価格を考えると抜群のコストパフォーマンスが光る

「1」や「¥」キーが約15ミリピッチと狭いが、そのほかの主要キーは17.5ミリピッチ(キー自体は16.5ミリの正方形)を確保している。USキーボードはオプションでも用意されていない

 傷が付きにくいアルマイト(陽極酸化)処理とヘアライン加工を施したアルミニウム、そしてマグネシウム合金を採用した金属感あふれる外観は健在で、キーピッチが約17.5ミリ、キーストロークが約2ミリとNetbookとしてはゆとりがあるキーボードも変わりない。HDDを落下や振動から守る「3Dドライブガード」やHDDに直接パスワードをかけられる「ドライブロック」といった従来機の特徴も継承しており、インタフェースも2基のUSB 2.0ポートをはじめ、ExpressCard/54(/34対応)とSDメモリーカードスロット(SDHC対応)、ギガビット対応の有線LANとそろっている。

 1366×768ドット表示の10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したNetbookでは、デルの「Inspiron Mini 10」が直接のライバルとなるが、こちらはCPUがAtom Z系となり、チップセットもIntel SCHとグラフィックスの性能を含めて本機のほうがパフォーマンス面は有利だ(Inspiron Mini 10はファンレスという魅力がある)。

 本機は量販店モデルが用意されず、直販のHP Directplusでも個人向けではなく、法人向けでの取り扱いとなっているのは残念だが、価格は7万9800円におさまっている(HDDモデルは6万9930円)。余談だが、採用されているSSDは、2008年9月の出荷時点では1000個ロット時の価格が6万5760円と、単体でNetbook並みの価格帯だった。その後、値下げされているとはいえ、通常のHDDに比べて高価なのは間違いがなく、その点を考慮に入れると本機の優れたコストパフォーマンスのよさが際立つ。原稿執筆時点でSSDモデルが在庫を切らしているのも、むべなるかなといえるだろう。

 次回は、Windows Vista Business(SP1)でのパフォーマンスをチェックする予定だ(これぞNetbookの真打ちか!?――「HP Mini 2140」の高解像度版でVistaを動かした)。

タッチパッドにはシナプティクス製のドライバが導入されている
タスクトレイに常駐するQuick Launchの設定画面
3Dモーションセンサーを内蔵し、HDDを振動や落下から守る「3D DriveGuard」

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