1TバイトHDD/地デジ/BDドライブがセットになった「FMV-DESKPOWER F/D90D」を楽しむついにBDも地デジも搭載(1/2 ページ)

» 2009年06月05日 16時16分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

カジュアルさと高級感を兼ね備えた“プチセレブ”なホワイトボディ

外観は従来モデルを継承しつつ、内部スペックを強化した「FMV-DESKPOWER F/D90D」

 富士通の「FMV-DESKPOWER F」シリーズは、19型ワイドもしくは16型ワイド液晶ディスプレイを搭載した液晶一体型PCだ。4月21日に発表された夏モデルではラインアップが拡大され、19型ワイド液晶搭載モデルは従来の1モデルから3モデルに増えている。ここではその最上位機となる「FMV-DESKPOWER F/D90D」を取り上げる。

 ボディデザインは従来機を踏襲しており、光沢ホワイトのボディにステンレス製の円形スタンドとパイプ状アームで構成されている。ステンレス製のスタンドの表面は、円周状に凹凸をつけることで反射光を拡散させるスピンカット加工を施しており、高級感がある。カジュアルなイメージの強いホワイトボディと組み合わせることで全体を引き締め、さりげない上品さを演出する。また、電源ボタンを含めたボディ前面の操作ボタンを白色LEDで光るタッチセンサー式に統一したり、ボディ裏面のネジ穴なども目立たない場所に配置したりと、デザインには細部までこだわりがうかがえる。

 スタンドを含めたサイズは465(幅)×211(奥行き)×391〜411(高さ)ミリ、重量は約11キロだ。スタンドの直径が211ミリで、PC本体自体はその半分ほどの厚さとなっている。スタンドは15度のチルトに対応するほか、左右80度のスイベルが可能で、左右両側面の端子類にアクセスする場合などに便利だ。高さも標準(411ミリ)から2センチ低くすることができる。もっとも、調整のためにはネジ6本の着脱が必要で、高さに関しては一度調整したら基本的に固定して使うことが前提だろう。電源ユニットは内蔵しておらず、ACアダプタ(120ワット)を接続して利用する。ワイヤレス接続のキーボードとマウス、さらに赤外線リモコンも標準装備し、受光部は本体に内蔵されている。ACアダプタのケーブル1本のみの接続で使えるスマートさがうれしい。

背面はスッキリとしている。下部から吸気して上部のスリットから排気する
背面にあるカバーを外すと高さ調整のネジが現れる
高さは391/411ミリの2段階にしか変更できない。写真は391ミリに設定したところ

チルトホイールに対応したマウスと小型キーボードはともにワイヤレス。いずれも単3乾電池が2本ずつ必要だ(製品に付属)
Windows Media Centerボタンを備えた赤外線リモコン。サイズは48(幅)×210(奥行き)×15〜22(高さ)ミリとスリム。単4乾電池2本で動作する
ボディカラーに合わせてACアダプタもホワイトになっている。サイズは55(幅)×144(奥行き)×33(高さ)ミリとやや大柄だ

メインメモリは4Gバイト、HDDは1Tバイトと余裕のある基本性能

 液晶一体型PCの省スペースボディを実現するため、CPUとメモリにモバイル向けのコンポーネントを採用している。CPUにはTDP25ワットのCore 2 Duo P8700(2.53GHz/FSB 1066MHz/2次キャッシュ3Mバイト)、メインメモリにはPC3-8500対応のDDR3 SDRAMを4Gバイト(2Gバイト×2)搭載。チップセットにはIntel GM45 Expressを採用しており、グラフィックス機能はGM45内蔵の「Intel GMA 4500MHD」を利用する。従来の春モデルに比べ、CPUはCore 2 Duo P8400(2.26GHz)から高速化し、メモリも2Gバイト(1Gバイト×2)から倍増した。

 データストレージも3.5インチのSerial ATA対応HDDが容量1Tバイト(7200rpm)と、春モデルの500Gバイトから一挙に増加している。さらにスリムタイプのスロットイン式光学ドライブは、これまでのDVDスーパーマルチドライブから、1層BD-Rに最大4倍速、2層BD-Rと1層/2層BD-REに最大2倍速で記録できるBlu-ray Discドライブに強化された。これらのスペックアップにより、PCとしての基本性能だけでなく高画質なBlu-ray Discの再生や、AVCHDの動画編集でBlu-rayメディアに書き出せるなど、AV機能の底上げが見どころだ。

CPU-Z 1.51の画面。TDP25ワットのCore 2 Duo Pシリーズで最上位モデルのP8700を搭載する
チップセットはグラフィックス機能統合型のIntel GM45 Expressを採用している
GPU-Z 0.3.4の画面

背面のカバーを取り外した状態。2基のシロッコファンが装着されている
4Gバイトのメモリはデュアルチャンネル構成で提供される
CPUやメモリ、チップセットなどと異なり、HDDは3.5インチタイプを内蔵。容量が1Tバイトに倍増した

 インタフェースの構成や配置に変更はなく、Blu-ray Discドライブの下にUSB 2.0ポートが1基、左側面下部にはSDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO対応のメモリカードスロットとヘッドフォン、マイク、2基のUSB 2.0ポートが用意されている。さらに背面のカバー内にテレビアンテナ端子、2基のUSB 2.0、ギガビット対応の有線LAN、4ピンのIEEE1394、DC入力が並ぶ。液晶一体型PCとしては不足のない内容で、スタンド部がスイベルするため左右の端子類へのアクセスも無理なく行なえて使いやすい。なお、無線LANはIEEE802.11b/g/n(11nはドラフト2.0準拠)に対応する。

左側面のカバー内にB-CASカードスロットがあり、その下にメモリカードスロットやUSB、サウンドポートがある
右側面はスロットインのBlu-ray Discドライブと、1基のUSB 2.0ポートだけが並ぶ
スタンドは15度のチルトに対応する。スイベルは左右各80度まで行える

地デジチューナーや19型ワイド液晶ディスプレイは従来機を踏襲

 テレビ機能は、ピクセラ製の地上デジタルチューナーを1基内蔵しており、B-CASカードスロットは左側面上部に内蔵されている。テレビ番組の視聴・録画ソフトウェアは「DigitalTVbox」で、ダビング10に対応しているので、録画映像をハイビジョンのままBD-R/BD-REメディアに書き出すことができる。また、付属のオーサリングソフト「DVD MovieWriter」ではBD-REやDVD-RAM/DVD-RWメディアに保存したテレビ番組のオンディスク編集が可能だ。細かいところでは、夏モデルから「CyberLink AVCHD Player」がプリインストールされ、AVCHDフォーマットのファイルをフォルダや日付などで分類し、直接再生することができるようになった(従来はいったんDVDメディアなどに書き出す必要があった)。

 19型ワイド液晶ディスプレイはアスペクト比が16:10で、画面解像度が1440×900ドットと前モデルから継承している。「スーパーファインVX」と呼ばれるパネルを採用し、表面は光沢処理がされているため表示はクリアで色鮮やかだが、若干の映り込みが発生する。視野角は左右方向で角度をつけるとやや黄ばみ、上下方向は白飛びや黒つぶれがあるものの、前述したように画面はチルトとスイベルに対応するため、見やすい角度に簡単に調整できるのはうれしい。

 液晶フレーム上部には130万画素のWebカメラとデジタルマイク(モノラル)を装備し、ビデオチャットなどもケーブルレスで気軽に楽しめる。液晶フレーム下部に内蔵されるステレオスピーカの音質も良好で、Blu-ray Discタイトルの鑑賞もチープな印象を受けることなく楽しめた。

TN方式の19型ワイド液晶ディスプレイを搭載する
B-CASカードスロットはカバーで覆われている
背面のカバー内にテレビアンテナや有線LAN、IEEE1394やUSB 2.0端子が用意される

デバイスマネージャの画面(その1)
デバイスマネージャの画面(その2)
デバイスマネージャの画面(その3)

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