日本市場において、2007年のEee PCを皮切りとしたNetbook/低価格ミニノートPCの主導権は、台湾勢を中心とした海外ベンダーが握ってきたが、ここにきて国内PCベンダーも精力的に巻き返しを図っている。東芝は「dynabook UX」、富士通は「FMV-BIBLO LOOX M」、エプソンダイレクトは「Endeavor Na01 mini」、シャープは「Mebius PC-NJ70A」、オンキヨーは「minimum PC」シリーズと多士済々だ(詳細は特集:ミニノート/Netbook/UMPCのすべてを参照してほしい)。
そのような中で、NECは2008年10月の初代LaVie Lightを皮切りに、カラーバリエーション展開と液晶ディスプレイの大型化を図った2代目LaVie Light、そして2009年6月にはフルモデルチェンジを図った3代目LaVie Lightと矢継ぎ早に新製品を投入してきた。最新モデルではハードウェアスペックが異なる3モデルをそろえ、さらにオフィススイートの「Office Personal 2007 2年間ライセンス版」をプリインストールしたモデルを合わせた、合計4モデルで夏商戦を迎える。
各モデルのスペックは下記にまとめたが、Atom N280(1.66GHz)のCPUを搭載し、新デザインのボディを採用したのがLaVie Light BL3x0シリーズで、最上位モデルは16GバイトのSSD(MLC)と160GバイトのHDDというハイブリッド仕様になり、標準で6セルの大容量バッテリーを装備しているのが特徴だ。一方、下位モデルは従来のボディやスペックはそのままに、ストレージを160GバイトのHDDから16GバイトのSSD(MLC)に変更することで、実売5万円前後という低価格を実現している。
新型LaVie Lightの主なスペック | ||||
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モデル | BL350 | BL310 | BL300 | BL100/TA |
カラバリ | パールブラック/パールレッド/フラットホワイト | フラットホワイト | ||
CPU | Atom N280(1.66GHz) | Atom N270(1.6GHz) | ||
チップセット | Intel 945GSE Express | |||
メモリ | 1GB PC2-4200(1GB DIMM×1) | |||
ストレージ | SSD16GB+HDD160GB | HDD 160GB | SSD16GB | |
グラフィックス | Intel GMA 950(チップセット内蔵) | |||
ディスプレイ | 10.1型ワイド光沢 | |||
解像度 | 1024×600ドット | 1024×576ドット | ||
有線LAN | 100BASE-TX/10BASE-T | |||
無線LAN | IEEE802.11b/g/n | IEEE802.11b/g | ||
Bluetooth | Bluetooth 2.1+EDR | − | ||
バッテリー | 6セル | 3セル | ||
バッテリー駆動時間 | 約7.4時間 | 約4.2時間 | 約3.2時間 | |
ボディサイズ | W285×D205.5×H27.5〜36.9ミリ | W285×D183.5×H27.5〜29.8ミリ | W250×D176.5×H31.3〜36.5ミリ | |
重量 | 約1.32キロ | 約1.14キロ | 約1.07キロ | |
オフィススイート | − | Office 2007(2年間ライセンス版) | − | |
プリインストールOS | Windows XP Home Edition(SP3) | |||
実売価格 | 7万円前後 | 6万円前後 | 5万円前後 | |
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まず、上位モデルと下位モデルの外観を比べると、ボディサイズは前者が285(幅)×183.5(奥行き)×27.5〜29.8(厚さ)ミリ(BL310シリーズの場合)、後者が250(幅)×176.5(奥行き)×31.3〜36.5(厚さ)ミリと、新モデルは底面積が増加する一方、4〜7ミリほどスリム化を果たしている(最上位のBL350シリーズは大容量バッテリーのせいで厚みが増している)。デザイン基調も従来のスクエアから丸みを帯びた形状になり、カラーバリエーションもこれまでのパステル調から、パールブラック、パールレッド、フラットホワイトと落ち着いたものになった。加えて、従来モデルは液晶ディスプレイ天面部分のみ光沢で、そのほかはマットな仕様であったが、新モデルは底面以外が光沢になった。
LEDバックライトを採用した液晶ディスプレイは10.1型ワイドのままだが、解像度は1024×576ドットから初代と同じ1024×600ドットに広がった(BL100/TAを除く)。上下方向の視野角はやや狭いが、左右方向は広めで色の反転も少ない。輝度は8段階に切り替え可能で、最高輝度でもまぶしすぎると感じることはない。なお、低反射処理は施されているが、光沢仕様(スーパーシャインビュー液晶)のため画面への映り込みはそれなりに目につく。また、これまでは180度開閉した液晶ディスプレイが、新モデルでは155度前後くらいまでになった。
インタフェースは3基のUSB 2.0とSDメモリーカードスロット(SDHC対応)、アナログRGB出力という構成に変わりはなく、ステレオスピーカーを内蔵するのも同様だ。左側面にあるUSBポートは、PCの電源オフ時でも携帯電話や携帯音楽プレーヤーに給電できる「パワーオフUSB充電機能」を備え、ACアダプタを接続しなくても充電が可能だ。SDメモリーカードスロットは、メディアを挿入してもカードが出っ張らず、スマートに扱える。
次のページではキーボードやタッチパッドなどの入力環境に触れ、SSDやHDDの初期状態/空き容量、リカバリ方法などをチェックしよう。
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