「2009年6月、エイリアン日本来襲」――“圧倒的なパフォーマンス”を看板に掲げたデルのプレミアムゲーミングPCブランド「Alienware」が日本のPC市場に参入した。PC製品群でエイリアンウェアというネーミングは、欧米ゲーマー的というか、SF的というか、何とも大胆不敵である。
Alienwareは2006年にデルが買収したPCメーカーで、同名のブランドで販売されるPCは独創的なボディデザインと高いパフォーマンスにより、欧米のトップエンドゲーマーから支持を集めている。これまでAlienwareは米国を中心に6カ国で展開されていたが、6月から日本を含む全35カ国までその範囲が広げられた。国内でも知る人ぞ知る高級ゲーミングPCブランドが、いよいよ日本に上陸したというわけだ。
日本上陸の第1弾製品となるノートPC「Alienware M17x」は、同社いわく“宇宙最強の17インチゲームマシン”。確かに、外観も中身も既存のデル製PCとは異なり、いかにもAlienwareらしい突出した1台に仕上がっている。ハイエンドパーツを詰め込みやすいデスクトップPCではなく、あえて実装面積の制限が大きいノートPCを第1弾として投入してきたことに、Alienwareの技術と性能に対する自信がうかがえるというものだ。
今回はデルからAlienware M17xの試作機を入手したので、まずはその概要をチェックしていこう。
さて、Alienware M17xのデザインだが、実に刺激的だ。まず、何といっても巨大でずっしりとした重みがあるボディに驚かされる。本体サイズは406(幅)×321(奥行き)×51.3〜53.6(高さ)ミリ、重量は最小構成で約5.3キロとなっており、画面サイズが17型ワイドと共通の同社製ハイエンドノートPC「XPS M1730」と比べても、大きく、重い。ヘビー級ノートPCの中でも特にビッグなボディである。
5センチ以上もの厚さがあるボディは、前面と背面が斜めにカットされ、同社いわく「攻撃的なライン」に仕上げたという。前面のステレオスピーカー周辺や底面のエアインテーク風通気口など、全体的にスポーツカーを意識したような外装(というより、角張った宇宙船?)で、見た目からも高いパフォーマンスをぐいぐい主張してくる。何ともエッジが効いたデザインだ。材質にも手抜きはなく、アルマイト加工による滑らかな手触りのシャシーが天面、側面、底面を覆っており、並々ならぬ重厚感がある。
今回入手したモデルのボディカラーはブラックとシルバーで塗り分けられた「ソーサー・シルバー」だが、全体が真っ黒な「スペース・ブラック」も選択可能だ。それにしても、ソーサー・シルバーとは、空飛ぶ円盤(フライングソーサー)に使われている銀色ということなのか……。
ちなみにAlienware M17xには、ボディの各所が発光する機能もあるが、残念ながら今回入手した試作機でその機能は利用できなかった。実際の製品では、天板のAlienwareロゴ、キーボード、タッチパッドなど、6カ所のゾーンごとに発光するカラーを選択できる。ボディの一部がイルミネーションで光るノートPCはこれまでにも存在したが、これほど多くの場所が発光し、その色まで柔軟にカスタマイズできるのは前代未聞ではないだろうか。この全身が怪しげに光るギミックは、いかにもAlienwareらしく、そのままSF映画の小物として使われても違和感がなさそうな特異な外観を演出してくれるのがたまらない。
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