キングソフトがNetbook向け軽量セキュリティソフトを無償提供サクサク動く?

» 2009年07月15日 14時00分 公開
[ITmedia]

 キングソフトは7月15日、Netbook向けのセキュリティソフト「Kingsoft Internet Security U Service Pack 1 quick」(以下、KISU SP1 quick)を発表した。初期費用/更新料はともに無料(ただし広告が表示される)で、年度更新料が980円の有料版(広告なし)も用意される。

 KISU SP1 quickは、現行の「Kingsoft Internet Security U SP1」から「SecurityCare SP1」の機能を省き、スキャン速度やスキャン時のCPU占有率、メモリ使用量を低減しているのが特徴だ。また、SSDなどを搭載するストレージ容量の少ないNetbook向けに、インストーラやインストール後のファイル容量も抑えた。

キングソフト代表取締役社長の沈海寅(しんかいいん)氏

 同日行われた製品説明会では、キングソフト代表取締役社長の沈海寅(しんかいいん)氏が登壇した。沈氏は現在PC市場を席巻しているNetbookの問題点として、その性能の低さからセキュリティソフトを導入しづらいと指摘。「ここ数年、セキュリティベンダー各社の製品は、動作を軽くする方向で進んできたが、いまPC市場に起きている大きな変化に追いついているとは言えない。これまでソフトウェアの開発は常にPCのパフォーマンスが向上するという前提で行われてきたため、Netbookの性能に適したものではなくなっており、アンバランスさが深刻になっている。その結果、ユーザーはセキュリティソフトをインストールしないか、動作の重さを我慢しながら使っているのが現状だ」と述べ、Netbookを始めとする性能の低いPCを対象としてKISU SP1 quickをリリースした背景を説明した。

通常版との比較

 KISU SP1 quickは、従来版のKingsoft Internet Security U SP1に比べて、毎秒スキャン件数が約2.2倍に高速化され、スキャン時のCPU占有率が47.78%から31.99%へ、スキャン時の平均メモリ使用量も54.52Mバイトから17.98Mバイトへ大幅に低減されている。

 この高速化の理由は大きく4点あるという。まず1つは、通常版が「Kingsoft AntiVirus U SP1」と「Kingsoft PersonalFirewall U SP1」、「Kingsoft SecurityCare SP1」の3つの機能で構成されていたのに対し、KISU SP1 quickではSecurityCareが省かれ、最も基本的なインターネットセキュリティ対策を提供するアンチウイルスとパーソナルファイアウォールに絞られていること。2つ目はパターンファイルの更新頻度を1日1回に減らし、パターンファイルの形式自体も最適化することで、更新中のシステムに与える影響を抑えている点。3つ目は、現在の脅威にはなっていないと考えられる古いウイルスなどのパターンファイルを省き、データベースを10分の1まで減らしている点。これによりスキャンにかかる時間やメモリ占有率を大幅に低減できたという。そして4つ目が、次期バージョンで搭載予定の新しいスキャンエンジンの一部を採用した点だ。なお、この新しいスキャンエンジンは、2009年冬ごろに通常版でも採用する予定としている。

他社製品との性能比較。左から、スキャン速度、CPU占有率、メモリ使用量。沈海寅氏は「他社製品に比べて非常に軽くシステムに与える影響が少ない」とアピールする

 KISU SP1 quickはすでに同社のWebサイトから無料でダウンロードできるほか、2009年秋ごろには大手量販店を通じてパッケージ版(USBメモリ)の販売も予定しているという。現時点でパッケージ版の価格は未定だが、3000円以下(2600円〜2800円くらい)になりそうとのことだ。

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