Windows 7の登場を控え、2009年のPC夏商戦も終わりに近づく中、夏モデル最後の目玉といっても過言ではない新型ミニノートが発売される。それが、ソニー初となるNetbook「VAIO W」だ。
店頭販売向けの標準仕様モデルは、ボディカラーがホワイトの「VPCW119XJ/W」とピンクの「VPCW119XJ/P」の2色展開で、前者が8月8日、後者が8月22日に発売となる。ソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルもあり、ホワイトは先行予約販売中で、ピンクと直販限定カラーのブラウンは8月10日より先行予約販売が開始される。七夕の製品発表から約1カ月、ついにVAIO Wを手にできる日が明日となった。
さて、VAIOオーナーメードモデルのウリといえば、購入時に選べる豊富なCTOメニューにあるが、VAIO Wは何かと仕様の制約が多いNetbookということもあり、3色のボディカラー、バッテリーの容量、オフィススイート、メッセージ刻印といったメニューに限られる。ソニーらしい手間暇かけたデザインと1366×768ドット表示のワイド液晶ディスプレイが自慢のVAIO Wだが、「ほかのNetbookのように、SSDを載せたモデルがあればいいのに……」と思った人もいるかもしれない。
そこで今回は発売に先駆け、VAIO WのデータストレージをHDDからSSDに換装し、メインメモリも増設してみた。構成の違いにより、パフォーマンスやバッテリー駆動時間、発熱や騒音にどのような変化が起こるのかもチェックしていこう。
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VAIO Wは1Gバイトのメインメモリと160GバイトのHDDを搭載しているが、過去に掲載したレビュー記事や分解記事でも取り上げた通り、これらの換装は難しくない。今回は手元にあったインテルの34ナノ版160GバイトSSD「Intel X25-M SATA Solid State Drive(SSDSA2MH160G2C1)」と、トランセンドのPC2-6400対応2GバイトSO-DIMMモジュール(JM800QSU-2G)をVAIO Wに搭載してみた。
まずはHDDをSSDに交換する。バッテリーパックを外し、底面にある3本のネジで固定されたカバーを取り外せば、2.5インチ/9ミリ厚のSerial ATA HDDにアクセスできる。HDDには金属カバーが取り付けられており、4本のネジで本体に止められているので、これらを外して金属カバー上面の黒いフィルムを引っ張れば、HDDが簡単に取り出せる。あとは4本のネジでHDDに装着された金属カバーを、交換するSSDに付け替えて、元通りに本体へ内蔵すればよい。
HDDを取り外す前には、あらかじめ必要なデータをバックアップしておこう。元のOSとソフトウェアの環境をそのままSSDに移行したい場合、プリインストールソフトの「VAIOリカバリセンター」でリカバリディスクを作成しておけば、後の作業が楽だ。SSDに換装した後、USB接続の光学ドライブにリカバリディスクをセットし、光学ドライブから起動すれば、Windows XP Home Edition(SP3)と各種ユーティリティ、アプリケーションが手間いらずで導入できる。
メモリモジュールの換装はHDDよりは面倒だが、本格的な分解は伴わないので、手軽に試せるだろう。まずは、HDDの換装時と同様に、バッテリーパックと底面にある3本のネジで固定されたカバーを取り外す。次に、HDDのコネクタ付近にある1本のネジと、バッテリーパックを取ると現れる2本のネジを外し、フレキシブルケーブルで接続されたキーボードユニットを持ち上げると、メモリモジュールが装着された1基のSO-DIMMスロットに到達できる。
キーボードユニットは、左右の上部にあるツメでしっかり固定されており、ネジを外しただけでは取り出しにくいので、バッテリーパック下のネジ穴に細いドライバーなどを押し込み、キーボードユニットを少し持ち上げた状態にしてから、すき間に指を入れて引きはがすといいだろう。SO-DIMMスロットが見えたら、後はモジュールを交換するだけだ。
次のページでは、2GバイトメモリとSSDを搭載したVAIO Wの性能を調べていこう。
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