2009年7月のモバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」正式開始にともない、モバイルWiMAXモジュールを内蔵するノートPCも続々登場する兆しをみせている。今回はこのうち、富士通の「FMV-BIBLO LOOX R/D70N WiMAXモデル」(以下、LOOX R WiMAXモデル)で、内蔵WiMAXモジュールがどこまで“粘る”かをテストした。
LOOX R WiMAXモデルは、通常モデルのLOOX R/D70をベースに、モバイルWiMAXと無線LAN(IEEE802.11b/g/n、nはドラフト2.0準拠)のコンボモジュール「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」とマルチバンドアンテナを別途内蔵した、1.26キロ+12.8時間駆動バッテリーが特徴の2スピンドルモバイルPCだ。
主な仕様は、超低電圧版Core 2 Duo SU9600(1.6GHz/FSB 800MHz/2次キャッシュ3Mバイト)、Intel GS45 Expressチップセット(グラフィックスは内蔵のIntel GMA 4500MHD)、1280×800ドット表示対応の12.1型ワイド液晶ディスプレイ、DVDスーパーマルチドライブ、Bluetooth、SDメモリーカードスロットなど。当初は直販サイト「WEB MART」限定モデルとして発売し、メモリ容量(1Gバイト×2/2Gバイト×2)やストレージ(160GバイトHDD/320GバイトHDD/128GバイトSSD)、ディスプレイの表面処理(グレア/ノングレア)、Office Personal 2007の有無、バッテリー(バッテリーパックM/同L)をカスタマイズできる。(関係はあまりないが)今回は、2Gバイトのメインメモリ、320Gバイトの2.5インチHDD、グレアタイプの液晶ディスプレイを搭載するモデルで評価を行った。
WiMAXモデルは、通常モデルと比べて天板の一部に少しデザインの違いがある。天板の上部が若干長くなり、ここにモバイルWiMAXと無線LANに対応する少し大きいマルチバンドアンテナ(モバイルWiMAXは2.3G〜2.4GHz/2.5G〜2.7GHz/3.30G〜3.80GHz帯、無線LANは2.4G〜2.5GHz/5.15G〜5.85GHz帯)を左右に2つ内蔵する。
モバイルWiMAX+無線LANのコンボモジュール「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」は、同一性能ながら片面チップ実装のMini Card型と両面チップ実装のHalf Mini Card型(面積は半分だが、やや厚い)の2種類がある。LOOX M WiMAXモデルはこのうち、2つあるMini PCI Expressスロットの片方にHalf Mini Card型モジュールを実装する。モバイルWiMAXと無線LANで、送信1チャンネル×受信2チャンネルを用いる1×2 MIMOに対応し、モバイルWiMAXは下り最大13Mbps、上り最大3Mbpsで通信できる。
なお、Intel WiMAX/WiFi Link 5150は、同時にモバイルWiMAXと無線LANを有効にできない。LOOX R WiMAXモデルは、どちらか一方を付属ユーティリティソフト「インテルPROset/Wiress WiMAX接続ユーティリティ」で切り替えて使用する。富士通のネットワーク環境切り替えユーティリティソフト「Plugfree NETWORK」(の試用機搭載バージョン)はモバイルWiMAX環境に対応しておらず、利用シーンに応じて使用するネットワークをシームレスに切り替える──ほど高度な制御は残念ながらまだ行えない。こちらは今後のソフトウェアバージョンアップに期待したい。
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