OSにWindows Home Serverを搭載したエプソンダイレクトの「Endeavor SV120h」はコンパクトなボディと省電力性能により家庭やSOHO向けサーバとして縦横無尽に活躍してくれるマシンだ。
とはいえWindows Home Serverは「なにが、どう便利なのか」が、それほど知られていない現状はあるかもしれない。今回は、Windows PCを家族や小規模オフィス内で複数台利用するユーザーに向け、SV120hとWindows Home Serverの「アドイン」(機能を拡張する小プログラム)とともに、“より具体的”な便利な使い方を実践し、その使い勝手を確かめることにしよう。
「リモートアクセス機能」は、Windows Home Serverの最も特徴的な機能の1つだ。VPNの設定も不要であることはもちろん、面倒なルータの設定までUPnPで自動で行い、“ダイナミックドメイン機能”で外出先のPCから自宅のLANへの接続を容易に可能にしてくれる。外出先など、インターネットに接続できる場所のどこからでも自宅LAN内のPCをリモート操作できるのは、いざ使ってみると便利この上ないものだ。
その半面、自宅でもオフィスでも、クライアントPCの電源を常時入れておくのは経済的でない。だからといって外出先からリモート接続を行おうとするたびに、家族やほかの誰かにPCの電源を入れもらう……のはそもそもありえないことだろう。
そこで、ネットワーク経由でPCの電源を制御する「WOL」(Wake On Lan)を活用するのはいかがだろう。WOLは、LAN機能を拡張カードとして実装していた時期はともかく、いまどきのPCであればほぼ対応している(標準では無効になっている場合もあるので、PCのデバイスマネージャーからあらかじめ有効にしておこう)。今回使用するアドインは「Auto Exit 2009」だ。Windows Home Server用アドインのインストール方法は共通で、入手したファイルをWindows Home Serverの共有フォルダにある「ソフトウェア¥add-ins」にコピーして、Windows Home Serverコンソールから「設定」→「アドイン」→「+使用可能」からインストールを開始する。ちなみに、アドインのインストールも(LAN内のクライアントPCから)リモートで行える。
Auto Exit 2009の基本機能はWOLでPCをリモート起動することだが、操作対象とするPCに専用クライアントソフトをインストールしておくと、シャットダウンやスタンバイ、休止様態(ハイバネーション)への移行なども指示できるようになる。
なお、英語版のWindows Home Serverであれば自動で共有フォルダにクライアントソフトを展開してくれるようだが、日本語版はフォルダ名が異なるためか、それが機能しないことに少し注意したい。インストールは、Auto Exit 2009のインストールファイルからクライアントソフトを取り出して実施する。例えば、インストールファイルの「aewhs2009.msi」を、GドライブのUSBメモリにコピーしてGをカレントドライブにした後なら、
msiexec /a aewhs2009.msi targetdir=g:\client /qn
とコマンドラインから実行するとg:\clientにファイルが展開される。この中の「autoexitclient.msi」を実行すると、クライアントソフトのインストールが行われ、以降は常駐するようになる。
実際の運用は、Windows Home Serverコンソールに現れる「ASoft AutoExit」アイコンから行う。操作したいPCを右クリックすると「PCをWOLで起動」できるほか、上記のクライアントソフトをインストールしたPCなら、スタンバイや休止状態へ移行する操作も制御可能だ。省電力性能に優れるEndeavor SV120hはサーバとして常時待機させておき、出先から操作したいPCは、使いたいときだけ電源のオン/オフを含めてリモート操作する使い方ができるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.