8月29日、AMDのユーザーイベント「一足早いカウントダウン Get ready with AMD」がカフェソラーレ リナックスカフェ秋葉原店で開催された。イベントの主役は新チップセット「AMD 785G」で、会場には複数のメーカーの同チップセット搭載マザーが集合。壁側に並ぶデモ機には、イベントのもう1つの重要なテーマとなっているWindows 7(RC版)がインストールされていた。
当日は夏休みシーズンの最後の週末ということもあり、アキバは普段以上に人通りが激しく、会場内にも多数のユーザーがつめかけた。
場内が最も混雑したのは、AMDイベントで恒例になっている“兄貴”こと日本AMDの土居憲太郎氏によるセッションだ。今回はAMD 785Gチップセットに内蔵されるグラフィックス性能を中心に構成しており、ゲームやHD動画の再生・編集といった実際の使用シーンごとに外付けGPUと比べた実用性をアピールしていった。
AMD 780Gからの仕様変化で特に強調したのは、動画再生支援機能「UVD」が「UVD2」にアップグレードした点。これにより、BDビデオが備えている「Picture In Picture」(PiP)が外付けGPUと同レベルで快適に利用できるほか、サイバーリンク「MediaShow Espresso」などのエンコードソフトを使った動画変換もチップセットだけで実用レベルに達するという。
土居氏は「前のAMD 780Gからマイナーチェンジしただけという評価も聞きますが、私としては業界が激震する技術が満載していると思っています」と言い切り、「UVD2に関しては、個人的に“UVD5”と名付けてもいいくらい進化していますね」と自信のほどを伺わせた。
その勢いのままに、しばらくなりを潜めていた競合他社とのベンチマーク対決結果も披露した。ここでは「3GHzデュアルコア対決!」というテーマで、Athlon II X2 250対AMD 785Gマシンと、Core 2 Duo E8400対Intel G45 Expressマシンの性能を比較。Windows 7のエクスペリエンスインデックスの値はすべての項目がほとんど並んでいたものの、4種類のゲームベンチマークでは、「モンスターハンター フロンティア」以外の3タイトルでAMDマシンが圧倒的なハイスコアを叩き出したという。
また、サイバーリンク「MediaShow Espresso」による動画の形式変換時間を比較した場合も、平均で281%の処理速度が確認できたと発表。土居氏は、Athlon II X2 250が8000円弱、Core 2 Duo E8400が1万6000円前後で売られている現状もついても言及し、「これだけの性能差と価格差があって、何で競合さんを選ぶのか私には分からない」と過激な発言で会場を沸かせた。
シーン別のAMD 785Gの実用性解説でユニークだったのは、ビジネス向けアプリケーションでも描画処理に役立つという説明だ。Windows 7でPowerPoint 2007を使う場合は、プレゼンシート上でUVDが使えるため、フルHD動画を張り付けても快適に再生できるという。また、Acrobat Readerでも「2Dアクセラレーション」を有効にすることで、画像の描画処理が快適化するという。
土居氏は「フルHD液晶も安くなっているので、今後はビジネスの場でもHD動画や高解像度な写真を活用する機会が増えると思います。そうしたときに、快適に処理できる環境がそろっていれば設備をフル活用できるでしょう」と話していた。
なお、協賛メーカーのセッションでは、アドビシステムズが登壇。動画編集ソフト「Premiere CS4.0」で、AMD専用のエンコーダーを使うことにより、動画変換時間を約4分の1まで短縮できたと解説していた。
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