Appleの音楽イベントといえば、やはり「iTunes」だ。もちろん、ハードウェアとしてのiPodも重要だが、iPodをiPodたらしめているのはiTunesの存在が大きい。そんなiTunesもバージョンアップを重ね、9月9日に開催されたスペシャルイベントでは「iTunes 9」となった。どのような改良が加えられ、新機能が盛り込まれたのか。スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンで説明された新フィーチャーを紹介していく。
2003年4月のローンチ以来、およそ6年半にわたって営業を続けてきたiTunes Storeは、現在では累計で85億曲を販売し、1億の登録ユーザーアカウントに達する。オンラインだけでなく、実店舗を含めて間違いなく世界最大の楽曲販売事業者だ。そこで満を持して登場するのがiTunes Storeへの窓口となる管理ソフトウェアの最新版「iTunes 9」。昨年のスペシャルイベントで発表された「iTunes 8」では「Genius」が新機能としてフィーチャーされていたが、今年の9では何が目玉となるのだろうか。
まず、iTunes 9で目を引くのが機能面でのブラッシュアップだ。これまでにも何度も改良が加えられてきたiTunes Storeのレイアウトだが、新レイアウトでは縦方向に3段に分かれていたメニューがシンプルな構造に変更されている。Geniusも進化しており、ライブラリだけでなく、同ジャンルの曲を組み合わせたミックス再生にも対応した。
「“Genius”なDJがあなたのライブラリの楽曲を使ってエンドレスでミックス再生している様子を想像してほしい」とはジョブズ氏の弁。これが「Genius Mixes」だ。またiPod/iPhoneとの同期機能も強化されており、楽曲では単純にプレイリストを指定するだけではなく、ジャンルやアーティスト別、さらには容量分の適当な穴埋めなど、より細かい指定も可能になった。アプリ管理ではこれまでiPhoneやiPod touch上でしか行えなかった並べ替え作業もiTunes上で行えるようになっており、利便性が増している。
また、これまでiTunesでは1つの楽曲に対して最大3つのデバイスでの共有が可能だったが、これを5台のマシンで共有できる「ホームシェアリング」という機能が新たにサポートされた。ホームシェアリングの対象となったマシンはiTunesの左側ペインに一覧として表示され、ライブラリの内容を確認できる。この中から自分のライブラリにない楽曲のみを手動でコピーしてきたり、あるいは共有対象のライブラリを指定して自動同期をとるといった使い方も可能だ。複数マシンを所持する家庭では便利な機能だろう。
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