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雷のせいでデータが消えたから原稿は遅れます……とは言わせない――APC RS 400(1/2 ページ)

» 2009年09月11日 15時00分 公開
[長畑利博,ITmedia]
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いざというときのための安全対策

 無停電電源装置(以下UPS)は簡単に言うと大容量バッテリーの入った電源タップだ。ノートPCでは停電が発生した場合でも、バッテリーユニットでデータを保存してから電源を落とす余裕があるが、デスクトップPCではそうはいかない。UPSをデスクトップPCの環境に追加すれば停電時にデスクトップPCや周辺機器などに電力を供給することで、ノートPCと同様にデータの保存などの時間を稼ぐことができる。

 UPSにはこうした電源バックアップ以外に、もう1つ重要な機能がある。それが雷サージ対策機能だ。雷サージとは、近くの建物に落雷したときに、雷の放電の影響を受けてコンセントや電話線などから過電流や過電圧が送り込まれ、接続している機器にダメージを与える現象だ。筆者の実家は落雷の被害に遭いやすい立地条件で、近くのビルに落雷したときは、テレビやPCの電源、ボイラー、テレビのアンテナ線、電話配線など多くの機材が使えなくなったこともある。このため、現在ではほとんどの機器に雷サージ対策のアダプタを付けている。

 落雷の被害は一度発生すると金銭的にも大きいので、落雷対策のしていない大きな建物の近くに住んでいるならば、市販の雷サージ対策機器を用いて被害が広がらないよう自衛しておくことを“強く”お勧めしたい。

小規模ビジネス向けUPSユニット

 UPSメーカーの大手メーカーであるAPCの「APC RS 400」は、SOHOなど小規模ビジネスユーザー向けの製品だ。定格出力は400ボルトアンペア/240ワットで、スペック表によると100%負荷時の240ワットで6分駆動可能となっている。なお、UPSの定格出力を超える機器を接続していると、イザッというときに機能しなくなるので注意が必要だ。自作PCなどでは、システム全体の消費電力などが把握しにくいと思うので、ワットチェッカーなどであらかじめチェックして、消費電力にあった定格出力の製品を選んでおきたい。

 APC RS 400の主な機能としては、前述の雷サージ対策機能に当たる「データ回線サージ保護」や、UPSのバッテリーが足りなくなっているなどの障害を自己診断で検出する「自動セルフテスト」、コンセントからの供給電力が低い場合や高い場合に補正を行ってシステムの安定動作を保証する「AVR」 (自動電圧修正)機能、工具なしで内部バッテリー交換ができる作業性、LCDによる動作モードの確認機能などが挙げられる。ほかにも、メインのPCの電源を落とすと周辺機器の電源も自動的に落とす省エネ機能「マスタ連動コンセント」も用意されている。なお、マスタ連動コンセントを使用する場合は、決められたコンセント位置にPCの電源ケーブルや周辺機器を取り付ける必要がある。

 接続可能なコンセントとしては、データ回線サージ保護、および停電時にバッテリーを供給する機能を持つバックアップコンセントが3つ、データ回線サージ保護のみのコンセントが2つ用意されている。また、先ほども説明したように雷サージが発生した場合、コンセントだけではなく電話線などからも過電流が流れてくるため、電話線用のデータ回線サージ保護用のモジュラージャックも用意されている。

 本体にはミュートボタン、電源スイッチ、表示メニューボタンといった3つのボタンが付けられており、表示メニューボタンで各種パラメーターの表示、複数ボタンの同時押しや長押しなどでバッテリーモードに移行するときの感度やマスタ連動コンセントのオンオフといったさまざまな設定や表示が行える。

APCの主力UPSとなる「APC RS 400」(写真=左)と背面に用意されたコネクタ(写真=右)。停電時に電源を供給する「バックアップコンセント」は3つ。この3つは、マスタ連動コンセント機能にも対応している。下の2つはデータ回線サージ保護専用コンセントだ。左側2つのモジュラージャックもデータ回線サージ保護用。右側のジャックはPCと接続するためのUSBケーブル用コネクタになる

UPSのシャットダウン機能を使うには、このケーブルで接続したうえで、専用のソフトウェア「APC PowerChute Personal Edition」をインストールする必要がある(写真=左)。本体上部のボタン。左からミュートボタン、電源スイッチ、表示メニューボタン。本体のLED表示と上部のボタンを組み合わせることで、さまざまな機能を設定できる(写真=右)

画面は標準状態の入力電圧表示モード。コンセントから入力されている電力を表示する。反対にPCに出力している電圧を表示させることも可能だ(写真=左)。UPSから電力を供給できる予測時間を表示するランタイム時間表示(写真=右)

接続されている機器の消費電力。画面のワット表示以外に残量をパーセントで表示することもできる(写真=左)。UPSは製品の性格上、バッテリーに寿命があり、ある程度の時間が経過すると交換する必要があるが、本製品では工具なしで簡単にバッテリーの交換ができる構造となっている(写真=右)

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