大画面×スリムボディが新鮮なCULVノート――「UX50V」に迫るGPU切り替え機能も装備(1/3 ページ)

» 2009年09月16日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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15.6型ワイド液晶搭載の薄型ボディは“インパクト大”

ASUS「UX50V」

 ASUSTeK Computer(ASUS)の「Uシリーズ」は、インテルのCULV(Consumer Ultra Low Voltage=コンシューマー向け超低電圧)版プロセッサを搭載したスタイリッシュな薄型軽量ノートPCだ。日本展開の第一弾製品として、12.1型ワイド液晶を装備した「U20A」と、15.6型ワイド液晶を備えた「UX50V」の2モデルが発売されている。

 PC USERでは既にU20Aのレビュー記事(ついに日本でも販売開始:デザインとバランス重視のASUS初“CULV”ノート――「U20A」を駆る)を掲載しているが、今回は大画面モデルの「UX50V」を取り上げよう。

 まずはボディから見ていく。本体サイズは385(幅)×257.8(奥行き)×18.6〜28.6(高さ)ミリ、重量は約2.6キロだ。最薄部、最厚部ともに12.1型ワイド液晶搭載のU20Aよりも薄く仕上がっており、サイズの割に薄い印象を受ける。15.6型ワイド液晶のノートPCなので、さすがにモバイル用途に適したサイズではないが、家庭内で持ち運んだり、収納したりする際にはスリムボディが物をいう。

 昨今のASUSはノートPCのデザインに注力しているが、UX50Vの外観にも相当なこだわりが感じられる。背面の中央部から左右や手前側へかけて大胆に絞り込んだスタイルは、チョウの羽のような優雅な曲線をイメージしたとのこと。フットプリントが大きいだけに、薄型軽量モバイルノートPCとは違った新鮮なインパクトがある。

 外装についても美しい光沢ブラックの天板をはじめ、マットなメタリックグレーの塗装を施したキーボードベゼル、クリアカラーのパネルを張った液晶フレームやパームレストなど、モノトーンを基調にしつつ、素材や質感でアクセントを付けて、高級感を演出している。バックライト付きキーボードや、スロットインタイプの光学ドライブ、側面のインタフェースをカバーで隠すといったデザインへの配慮も見られる。

天板は光沢ブラックの塗装でキレイだが、指紋が付きやすいのは少し気になる(写真=左)。ボディの端を絞り込んだフォルムは、実際の薄さよりもスリムに見える(写真=中央)。底面のデザインもすっきりしており、薄型のリチウムポリマーバッテリー(14.8ボルト 2800mAh)を採用している(写真=右)。ACアダプターは実測で44(幅)×93(奥行き)×26(高さ)ミリ、約255グラムとなっており、このサイズのノートPCとしてはかなりコンパクトだ

本体がすっぽり収納できるナイロン製の2ウェイバッグまで付属する。バッグの内側にはポケットや仕切りが複数あり、機能性が高い

超低電圧版Core 2 Duoを中心に必要十分なスペック

CPU-Z 1.52.2のCPU情報表示画面。CPUにはCore 2 Duo SU9400(1.4GHz)を採用する

 CPUにはCore 2 Duo SU9400(1.4GHz、2次キャッシュ3Mバイト)を採用する。パッケージサイズの小さなSFF(スモールフォームファクター)の超低電圧版モデルで、TDP(熱設計電力)は10ワットだ。メインメモリはPC2-6400に対応し、標準で4Gバイト(2Gバイト×2)と十分な容量を確保する。データストレージは2.5インチのHDD(回転速度5400rpm)を内蔵し、容量は500Gバイトとこれまた余裕がある。右側面には、スロットイン方式のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブも内蔵しており、基本スペックに不満はない。

 ちなみに、ボディはデザインを優先したためか、メモリスロットやHDDへ容易にアクセスできるカバーなどは用意されておらず、これらにアクセスするためには本格的な分解が必要だ。ツメで固定されたキーボードを外し、その下と底面にあるネジをひと通り外すとトップカバーが外れる仕組みで、右パームレストの下にHDDが内蔵されている。メモリスロットは底面側にあるため、メモリを換装するためにはマザーボードまで取り外さなくてはならない。

 UX50Vの場合、標準で4Gバイトのメモリと500GバイトのHDDを備えており、交換の必要はないだろうが、自己責任で8Gバイトメモリ+64ビット版Windowsの構成を試してみたい、HDDを高速なSSDに交換したいなどと思っているようなユーザーには向かないといえる。

本体を分解してキーボードとトップカバーをすべて取り外すと、ようやくHDDにアクセスできる(写真=左)。取り出したマザーボードは、CPUとGPUにヒートシンクが装着され、標準で2Gバイト×2のメモリモジュールを備えていた(写真=中央/右)

GMA 4500MHD/GeForce G105Mによるハイブリッドグラフィックスを搭載

 チップセットにはIntel GS45 Express+ICH9MEを採用している。GS45はグラフィックスコアとしてIntel GMA 4500MHDを内蔵するが、UX50Vは別途NVIDIA GeForce G105Mも搭載しており、両者を切り替えて使うことができる。GPUの切り替えは再起動なしに行えるが、スイッチのようなものは特にない。Windows標準の「電源プラン」にGPU設定(GPU Settings)の項目が追加されており、GPUの切り替えはその設定に基づいて行われる。

 例えば電源プランが「バランス」の場合、ACアダプタ駆動時は「Boost Performance」、バッテリー駆動時は「Save Power」といった設定になり、ACアダプタ接続時はGeForce G105Mで動作し、バッテリー駆動になるとGS45内蔵のGMA 4500MHDに切り替わる。GPUが切り替わる際には一瞬画面がブラックアウトする。

 また、UX50Vは電力設定機能にASUS独自の「Power4Gear Hybrid」を利用しており、電源プラン自体も標準の「バランス」や「高パフォーマンス」などのほかに、Power4Gear Hybridの各モードが用意されている。

 デフォルトの「Entertainment」では、ACアダプタ接続時が「Boost Performance」、バッテリー駆動時が「Save Power」となる仕様だ。パフォーマンスを最大化する「Power4Gear High Performance」ではACアダプタ接続時/バッテリー駆動時ともに「Boost Performance」、「Quiet Office」/「Battery Saving」ではACアダプタ接続時/バッテリー駆動時ともに「Save Power」の設定が適用される。

電源プランの詳細設定画面に「GPU Settings」という項目が追加されており、GPUの切り替えはこの「GPU Settings」に基づいて行なわれる。デフォルトの電源プラン「Power4Gear Entertainment」では、ACアダプタ接続時が「Boost Performance(GeForce G105M)」、バッテリー駆動時が「Save Power(GS45内蔵のGMA 4500MHD)」の設定になる

CPU-Z 1.52.2のGPU情報表示画面。電源プラン、あるいはACアダプタ/バッテリー駆動の変更により、GPUが切り替わるとGPU情報の表示も切り替わる

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