「LaVie Light Luiモデル」で変わるNetbookライフ自宅のPCをいつでもどこでも(1/2 ページ)

» 2009年09月29日 11時24分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

最も“とんがった”Netbook――LaVie Light Luiモデル

LaVie Light Luiモデル

 当初は海外発の製品が多かったNetbookも次々と国内メーカーが後に続き、ノートPC市場のかなり大きな一角を占めるようになって久しい。これらNetbookの基本的なスペックはどれも似たようなものだが、一部には“一点突破”を目指した製品も存在する。ただし、そういったNetbookはとんがっているがゆえに「何かを切り捨て」て「何かを生かした」作りになっていることがほとんどだ。そして、そのために価格も性能比でやや高めになることが多い。

 ここで取り上げるNECの「LaVie Light」は、スペック的には標準的なNetbookだ。もちろん、NECという国内老舗メーカーの確かな技術に裏打ちされた安定感、安心感は随一と言えるが、数あるNetbookの中で見るとやや保守的な印象さえある。しかし、LaVie Lightのラインに並ぶ「LaVie Light Luiモデル」は、「LaVie Light BL330/TA」をベースにしていながら「何も切り捨てない」という意味で最も“とんがった”Netbookへと生まれ変わった。

出張・帰省でちょっと不安? Netbookの問題点とは

 Netbookの最大の特徴は低価格な点にあり、その分性能面では制限される部分もある。もっとも、低性能と言ってもそれは現在主流のミドルレンジPCと比較してのことで、数年前を基準にすれば決して見劣りするものではなく、性能に合わせてOSを選択すれば十分実用に耐えうるパフォーマンスが期待できる用途も多い。だからこそNetbookが普及したわけだが、その一方で負荷の高い処理を必要とするアプリケーションやサービスは増え続けている。

 例えば、一昔前であれば「ネットが見られてメールができれば十分」という言葉の意味は、静的コンテンツ主体のWebサイトを閲覧し、テキスト主体のメールが読み書きできれば十分、という意味だった。ところが現在は「ニコニコ動画やYouTubeといったFLASH動画コンテンツがコマ落ちなく再生でき、メールに添付されたWordやExcel文書、PDFファイルが閲覧できること」と、ずいぶんとハードルが高くなっているのが現状だ。

 このため、1台目のPCとしてNetbookを購入するのはあまり得策ではないものの、すでにデスクトップPCを持っているユーザーが2台目のPCとして購入するのは悪くない選択と言える。普段使わないサブマシンに高価なノートPCを購入することは決心しづらいが、Netbookであれば出張や旅行のときにしか使わない持ち出し用マシンとしても手の届く価格帯だ。

 ところが、そういったユーザーの場合は、余計に1台目のPCとの性能差を実感することになる。多くのNetbookに搭載されているIntel製CPUのAtomシリーズは、省電力性能を重視した結果、クロックあたりの性能が低くなっており、スペック上の数字よりも実際の体感速度は遅く感じることが多い。特にCPUを酷使する動画編集/再生はその傾向が強い。CPUパワーを補うために動画再生支援機能が搭載されているケースが多いものの、その機能が有効に働くための条件が厳しく、用途によってはまったく活用できない場合も少なくない。

 データの同期も面倒な問題だ。あらかじめどのファイルが必要であるか分かっていれば準備もできるが、どれが必要になるか分からない、かといってすべてのファイルをコピーしていく容量や時間はない、という状況もめずらしくない。また、ソフトウェアのライセンスも多くは1ライセンスあたり1台のみのインストールとなっている。オフィス文書であれば無償のビューアで閲覧は可能だが、「絶対出先で編集することはない」と断言できるかは不安が残るだろう。また、無償で利用可能なオープンソースのオフィス互換ソフトの場合、編集して保存した後にファイルの情報の一部が落ちてしまわない保証はない。

 安価なNetbookを買ったものの、メインPCと同じような環境を整えるために追加出費がかさんでしまった、ということにもなりかねない。しかも、それでもそこそこのパフォーマンスしか得られない、というのが現状だ。

 この問題を解決する1つの手段は、リモートデスクトップを使って外部から自宅のPCを利用すること。しかし、リモートデスクトップを利用するためには特定のポートを開放しておく必要がある。自分と同じように、世界中の誰もがログイン画面までたどりつけてしまう危険性については説明するまでもないだろう。ネットワークの知識があればVPNやSSHトンネリングなどを使ってより安全な方法を選ぶこともできるが、一般にはハードルが高い。また、リモートデスクトップは高頻度の画面書き換えでパフォーマンスが落ちやすく、メディアプレーヤーなどで動画を再生しても1秒間に1〜2コマ程度のひどいコマ落ちになることが多い。

安全・簡単・快適なLuiソリューション

 NECのLuiソリューションは、こういったリモートデスクトップの問題を解決するかなり有力な選択肢だ。自宅のデスクトップPCが表示する画面をPCリモータ―サーバボードが圧縮し、ネットワーク経由でPCリモーターと呼ばれるクライアントに送信する。PCリモーター側からはマウスやキーボードの入力をPCリモーターサーバに送ることでリモート操作を可能にしている。

 PCリモーターボードはハードウェアによる圧縮を行っており、CPUに高い負荷をかけることなく、高速に処理を行うことができる。そのため、メディアプレーヤーやFLASHプレーヤーでの動画再生も非常になめらかだ。また、PCリモーターサーバボード自身がVPNアダプタとして機能するネットワークアダプタを搭載しており、サーバ自身のパフォーマンス低下を最小限に抑えて安全に接続できるようになっている。PCリモーターサーバとPCリモーターはメールで接続情報を自動的に交換し、UPnPを使って複雑な設定なしにインターネット経由の安全な通信を実現する。

PCリモーターサーバボード「LU-AC-RB003」。既存のPCのPCIスロットに装着することでLui環境を実現する

 ただし、Luiが発表された当初は、サーバにはNEC VALUESTAR R Luiモデルが必要だった。また、クライアントとなるPCリモーターは、ノートPC型の「Lui RN」と携帯端末型の「Lui RP」の2機種に限定されていた。この2機種はほぼLui専用端末として特化されたWindows CE機で、一応、Windows CE版のInternet Explorerと(なぜか)ソリティアは動作するものの、それ以外のアプリケーションのインストールはできず、ネットワークに接続できない環境ではソリティア専用機となってしまう。Luiソリューションは魅力的ではあるものの、初期投資の大きさと、ネットワークが使えないところでの利用価値の低さに二の足を踏むユーザーがいたのではないだろうか。そして、Luiへの期待が高い分、PCリモーターサーバボードの単品販売を望むユーザーも多かったはずだ。

 そこで登場したのが単品販売のPCリモーターサーバボード「LU-AC-RB003/LU-AC-RB004」と「LaVie Light Luiモデル」だ。他社製のデスクトップPCであっても、PCIスロットにLU-AC-RB003を装着することでPCリモーターサーバとして利用できるようになり、また、PCリモーターとしてLaVie Light Luiモデルを使用することにより、ネットワークに接続できない環境であってもNetbookとして利用できる。LaVie Light Luiモデルは、OSにWindows XP Home Edition(SP3)を搭載しており、各種アプリケーションのインストールも問題なく行える。また、Office Personal 2007 2年間ライセンス版がプリインストールされており、スタンドアロンでオフィス文書を編集することも可能だ。

PCリモーターソフトのメニュー画面。PCリモーターサーバボードによる高速画像圧縮機能はリモートスクリーンだ。Windows標準のリモートデスクトップとは区別する(画面=左)。リモートスクリーン、リモートデスクトップ、ファイル共有のいずれでもまずはセーフコネクトによって接続を行う(画面=中央)。セーフコネクトはまずLAN内に対象サーバがないか検索する。ない場合は自動的にインターネット経由の検索に切り替わる(画面=右)

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