“大物待ち”のフラストレーションが解消された9月のアキバ5分で分かった気になる、9月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2009年10月01日 12時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]

「割安になれば今後のスタンダードになる」――Core i5/i7&P55マザーが話題をさらう

ソフマップ秋葉原本館のWindows 7コーナー。街全体で64ビット版のほうが予約が多いという

 Windows 7の販売解禁まで1カ月を切った9月24日、Windows 7の予約受け付けが各ショップで始まった。パッケージ版とDSP版の価格が示され、アキバではFDDとセットで2万5000円前後の「Windows 7 Ultimate パーツバンドル予約限定プレミアムセット」を中心に順調に予約が集まっている。

 Windows 7発売のカウントダウンが進むなか、夏ごろから登場がウワサされたパーツが次々に登場した。その代表格が、インテルの新型CPU「Core i7-870/860」と「Core i5-750」、LGA 1156ソケットを搭載する「Intel P55 Express」マザーだ。新型のCore i7/i5は、LGA1156に対応するクアッドコアCPUで、動作に余裕があるときに使用中のコアを自動でオーバークロックする「Turbo Boost」機能が利用できる。実売価格はCore i7 870が6万円前後で、Core i7 860が3万円前後。Hyper Threading非対応のCore i5-750は2万円強だ。P55マザーはインテルASUSTeKギガバイトMSIなど主要ベンダーから一斉に発売され、1万円強から3万円前後まで幅広いラインアップがそろっている。

 販売が解禁された9月8日0時に複数のショップが深夜販売を実施。月曜日から火曜日にかけての深夜ながら約150人のユーザーが集まり、8月初旬から話題を集めていた注目パーツの発売を盛り上げていた。また、その週末の9月12日にはインテルがユーザーイベント「Intel Technology Day in Akiba 2009」を開催し、強化された新CPUのTurbo Boost機能や、各ベンダーが独自に開発したP55マザーの機能などをアピールしている。

 発売当初の売れ行きは、「ハイエンド志向のユーザーは従来のCore i7とX58マザーの組み合わせを選びます。新CPUとP55マザーの位置付けが分かりづらく、Core 2シリーズとP45マザーの後継という割には高価だったため、爆発的なヒットとはいきませんでした。そこそこのペースで売れているといった感じです」(クレバリー1号店)という状況だ。ただし、「Windows 7用に自作マシンを新調する際の主役になるプラットフォーム」(ツートップ秋葉原本店)というコメントも多く、新OS登場に向けて売り上げが伸びていくと予想するショップが少なくない。実際、9月末時点で「最近になって2万円前後のP55マザーと、Core i7-860、Core i5-750の人気が加速していますね。きっとピークはWindows 7登場後でしょう。おそらく、インテルの狙い通りだと思います」(ドスパラ秋葉原本店)という声もある。

インテル「Core i7-870/860」と「Core i5-750」(写真=左)。9月8日0時のT-ZONE.PC DIY SHOP前。飛び入りでインテル天野氏とライター高橋氏がセレモニーに参加した(写真=中央)。深夜販売時にTSUKUMO eX.前に並べられた新CPUと各社のP55マザー(写真=右)

AMDから低価格帯CPUが5モデル登場!――バラエティに富んだ話題を提供

ほかのラインアップよりひと足早く登場した「Athlon II X4 620」

 一方のAMDは、8月にAMD 785Gマザーを投入。9月中旬にミドルレンジからエントリークラスのCPUを5モデル発売した。デュアルコアCPUの新ブランドとなる「Athlon II X4」からは、2.8GHz動作の「630」と2.6GHz動作の「620」、2.3GHz動作でTDPが45ワットと低い「605e」の3モデルが登場。価格は順に、1万2000円前後、1万円強、1万4000円前後となっている。また、デュアルコアCPUには「Athlon II X2 240e/235e」の2モデルがラインアップに加わり、8000円前後と7000円前後で販売されている。動作クロックはそれぞれ2.8GHzと2.7GHzで、ともにTDPは45ワットだ。

 全体的にAthlon II X4の評判は上々で、「クアッドコアで1万円強というのは魅力的ですね。安くて、そこそこのマシンを組みたいという人には、AMD 785Gマザーとともにプッシュしています」(ソフマップ秋葉原本館)といったコメントは多い。また、「Athlon II X4はL3キャッシュ非搭載ですが、一部のモデルはBIOS設定によって掘り出せるみたいですよ。つまり、Phenom II X4化ですね」(某ショップ)といったウワサもささやかれている

 なかでも売れ行きが好調なのは、低消費電力版のAthlon II X4 605eだ。ドスパラ秋葉原本店は「古めの電源を使い続ける人や、リビング用に小型マシンを作るという人が増えて、消費電力の低さに対する注目度は全体的に高まっています。TDPが45ワットというのは、クアッドコアCPUとしては特に低い値なので、登場時のインパクトは強かったですね。その後も安定してい売れています」と語る。

 一方、Athlon II X2 240e/235eは、初回入荷分のリテールパッケージに記載されたスペックの誤表記が話題を集めた。「デュアルコアなのにクアッドコアと書かれていると思えば、L2キャッシュの容量が本来の2Mバイトよりも低い1.5Mバイトになっていたり、複雑な誤植になっています。代理店からの要請もあったので、正しいパッケージが登場するまで販売を控えています」(TSUKUMO eX./発売時)とのことで、入荷時は約半数のショップが誤表記を説明したうえで販売する措置をとっていた。なお、1週間後に誤植部分に張る修正シールが各ショップに届いたため、9月末現在は全店舗で通常通りに購入可能だ。

AMD「Athlon II X4 630」と「Athlon II X4 605e」(写真=左)。Athlon II X2 240eの誤植。「True Quad-Core Design」「1.5MB Total Cache」の文字が確認できる(写真=中央)。修正シールが各ショップに届き、現在は通常通りに販売されている(写真=右)

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