通信機能は100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LAN、IEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth 2.1+EDRを装備する。インタフェースは3基のUSB 2.0にSDHC対応SDメモリーカード/メモリースティック(PRO-HG対応)両対応のメモリカードスロット、アナログRGB出力にヘッドフォンおよびマイクと標準的だ。欲をいえばHDMI端子も用意してほしかったところだが、無線LANのハードウェアスイッチを前面左側に備えているのは気が利いている。なお、試作機で試した限り、左側面にある排気口から常に排気が行われていたが、BIOSメニューでファンの回転速度を通常からサイレントに切り替えると、風切り音がかなり低下した。実際の製品ではパフォーマンスやボディの発熱にどれくらい影響があるのか気になるところだ。
これまでは主にハードウェア面を見てきたが、長年モバイルPCを出し続けている富士通だけに、細かい部分で配慮が施されている。具体的には、上位モデルのFMV-BIBLO Rなどで導入されている「省電力ユーティリティ」で各デバイスごとに省電力モードを切り替えられたり、同一ネットワーク上(有線/無線LAN問わず)にあるPCの光学ドライブを共有できるユーティリティ「DVDドライブ共有機能クライアント」が標準で導入済みだ。ほかにも、フォントの大きさやポインタの移動速度などをワンタッチで切り替えられるユーティリティ「ゆったり設定2」のほか、明鏡国語辞典MXやジーニアス英和・和英辞典MX、三省堂デイリー3カ国語辞典など豊富な電子辞書もプリインストールされている。ちなみに、OSは32ビット版Windows 7 Home Premiumで、「C/E50」にはOffice Personal 2007(SP2)をプリインストールしたモデルもラインアップされている。
以上、富士通の新シリーズを見てきたが、Netbookで感じていた不満を1つ1つ解消することで、魅力を高めているのがLOOX Cの真骨頂だ。重量は約1.6キロと軽くはないが、光沢仕様の液晶ディスプレイ天板も安っぽくはなく、一点加圧試験で約35キロfと堅牢性も確保している。
実売価格は上位モデルが10万5000円前後、下位モデルは8万5000円前後(Officeモデルは10万5000円前後)と、現状の国内PCベンダーの中ではかなり健闘しているが、先行する日本エイサーの新型Aspire Timelineは5万9800円(AS1410の場合)と、さらにアグレッシブな攻勢をかけてきた。今後もこのジャンルには新モデルが登場する見込みで、まさに本格的な戦いの火ぶたが切られたばかりであり、本機がユーザーからどのような評価を受けるのか、興味深いところである。
PC USERでは、これらの製品版を入手でき次第、順次レビューで掲載していく予定だ。
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