“世界最薄”モバイルノート「Adamo XPS」の秘密に迫るCore 2 Duo搭載で平均9.99ミリ厚(3/3 ページ)

» 2009年11月20日 19時55分 公開
前のページへ 1|2|3       

Core 2 DuoとSSDの採用でモバイルノートPCとしては良好なパフォーマンス

 試作機のパフォーマンスもチェックしてみた。ただし、前述の通りSSDの容量が国内市場版と異なり、OSも英語の64ビット版Windows 7 Home Premiumなので参考程度に見てほしい。電源プランは標準の「Balanced」設定とした。

 Windowsエクスペリエンスインデックスは、Intel GS45 Expressチップセット内蔵のグラフィックス機能(Intel GMA4500MHD)が足を引っ張り、グラフィックス関連のスコアが低めだが、SSDのパフォーマンスが優秀だ。デルによれば、国内市場版の128GバイトSSDは試作機に搭載されているSSDの容量違いとのことなので、これに近いスコアが得られると考えられる。Windows Aeroを含むWindows 7の機能を利用するうえで問題がない性能といえるだろう。

 PCMark05、PCMark Vantage、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3といったPC USERでおなじみのベンチマークテストの結果を見ても、スペックから察するに妥当なスコアだ。Core 2 Duoと比較的高速なSSDの採用により、モバイルノートPCとしての基本的なパフォーマンスは良好だが、3Dグラフィックスの性能は控えめなので、やはりゲーム用途には向かない。

左がWindowsエクスペリエンスインデックス、右がPCMark Vantageのスコア

左からPCMark05、3DMark06、FF XIベンチのテスト結果

 なお、今回入手した試作機は電源回りに少し問題があり、液晶ディスプレイのバックライト輝度が不意に切り替わったり、ファン制御に不具合が見られたため、バッテリー駆動時間や騒音、発熱のテストは見送った(ファンはキーボードの左奥にある)。もちろん、実際の製品ではこうした問題が解消されているという。

 とはいえ、非常に薄いボディということで、発熱を気にしているユーザーは少なくないだろう。あくまで試作機を利用した感想になるが、利用時にユーザーの手が触れるパームレストやキーボードは比較的発熱しにくく、キーボードの奥や底面のヒンジ付近が熱くなりやすかった。システムに負荷がかかると、右パームレストが熱くなってくるが、温度が上がりすぎて困るほどではなかった。Adamo XPSは利用時に底面が浮き上がり、本体の上下にエアフローができるため、このスタイルも放熱に一役買っている。

人とは違うプレミアムなノートPCを求めるユーザーへ

 以上、駆け足でAdamo XPSをチェックした。薄さだけを最優先したノートPCのように思うかもしれないが、変わったボディデザインから予想されるよりも使い勝手はよく、見た目も中身も相当に練られて作り込まれていると感心した。

 実用重視のモバイルノートPCは数多くの選択肢があるが、デルが世界最薄をうたうように、ここまでの薄さを実現した製品はない。極薄のアルミボディと独特のボディデザインは、人とは違ったプレミアムなノートPCを求める層にピッタリはまるだろう。これで17万4000円からという価格は意外に安いと感じさせる。

 今後PC USERでは、日本市場版のAdamo XPSを入手し、今回テストできなかった内容も含めてレビューを行う予定だ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月10日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  3. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  4. M4チップ登場! 初代iPad Proの10倍、前世代比でも最大4倍速くなったApple Silicon (2024年05月08日)
  5. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  8. iPad向け「Final Cut Pro 2」「Logic Pro 2」登場 ライブマルチカム対応「Final Cut Camera」アプリは無料公開 (2024年05月08日)
  9. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  10. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー