Windows 7に合わせて一斉にPC新モデルが登場したが、その中でも特に目を引くのがCULV版CPU搭載ノートPCだ。富士通の新シリーズ「FMV-BIBLO LOOX C」の実力を試した。
10月22日、待望の新OS「Windows 7」の一般販売が始まり、それに伴って国内のPC各社から一斉に新モデルが登場した。詳細は前回の記事(新シリーズが続々登場!! 富士通の2009年PC冬モデルを徹底チェック)で触れたが、2009年の冬モデルで大きなトピックとなるのが、Windows 7のプリインストールとともに、Netbookと20万円を超える高価なモバイルPCのはざまを埋めるべく登場した“ポストNetbook”のカテゴリーだ。2008年から2009年にかけて爆発的にヒットしたNetbookだが、総じてマシンパワーは非力で、画面解像度も1024×600ドットまたは1024×576ドットと狭かった。逆に低消費電力で高性能なCPUやチップセットを搭載し、広い画面を備えたモバイルPCはどうしても価格が高くなりがちだった。
そのような状況に風穴を開けるべく登場したのが、CULV(Consumer Ultra Low Voltage)プラットフォームを採用した“ポストNetbook”の製品だ。いずれも小型かつ軽量で長時間のバッテリー駆動という優れた基本性能を装備しながら、低価格を実現しているのがポイントで、安価なNetbookは気になるが性能を考えるとなかなか手が出なかったユーザー層を中心に、注目を集めている。インテルではこのカテゴリーを「モバイル・サブノート PC」と命名しており、量販店の売り場ではこのカテゴリー名で紹介しているケースも多く、一度は目にしたことがある人もいるだろう。
さて、富士通が満を持して投入した「FMV-BIBLO LOOX C」シリーズは、まさにポストNetbookの筆頭にあげられる新製品だ。CPUに低消費電力で処理能力が高いインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー SU9400(1.4GHz)、あるいはインテル® Celeron® プロセッサー SU2300(1.2GHz)を搭載しており、どちらもデュアルコアのためNetbookを上回るパフォーマンスを実現している。最新OSのWindows 7もスムーズに動作させるだけの性能を備えているのはもちろん、スリムボディでありながら、モバイル用途に対応しうるバッテリー駆動時間を両立し、それでいて直販のWEB MARTで7万1820円(クーポンを適用した場合)という低価格を実現しているのが魅力だ。
店頭モデルは、CPUやオフィススイートの有無で計3種類のモデルが用意され、同社直販の「WEB MART」でも同様の構成で購入可能だ。それぞれ、3色のカラーバリエーションがあり、ルビーレッド、マリンブルー、シャイニーブラックから選べる。いずれも光沢感あふれる美しいボディで、同社がいう「プレミアムミニノート」にふさわしい仕上がりだ。開発段階で、液晶ガラス押し試験や天面からの一点加圧試験(約35キロf)などをクリアした堅牢性にも配慮した設計で、実際に手に持った感触もカッチリとしていて頼もしい。
各モデルの主なスペックは下記の表にまとめた。
最大の魅力は、サイズが285(幅)×209(奥行き)×26.4〜30.2(高さ)ミリとカバンへもスムーズに収納できるスリムボディでありながら、11.6型ワイドで1366×768ドット表示と、FMV-BIBLOシリーズでA4フルサイズの「FMV-BIBLO NW」や「FMV-BIBLO NF」と同じ解像度を実現していることだ。重量も約1.6キロと持ち運んでの利用も可能で、後述するようにバッテリーの駆動時間も十分に確保されている。
ノートPCで要となる入力環境も良好であり、主要キーで19ミリピッチとフルサイズのノートPCと同等のキーボードを搭載する。不規則なキー配列も見られず、タッチパッドも十分な大きさがあり、多機能なシナプティクス製ドライバが導入済みなので(標準状態では機能がオフになっているので、利用時はユーティリティ画面で設定を変更する必要がある)、デスクトップPCやほかのノートPCからの移行もスムーズに行えるだろう。高解像度の液晶ディスプレイや扱いやすいキーボードは、小型ゆえ何らかの妥協を強いられていたNetbookとは一線を画しており、まさにポストNetbookといえるものだ。
モデル | C/E70 | C/E50 | |
---|---|---|---|
CPU | インテル® Core™ 2 Duo プロセッサー SU9400(超低電圧版/1.4GHz) | インテル® Celeron® プロセッサー SU2300(超低電圧版/1.2GHz) | |
2次キャッシュ | 3Mバイト | 1Mバイト | |
チップセット | Intel® GS45 Express | ||
メモリ | 2Gバイト(DDR2 SDRAM) | ||
メモリースロット | 200ピンSO-DIMM×2(空き×1) | ||
HDD | 約320Gバイト(5400rpm) | ||
液晶ディスプレイ | 11.6型ワイド光沢 | ||
画面解像度 | 1366×768ドット | ||
グラフィックス | Intel® GMA 4500MHD(チップセット内蔵) | ||
無線LAN | IEEE802.11b/g/n | ||
Bluetooth | Bluetooth 2.1+EDR | ||
有線LAN | 100BASE-TX/10BASE-T対応 | ||
メモリカードスロット | SDHC対応SDメモリーカード/メモリースティックスロット | ||
Webカメラ | ○ | ||
スピーカー | 内蔵ステレオ | ||
バッテリー | 11.1ボルト 5200mAh | ||
バッテリー駆動時間 | 約9.2時間 | 約6.2時間 | |
ボディサイズ | 285(幅)×209(奥行き)×26.4〜30.2(高さ)ミリ | ||
カラーバリエーション | ルビーレッド、マリンブルー、シャイニーブラック | ||
重量 | 約1.6キロ(内蔵バッテリパックL装着時) | ||
オフィススイート | − | Office Personal 2007 | − |
OS | 32ビット版Windows 7 Home Premium | ||
WEB MART価格 | 8万9820円(クーポン適用済み) | 7万1820円(クーポン適用済み) | |
上記のような使い勝手のよさだけでなく、肝心の性能や機能面でもLOOX CシリーズはNetbookを上回っている。
前述したように、CPUは最新OSの32ビット版Windows® 7 Home Premiumを快適に扱えるパフォーマンスを備えたデュアルコアのインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー SU9400(1.4GHz)か、インテル® Celeron® プロセッサー SU2300(1.2GHz)を搭載する。チップセットもH.264/VC-1/MPEG-2のハードウェアデコード機能を含むHD動画の再生支援機能を内蔵したIntel® GS45 Expressを採用し、ハイビジョンコンテンツの再生もなめらかに行える。Windows 7では、H.264やAVCHD/AACといった動画/音声用のコーデック/プロファイルを標準でサポートしているので、OS標準のメディアプレーヤーであるWindows Media Player 12との組み合わせでHD再生支援機能が利用できる。実際に動画共有サイト「ニコニコ動画」や「YouTube」のHD動画を再生してみたところ、多くのNetbookでは激しくコマ落ちしていたものが、本機ではスムーズに再生できた。
メインメモリも標準で2Gバイト、最大で4GバイトとNetbookの倍にあたる容量で、HDDも容量が約320Gバイトとゆとりがある。通信機能はIEEE802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 2.1+EDR、そして100BASE-TX/10BASE-T対応の有線LANを実装する。インタフェースは3基のUSB 2.0、SDHC対応SDメモリーカード/メモリースティックPROスロット対応のメモリカードスロット、ヘッドフォン、マイク、アナログRGB出力と実用十分だ。
次のページでは、上位モデルと下位モデルそれぞれの性能やバッテリー駆動時間をテストした。
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提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年12月31日