米国で最も大切な祝日の1つである“サンクスギビングデー”。毎年11月の第4木曜日のこの日は、ターキーをたらふく食べてもゆっくり寝てはいられない。翌日、金曜日は1年で最大のショッピングチャンスである「ブラックフライデー」のため、あらゆる小売店が早朝から店をオープンさせるからだ。
ブラックフライデーは、あらゆる小売店が大幅な値下げを実施し、クリスマス商戦の口火を切る。ブラックフライデーの「ブラック」には、この日を境に小売店が“黒字”に転じるという意味がある。多くの小売店は早朝5時に店をオープンし、黒字獲得のために最大限の努力をする。中には玩具大手のToysRusのように、深夜12時スタートという気合いの入った店もある。
11月に入ると、ブラックフライデーに向けて新聞、テレビ、オンラインなどで、セールの広告が白熱してくる。ここで、各ショップが力を入れて宣伝するのは「Door Busters」と呼ばれる、先着○人限定の特価品だ。2009年のDoor Bustersでは、小売り大手の「Walmart」が50型の三洋電機製プラズマテレビを598ドル、MagnavoxのBlu-rayプレーヤーを78ドルで売り出した。家電量販店大手の「BEST BUY」は、1店舗につき5台限定でCeleron搭載のヒューレット・パッカード(HP)製のノートPC「HP G60-507DX」を、たったの197ドルで販売した。1ドル90円としても1万7730円だ。
ベイエリアのエレクトロニクス量販店大手「Fry's」のレントン店(ワシントン州シアトル郊外)では、ブラックフライデーの開店時間を朝5時にしていた。しかし、その時間にはすでに店を取り囲むほどの長蛇の列ができた。Fry'sでもDoor Bustersとして177ドル99セントのGateway製Netbook「LT2022U」を100台も用意していたが、開店と同時に売り切れたという。Door Bustersがはけた後も、同店舗では表示価格より50ドル引き、100ドル引きといったホリデースペシャル価格を連発して終日多くの買い物客でにぎわっていた。
ブラックフライデーにおける販売価格の相場(ただし、Door Busters対象商品を除く)は、NetbookがWindows XPモデルで200ドル後半、Windows 7モデルが300ドル半ばから後半といったところだ。しかし、今ではNetbookよりスペックが高いCULVノートPCが500ドル前後で購入できるため、米国でもNetbookの値ごろ感は薄れている。ノートPC売り場のレイアウトも通常タイプのノートPCやCULVノートPCを前面に押し出し、Nebookは片隅に追いやられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.