Celeron T3100搭載のMSI「CR500」で価格と性能を満足する(2/2 ページ)

» 2009年12月15日 17時00分 公開
[芝田隆広(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ベンチマークでCR500のパフォーマンスをチェック

 CR500の価格は実売5万円以下のNetbookとほぼ同じだが、CPUとして搭載するCeleron T3100と2Gバイトのメモリを用意したプラットフォームがたたき出すパフォーマンスはNetbookと一線を画するはずだ。

デバイスマネージャーで確認したCR500の構成CPUは1.9GHz動作のCeleron T3100を採用。試用機のHDDはウエスタンデジタルのWD16 090BEVT-22ZCTを搭載していた

 デュアルコアのCeleron T3100を搭載しているだけあって、「PCMark05」の結果は、Atomシリーズを搭載するNetbookと比べてかなり速い。PCMark05 CPUの値は4500台だが、これは、MSIのラインアップでCore 2 Solo U3500(動作クロック1.40GHz)を搭載した「X-Slim X400」で測定した2500台や、Atom N270を搭載するWind Netbook Uシリーズで測定した1500前後と比べてかなり速い。同様に、PCMark05 Memory、同 HDDもいい結果が出ている。評価機のHDDは、ウエスタンデジタルの「WD16 090BEVT-22ZCT」(容量160Gバイト、Serial ATA接続)が搭載されていたが、「CrystalDiskMark 2.2」の数値も良好だ。

 チップセットのMCP79MVLにGeForce 8200M G相当のグラフィックスコアを統合したCR500で、グラフィックスの性能を測る「3DMark05」と「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」を測定した結果では、3DMark05の3DMarksが1502と、オンボードビデオの数値としては優秀な部類だ。またFF Benchについても、Lowモードで「とても快適に動作させることができる」レベルである4000を大幅に上回る5452というスコアを残している。さすがに最新のGPU搭載モデルほどではないが、ちょっとした3Dゲームや、Aeroインタフェース程度なら快適に利用できるだろう。

ベンチマークテスト結果
■PCMarkVantage
PCMark Suite 2727
Memory suite 1712
TV and Movies Suite 2065
Gameing suite 1881
Music sutite 3537
Communication Suite 2909
Productiviity suite 2359
HDD test 2331
■PCMark05
PCMark 3342
CPU 4773
Memory 4036
Graphics 1468
HDD 3610
■3DMark05
3DMarks 1502
CPU 8362
■3DMark06
3DMark Score 1079
SM2.0 371
HDR/SM3.0 393
CPU 1680
■FF XI Bench3
High 2938
Low 5225
■CrystaDiskMark 2.2(Test Size:100Mバイト) リード ライト
シーケンシャル 47.33 40.95
ランダム512KB 26.39 41.49
ランダム4KB 0.488 1.446

 バッテリーはリチウムイオン6セルタイプのものが標準で付属する。「BBench 1.01」(海人氏作)を使ってバッテリーの持続時間を検証してみた。検証時の条件は、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定にした。また、ディスプレイの輝度は最高レベル、音量は最大値の半分に設定している。

 BBenchによる連続稼働は2時間39分38秒という結果になった。メーカー公称値ではバッテリー駆動時間は約3.8時間となっているが、液晶の輝度を半分程度まで落とすなどの工夫をすれば、メーカー公称値に近い数値となるだろう。また本機にはキーボード上部に「Eco」ボタンが搭載されており、ボタン1つで手軽に省電力モードに移行できる。省電力モードとしては液晶の輝度を最小レベルまで落とす「Turbo Battery Modo」などが用意されている。離席時や作業をしないときなど、Ecoボタンを使って小まめに省電力モードに移行するようにすれば、長時間の使用も望めるはずだ。

メインで使えるデスクノートを手軽に購入したいユーザーにお勧め

 ここまで見てきたとおり、CR500は5万円前後の実売価格ながら、Netbookをはるかに上回るパフォーマンスを持ったノートPCだ。MCP79MVLは、チップセットに統合されたグラフィックスコアとしては3Dグラフィックスも優秀で、Aeroインタフェースも快適に使えるだけの性能を持っている。

 据え置きのメインマシンとしても使えるCR500だが、HDDが160GBと少なめな点は気になる。ただ、この価格帯では標準的な容量でもあるので、動画などの大容量データを多数保存するユーザーでなければ十分にやりくりできる範囲ではある。また、15.6型ワイドの液晶ディスプレイで表示される1366×768ドットの解像度は大きくて見やすく、オフィス用アプリケーションの見通しがいいだけでなく、DVD-Videoなどの鑑賞にも向いている。手軽に購入できる価格が設定された、幅広いユーザーにお勧めできる1台といえる。

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