ドスパラ秋葉原本店のあるロック2ビルの3階で営業していたGENO工房が、12月16日にシャッターを閉じた。現在は「GENO Web工房」と名称を変え、インターネット販売店舗へと移行している。GENO工房がオープンしたのは2009年7月。わずか5カ月しか経っていないが、その間にP55マザーやWindows 7の深夜販売に参加し、電気街の盛り上がりに一役買っていた。
周囲のショップからは「え? ついこないだオープンしたばっかでしょ。倒産でもないのに何で?」など、短期間での(リアル店舗の)店じまいに驚く声が聞こえた。その一方で、「まあ、PCパーツショップ密集地でも、よほどのブランド力がないとビルの2階以上で営業するのは難しいんでしょうね。BLESSでさえ2階にお客さんを呼ぶのに苦労して、結局倒産してしまった。深夜販売イベントなどで派手に顔見せしたうえで、早々に見切りをつけてWeb販売に移行したのは、むしろ賢い選択といえるかも。すべて計算づくだったらすごいよね」(某ショップ)といった、見切りのよさを評価するコメントもあった。
アキバでPCパーツを売る難しさについて、あるショップの店長はしみじみと語る。「自作PCブームの全盛期に売ったブランド力がないと、アキバに店舗を出しても埋もれてしまう可能性が高いんです。そのために、新興のショップは派手なキャンペーンや取り扱い商品を個性的にするといった、カラー付けが必須なんですよね。GENO工房も高級な雰囲気でPCパーツを低価格で売るという戦略をとっていました。その狙いはよかったのですが、アキバで『GENO』というとアウトレット販売が有名です。新製品のPCパーツを売る店舗なのに『GENO』の看板を掲げたことが、高級な雰囲気というイメージ作りに不利だったのでは。とにかく、せっかく登場した店舗がなくなるのは残念です」と話していた。
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