今だからGeForce GTX 285×2枚という選択――「NEXTGEAR i500PA3」を試す激速ゲーミングPCを安く(1/2 ページ)

» 2010年01月06日 11時50分 公開
[ITmedia]
NEXTGEAR i500

 幅広いラインアップをそろえるマウスコンピューターのデスクトップPCで、ハイエンドに位置するゲーミングPCブランドが「G-Tune」だ。その最高峰には、アルミシャーシのケースにIntel X58プラットフォームと水冷システムを搭載する「MASTERPIECE」シリーズが君臨しているが、こちらは最小構成でも26万9850円と非常に値が張る。ゲーマーならこれくらいのモデルは欲しいものだが、さすがに一般的なPCユーザーにとっては高根の花だろう。

 一方、G-TuneにはIntel P55チップセットを採用する「NEXTGEAR」シリーズも用意されており、こちらは最小構成で11万9700円と、比較的手の届きやすい価格帯だ。性能と価格のバランスを考えるなら今最も狙いめのゲーミングPCと言えるだろう。今回は新デザインのケースに生まれ変わった「NEXTGEAR i500」を紹介していこう。

デザイン性&拡張性の高いミドルタワーケースを採用

 NEXTGEAR i500のケースは、Intel X58チップセットを採用する上位シリーズと共通化されている。光沢感のある黒の塗装にシルバーのアクセントをそえたフロントマスクや、前面下部のパンチ穴を通して見えるLEDの光は、いかにもゲーミングPCといったデザインだ。また、このLEDの色は、標準のブルーだけでなくレッドやイエロー、シアン、マゼンタの5色に前面のボタンから切り替えることができ、見た目にも楽しい。

 本体前面のインタフェースは、2層対応のDVDスーパーマルチドライブとメディアカードリーダー(11in1+4)がフロントドアの内側にあるほか、ケース最下部のくぼみに音声入出力とUSB 2.0が2基並んでいる。背面側にも6基のUSB 2.0や、2基のPS/2、ギガビットLAN、音声出力などが搭載されているが、設置時に必要なケーブルをつないでしまえば、背面をのぞき込む機会はまずないだろう。

 一方、ケース内部を見ると、3.5インチオープンベイ×2(空き1)、3.5インチシャドウベイ×2(空き1)、5インチベイ×3(空き2)と拡張性も豊富だ。また、HDDベイにHDDを差し込む方向がサイドパネル側に向いており、増設や換装などのメンテナンスがしやすいのもうれしい。NEXTGEAR i500は標準で1TバイトのHDDが搭載されているため容量面で不満はないが、SSDが今後さらに値下がりしてシステムドライブとして利用したい、といった場合にはいいかもしれない。

本体前面/背面/左側面。ケースサイズは、190(幅)×495(奥行き)×435(高さ)ミリ

ミドルレンジでSLIに対応、圧倒的な3D性能を実現する

新しいケースでSLIにも対応した

 NEXTGEAR i500の基本システムは、Intel P55 Expressチップセットベースのプラットフォームに、CPUがCore i7-860(2.8GHz)、メモリが4Gバイトか8Gバイト、HDDが1Tバイト、光学ドライブにDVDスーパーマルチドライブという構成だ。BTOではCore i7-870(2.93GHz)やCore i5-750(2.66GHz)といった選択肢も用意されているが、価格と性能のバランスがいいCore i7-860のままで問題ないだろう。ただ、2Tバイトの大容量HDDが+1万500円、DVDスーパーマルチ機能付きのBlu-ray Discドライブが+1万2600円でアップグレードできるので、予算に余裕があるのならこちらを選ぶのも手だ。

 NEXTGEAR i500の最大の見どころは、ミドルレンジの価格帯に位置するシリーズながら、プラチナモデルの「NEXTGEAR i500PA3」でNVIDIA GeForce GTX285×2のSLI構成を用意した点だろう。従来のケースでは存在しなかった選択肢だが、今回採用した新ケースでは、HDDベイとグラフィックスカードの干渉をなくすなど、内部構造にさまざまな工夫をこらすことでSLI構成を可能にしている。PCの主な用途がゲームなら、グラフィックスカードの2枚差しは非常に魅力的だ。

SLI構成時は電源ユニットが大容量モデルに変更される

 本機に搭載されるMSI製のATXマザーボードは、拡張スロットとしてPCI Express x16×2、PCI Express x4×1、PCI Express x1×2、PCI×1を備えるが、スロットを2段占有するGeForce GTX 285搭載カードが2枚装着されるため、実質の拡張に使えるスロットはPCI Express x1とPCIがそれぞれ1基ずつとなる。また、SLI構成では標準で580ワットの電源がCorsair製の850ワット電源に変更されるのもポイントだ。

 なお、大容量電源や2枚のグラフィックスカードによる騒音が少し気になるところだが、OS起動後しばらくするとファンの回転音は抑えられ、ベンチマークテストなどの高い負荷をかけた状態でもそれほど気になるファンノイズはなかった。CPUに装着される“同社オリジナル”クーラーや背面の12センチ角ファン、サイドパネル後方の吸気ダクトによって効率的にケース内部の熱を冷却しているようだ。ゲーミングPCとしては高い静音性と言っていい。

CPUは標準でCore i7-860(2.8GHz)。オリジナルCPUクーラーを採用している(写真=左)。Intel P55 Expressチップセットを搭載したMSI製マザーボード(写真=中央)。ミドルレンジのシリーズながらSLI構成を選択できるのがポイントだ(写真=右)

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