インテル純正なのに1万円台――Intel X25-V「SSDSA2MP040G2C1」を試してみた(2/2 ページ)

» 2010年01月07日 11時00分 公開
[長畑利博,ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

X25-M G2とどれくらい違うのか? ベンチマークテストでチェック

テスト環境
マザーボード ASUS P7P55D EVO
グラフィックスカード 玄人志向 GF8500GT-E256H/HP
CPU Core i7-860(2.80GHz)
メモリ Corsair Memory TR3X6G1333C9 PC3-8500(9-9-9-24) 2Gバイト×2
OS側HDD Deskstar 7K1000.B HDT721010SLA360
OS 32ビット版Windows 7 Ultimate
ドライバ MS純正

 実際にX25-Vの性能を見てみよう。今回は比較用として、ミドルレンジクラスであるX25-M G2(SSDSA2MH160G2C1)にTrimコマンド対応の最新ファームウェア(2CV102HD)をインストールしたものを用意している。

 計測は、インターネット上などで広く使われている「CrystalDiskMark 2.2」の100/1000Mバイトファイルの書き込みテストに加えて、NCQ対応などの変更が行なわれ、2010年1月現在βテスト中の改良版「CrystalDiskMark 3.0.0β2」の1000Mバイトファイルの書き込みテスト、ストレージ向けのベンチマークソフト「HD Tune Pro 3.50」のベンチマークモード64KBのシーケンシャルリード・ライト、ランダムアクセスのリード・ライト、総合ベンチマークテストとして使われているPCMark05の「HDD Test Suit」を利用した。テスト条件はすべてAHCIモード、ファイルフォーマットについてはHD Tune Pro以外はすべてNTFSとしている。

CrystalDiskMark 2.2/3.0.0β2

CrystalDiskMark 2.2、X25-V書き込みファイルサイズ100MB
CrystalDiskMark 2.2、X25-M書き込みファイルサイズ100MB

CrystalDiskMark 2.2、X25-V書き込みファイルサイズ1000MB
CrystalDiskMark 2.2、X25-M書き込みファイルサイズ1000MB

CrystalDiskMark 3.0.0β2、X25-V書き込みファイルサイズ1000MB
CrystalDiskMark 3.0.0β2、X25-M書き込みファイルサイズ1000MB

 X25-Vのテスト結果を見ると、読み出し、書き込みともにX25-M G2と比べると低下している。特に書き込みついてはシーケンシャルライト、512Kバイト書き込みともに半減したが、OS利用時に体感的に影響が大きいとされる4Kバイトファイルの書き込みについてはX25-M G2とほぼ同等の値を維持している

HD Tune Pro 3.50

左から「X25-M、ベンチマークモード、読み出し64KB」、「X25-M、ベンチマークモード、書き込み64KB」、「X25-M、ランダムアクセス、読み出し」、「X25-M、ランダムアクセス、書き込み」

左から「X25-V、ベンチマークモード、読み出し64KB」、「X25-V、ベンチマークモード、書き込み64KB」、「X25-V、ランダムアクセス、読み出し」、「X25-V、ランダムアクセス、書き込み」

 こちらもシーケンシャルなどテスト結果の傾向は同じだ。ランダムアクセス時の結果を見ると、ドライブに対して1秒間に行えるリード・ライトの回数を表わす単位“IOPS”も、X25-Vは1Mバイトや512Kバイトといったファイルサイズでは性能低下がみられ、4KバイトではX25-M G2に近い値を出している。

PCMark05 HDD Test Suit

X25-V、PCMark05スコア
X25-V、PCMark05スコア

 Windows XPやオフィスアプリの起動、アプリケーションの動作を再現することでドライブの性能を測るベンチマークテストにおいても、ほかのテストと同様にX25-M G2が読み書きともに高速である点は変わらないが、OSやアプリケーションの起動や細かいファイルの読み出しなどを行うVirus Scanは、X25-Vも健闘した。

実売価格と目的しだい

 X25-VとX25-M G2を比較してみると、性能ではミドルレンジモデルであるX25-M G2が高いが、アプリケーションやOSの動作で体感上の影響が大きい4Kバイトファイルのランダムライトなどの数値はX25-M G2と近い結果を出しているなど、実際にOSやアプリケーションを利用する局面での使い勝手は悪くない。インテル製品らしい実用性の高い製品と言えるだろう。

 ただ、40Gバイトという容量と、1万5000〜1万6000円とする実売価格が妥当と言えるかどうかだ。容量40Gバイトとなると、Windows XP環境で使うのであれば十分かもしれないが、Windows 7やWindows VistaなどのOSとアプリケーションをインストールして使うにはやや少ない。また、この価格帯なら容量が64Gバイトで他社製コントローラを搭載する製品も存在する。インテルブランドが好きな人でないとコストパフォーマンス面では不利と言わざるを得ず、逆に、現時点ではX25-M G2のほうがコストパフォーマンスが高いと言える。願わくば実売価格が1万2000円前後にまで落ち着いてくれることを期待したいところだ。



関連キーワード

Intel | SSD | テスト | ベンチマーク | NAND | ストレージ


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー