最後に、評価機のパフォーマンスを見てみよう。評価機の主なスペックは、CPUがAthlon X2 3250e(1.5GHz)、メモリが2Gバイト(1Gバイト×2)、HDDが320Gバイト(7200rpm)、GPUがチップセット内蔵のATI Radeon HD 3200、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブ、OSは64ビット版Windows 7 Home Premiumという、ベーシックパッケージの構成だ。
プラットフォームやCPU、OSなどが変わったので単純な比較はできないが、従来のStudio Hybridとスコアを比べると、PCMark05ではCPUやメモリが大きくダウンする一方、Graphicsはまずまずで、HDDは2.5インチから3.5インチになったことで大きくアップしている。また、3Dの描画性能が向上したことで、3DMark06やFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3はStudio Hybridよりもスコアが底上げされている。もっとも、チップセット内蔵のグラフィックス機能ゆえ過度な期待は禁物だ。少しでも3Dの描画性能を向上させたいのであれば、外部GPUのATI Radeon HD 4330をBTOで選択したい。追加費用は5250円だ。
リビングルームで使うPCとして騒音も気になるが、本体には背面に5センチ角の排気ファンが1基あるだけだ。底面四方から吸気して背面から排気する形で、システムに高い負荷をかけても風切り音は気にならない。とはいえ無音というわけにはいかず、深夜の静かな環境では3.5インチHDDのアクセス音も聞こえてくるが、前面にカバーがあるテレビラックに入れてしまえば、映画の静かなシーンでも耳障りに感じることはないはずだ。
総合的なパフォーマンスはStudio Hybridに見劣りするInspiron Zino HDだが、そのぶん価格は評価機のベーシックパッケージで4万9980円と5万円を切る価格を実現している。細かな部分でコストダウンの跡もうかがえるが、Studio Hybridの約半分の価格で済むのは大きな魅力だ。CPUをAthlon X2 6850eに変更し、メモリを4Gバイト、HDDを500Gバイトに増量し、ATI Radeon HD 4330を追加したプレミアムパッケージでも6万4980円と手ごろな価格で収まっているのもうれしい。
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