CULV版CPU搭載、だけど大きめなノートPC――「UL80AG」を使ってみたメインマシンとしても通用する!?(1/3 ページ)

» 2010年01月13日 16時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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「UL20A」の兄貴分は汎用性重視で勝負

「UL80AG」

 ASUSTeK Computer(ASUS)の「UL80AG」は、コストパフォーマンスの高さで人気を博している「UL20A」の兄貴分にあたるノートPCだ(UL20Aのレビューはこちら→ライバル機との比較も:Eee PCの衝撃再び!?――ASUSが放つ“5万円台”CULVノート「UL20A」に迫る)。

 UL20Aと同様にインテルのCULV版(コンシューマー向け超低電圧版)CPUを用いたノートPCだが、ボディサイズはひと回り大きい。UL20Aは12型ワイド液晶ディスプレイを搭載するが、UL80AGは14型ワイド液晶ディスプレイを装備し、UL20Aにはない光学ドライブも内蔵するなど、汎用性がより高い構成になっている。

 CPUの違いとオフィススイートの有無によって、仕様が異なる計3種類のモデルがあるが、ここではCPUにCore 2 Duo SU9400(1.4GHz)を採用し、Office Personal 2007が付属する最上位機「UL80AG-WX001VS」を取り上げる。

UL20Aと共通のボディデザインに大容量のバッテリーを装備

 まずは外観だが、粗めのヘアライン加工を施したアルミニウム製の高級感がある天面、アイソレーション型のゆとりあるキーボード、細かなテクスチャをインプリントした光沢処理のパームレストなど、ボディデザインのイメージはUL20Aと共通だ。UL20Aのフットプリントをそのまま大きくしたような格好となっている。

 ボディのサイズは330(幅)×240(奥行き)×14〜26.8(高さ)ミリ、重量は約1.98キロにまとまっており、14型クラスの液晶ディスプレイを備えたノートPCとしては薄いほうだ。ボディの絞り込みは先端のわずかな部分のみで、ほぼフラットなフォルムだが、背面のバッテリーによって後部が少し持ち上がり、緩やかな傾斜がついている。

 背面に装着するリチウムイオンバッテリーの容量は84ワットアワー(15ボルト 5600mAh)で、公称のバッテリー駆動時間は約11.4時間と非常に長い(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。毎日のように携帯するモバイルノートPCとしてはボディのサイズが大きく重量もあることから、据え置きでの利用が中心になるだろうが、会社内や家庭内で部屋を移動しながらPCを使うことが多いユーザーには、わざわざACアダプタを持ち歩かないで済むので便利だ。

 また、ACアダプタもUL20Aと同じ小型軽量のもので携帯しやすい。実測でのサイズは35(幅)×88(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量は約215グラムしかないので、出張や旅行などの際に持ち運ぶ用途にも適している。

ボディカラーはシルバーを基調として、キーボードや底面側をブラックで塗り分けている。粗めのヘアライン加工が施された天面は、精悍(せいかん)なイメージだ。ASUSのロゴは光沢仕様になっている
背面に容量15ボルト 5600mAhのリチウムイオンバッテリーを装備。公称のバッテリー駆動時間は約11.4時間をうたう。ボディサイズの割にACアダプタは小型軽量で、持ち運びが苦にならない

CULV版CPU搭載機ながら充実した装備

CPUは超低電圧版Core 2 Duo SU9400(1.4GHz)を採用。CPU-Z 1.52.2の情報表示画面で3Mバイトの2次キャッシュ、800MHzのFSBなどのスペックが確認できる。TDPは10ワットだ

 最上位モデルとなるUL80AG-WX001VSは、CPUに超低電圧版Core 2 Duo SU9400(1.4GHz/2次キャッシュ3Mバイト)を搭載する。下位2モデルの「UL80AG-WX010VS」と「UL80AG-WX010V」は、CPUが超低電圧版Celeron SU2300(1.2GHz/2次キャッシュ1Mバイト)に抑えられているが、CPU以外はUL80AGと共通のハードウェアスペックを持つ。

 チップセットには、DirectX 10対応グラフィックス機能のIntel GMA 4500MHDが統合されたIntel GS45 Expressを採用している。GMA 4500MHDは、MPEG-4 AVC/H.264のデコードを含めたHD動画の再生支援機能を内蔵しており、Windows 7の標準メディアプレーヤーであるWindows Media Player 12などでBlu-ray DiscタイトルやAVCHDムービーなどを少ないCPU負荷でスムーズに再生できる(もっとも、UL80AGはBDドライブを内蔵しない)。

ネジで固定された底面のカバーを開けば、SO-DIMMスロットと2.5インチSerial ATA HDDベイにアクセスできる

 メインメモリはPC2-6400 SO-DIMMに対応し、容量は標準で2Gバイト、最大4Gバイトまで対応する。メモリスロットは底面のカバーからアクセスでき、標準では2基のうち1基に2Gバイトのモジュールが装着され、残り1基が空いている。

 データストレージにはSerial ATA対応の2.5インチHDD(5400rpm)を採用し、容量は320Gバイトを確保する。HDDも底面のカバーを外すだけでアクセス可能だ。右側面にはDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブを内蔵している。

 通信機能や端子類はUL20Aよりも充実している。IEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを装備し、有線LANはギガビットLAN(1000BASE-T)に対応する。端子類は、UL20Aも装備する3基のUSB 2.0、ヘッドフォン、マイク、アナログRGB出力に加えて、HDMI出力もある。また、メモリカードスロットもSDHC対応SDメモリーカード/MMC/メモリースティックPROのほか、xDピクチャカードが利用できる。

 一方、UL20A同様に盗難防止ワイヤー用ロック穴(ケンジントンロックポート)は用意されておらず、左側面の奥にストラップを通すような穴が設けられている。

前面には各種インジケータとステレオスピーカーを配置。液晶ディスプレイの固定はラッチレス構造になっている
背面はバッテリーで占有されている。液晶を開くと、ディスプレイ部が下側に回り込む、いわゆる「逆ヒンジ」構造だ

左側面には、DC入力、排気口、アナログRGB出力、HDMI出力、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、マイクが並ぶ
右側面には、トレイ式のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブをはじめ、メモリカードスロット(ダミーカード装着済み)、USB 2.0、有線LANの端子が用意されている

デバイスマネージャ画面。搭載されていたHDDは、シーゲイトの「ST9320325AS」だった

 プリインストールOSはUL20Aと同様、64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用する。付属ソフトはOffice Personal 2007のほか、CD/DVDライティング用のCyberLink「Power2Go」、ASUS製の独自ユーティリティソフト各種を備えている。

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