1万円台で買える「Radeon HD 5670」でDirectX 11時代の性能をチェックするイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2010年01月14日 14時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

GDDR5の帯域とROPs、テクスチャユニットの数に注意

 AMDからRadeon HD 5000シリーズのバリューモデル「Radeon HD 5670」が発表された。Radeon HD 5000シリーズは、ハイエンド向けのRadeon HD 5800シリーズの“Cypress”(開発コード名)コアをベースに、1枚のカードに2基搭載した「Radeon HD 5970」、そして、各スペックを“半減”させた「Radeon HD 5700」シリーズがすでに投入されている。Radeon HD 5670は、搭載する統合型シェーダユニット(ストリームプロセッサ)の数が400基と、Radeon HD 5700シリーズのコアをさらに半減させたデザインと考えていいだろう。


GPU Radeon HD 5970 Radeon HD 5870 Radeon HD 5850 Radeon HD 5770 Radeon HD 5750 Radeon HD 5670 Radeon HD 4670
プロセスルール 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 55ナノメートル
構成トランジスタ数 43億個(21.5億×2) 21.5億個 21.5億個 10.4億個 10.4億個 6億2700万個 5億1400万個
統合型シェーダユニット 3200基(1600基×2) 1600基 1440基 800基 720基 400基 320基
コアクロック 725MHz 850MHz 725MHz 850MHz 700MHz 775MHz 750MHz
グラフィックスメモリ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR3
メモリバス幅 256ビット×2 256ビット 256ビット 128ビット 128ビット 128ビット 128ビット
メモリクロック 1000MHz 1200MHz 1000MHz 1200MHz 1150MHz 1000MHz 1000MHz
メモリ帯域幅 128Gバイト/秒×2 153.6Gバイト/秒 128.0Gバイト/秒 76.8Gバイト/秒 73.6Gバイト/秒 64Gバイト/秒 32Gバイト/秒
ROPs 64基(32基×2) 32基 32基 16基 16基 32基 8基
テクスチャユニット 160基(80基×2) 80基 72基 40基 40基 20基 32基
最大消費電力 294ワット 188ワット 170ワット 108ワット 86ワット 61ワット 59ワット
アイドル時消費電力 〜42ワット 27ワット 27ワット 18ワット 18ワット 14ワット  

リファレンスカードは「1スロット厚クーラー」で「補助電源コネクタなし」

GPU-Z 0.3.8でRadeon HD 5670の仕様をチェックする。公式にはROPユニットが32基とされるが、GPU-Zでは16基と表示される。Radeon HD 4670からメモリ帯域幅が2倍に引き上げられ、DirectX 11に対応する

 1世代前のメインストリーム向けGPUとなる「Radeon HD 4670」との違いで注目したいのが、対応するグラフィックスメモリだ。Radeon HD 4670でGDDR3が採用されていたのに対し、Radeon HD 5670はGDDR5となり、ベースクロックは同じ1000MHzだが、転送レートはGDDR5が4GbpsとGDDR3の2Gbpsから2倍に増えた。そのため、メモリ帯域幅もRadeon HD 5670では64Gバイト/秒に達する。

 内部構造では、ROPユニットとテクスチャユニットの構成に注意したい。データシートによるとRadeon HD 5670は32基のROPユニットを搭載することになっている。しかし、レビュー用の資料では、Z/Stencil ROPユニットが32基用意されるものの、Color ROPユニットは8基に過ぎない。また、テクスチャユニットの数は、Radeon HD 4670が32基であるのに対してRadeon HD 5670は20基と少なくなっている。

 このように、実装するユニットの一部にスペックダウンがある一方で、グラフィックスメモリの転送レートは倍増し、さらに、DirectX 11にも対応する。この、微妙なバランスがRadeon HD 5670の特徴ともいえるだろう。

 今回、評価に用いるRadeon HD 5670搭載のリファレンスカードは1スロット厚のクーラーユニットを採用する。Radeon HD 5700シリーズまでのリファレンスデザインでは2スロット厚のクーラーユニットだったため、(クーラー形状に差異はあるものの)外観の印象はRadeon HD 4670に近い。また、補助電源コネクタが用意されていないのも注目したいポイントだ。

1スロット厚に収まるRadeon HD 5650搭載リファレンスカード。奥行きも短く、ファンも小さいことに加え、補助電源コネクタもない。ただ、CrossFireX用コネクタも用意されていない

リファレンスカードデザインをRadeon HD 5750(写真=左)とRadeon HD 4670(写真=右)と比較する。サイズはRadeon HD 4670とほぼ同じでRadeon HD 5750よりもやや短い

Radeon HD 5670搭載リファレンスカードの基板表面(写真=左)と裏面(写真=右)。上位モデルと比べると簡素なデザインで、Radeon HD 4670と比べても異なる点が多い

GPU(写真=左)とリファレンスカードに実装されていたグラフィックスメモリ(写真=右)。グラフィックスメモリはHynixの「H5GQ1H24MFR T0C」(容量1Gビット、転送速度4Gbps)を載せていた。表面に4チップ搭載で計512Mバイトになる

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