“宇宙最強”の15.6型ワイドノートPC「Alienware M15x」で遊ぶエイリアンでリアル彼女(1/2 ページ)

» 2010年01月22日 12時22分 公開
[後藤治(撮影:矢野渉),ITmedia]

“最強”ゲーミングノートの15.6型ワイドモデル「Alienware M15x」

Alienware M15x

 「宇宙最強」のゲーミングPCブランドとして着々と日本侵攻を進めているデルのAlienwareだが、ノートPCのラインアップでは「Alienware M17x」と「Alienware M15x」という2つのモデルを展開している。このうちM15xは、CPUにNehalemマイクロアーキテクチャのClarksfield(開発コード名)と、最近追加されたArrandale(開発コード名)を選択でき、1つのコアで2つのスレッドを処理するHyper-Threading技術や、CPUの稼働状況に応じて動作クロックを引き上げるIntel Turbo Boost Technologyに対応する。

 つい最近までフラッグシップのM17xがCore 2 Quad/Core 2 Extremeしか選択できなかったため、CPU性能だけをとって見れば、Core i7-920XM/Core i7-820QM/Core i7-720QMを選択できるM15xの“下克上”状態となっていた。ただし、M17xも1月21日にCore i7のシステムへ一新され、グラフィックスオプションとしてATI Mobility Radeon HD 4870(1Gバイト)のCrossFire X構成をサポートしており、王座への復権を果たした。また、M17xにもネブラ・レッドのカラーバリエーションが追加されたため、あえてM17xではなくM15xを選択する動機は少なくなったと言えるかもしれない。

 もっとも、2010年PC春モデルで一斉投入された国内メーカーの新製品を見渡すと、Core i5/i3(Arrandale)を採用したノートPCは多いものの、Core i7(Clarksfield)を搭載するモデルは非常に限られているのが現状だ(国内ではソニーの「VAIO F」、海外大手ではヒューレット・パッカードの「dv7/CT」やデルの「Studio 1715」「Studio XPS 16」くらいか)。より高い性能を求めるゲーマーにとって、15型クラスの選択肢では必然的にAlienware M15xが筆頭候補になるだろう。今回はこのAlienware M15xの実力を検証していく。

重厚感のあるアルマイト加工の外装

見る者を圧倒するアルマイト加工の外装

 M15xの基本的なボディデザインは、M17xのそれをほぼ踏襲している。天面、側面、底面を覆うアルマイト加工の外装は非常に重厚感があり、見る者に攻撃的な印象を与える。今回評価したモデルは、ネブラ・レッドのカラーバリエーションで、ツヤ消しの濃い赤にエイリアンのロゴが光る天面は、派手と言うよりもむしろ“すごみ”がある。非常に刺激的なデザインだ。

 また、Alienwareブランドの象徴ともなっているイルミネーション機能はM17と同等で、ボディ各部(天板のロゴ、ALIENWAREネーム、電源ボタン、メディアコントロールボタン、キーボード、タッチパッド、スピーカー)のLEDは専用ユーティリティの「AlienFX」で色を変更できる。キーボードのバックライトを4つのゾーンそれぞれで別の色に変えると、近未来的な雰囲気が出て眺めているだけでも楽しい。キーボードの光は明るい環境ではうっすらとしか分からないが、ゲーム仲間が集まるLANパーティなどで部屋の照明を落とした環境なら注目の的になるのは必至だろう。学校のプレゼンでM15xを持ち込み、プロジェクタを使う際に教室の照明を落としたら……などと想像するのも面白い。

 さらにM15xにはAlienwareステッカーに加えて、オリジナルの帽子とマウスパッドが付属してくる。ゲームプレイ中にヘッドセットを装着する人は、部屋の中でこの帽子を被ることはほとんどないかもしれないが、Alienwareのオーナーなら外出時でも積極的に被りたいところだ(利用は自己責任でお願いします)。

ボディ各部に埋め込まれたLEDの光は好みの色に変更できる。これもAlienwareの特徴だ(写真=左/中央)。エイリアンのロゴをあしらったオリジナルキャップとマウスが同梱されている(写真=右)

 ちなみに、本体サイズは377.93(幅)×308.51(奥行き)×48.7(高さ)ミリと、17型ワイド液晶ディスプレイを搭載するM17xに比べて一回り小さくなっている。しかしそれでも重量は約4.8キロもあり、ACアダプタもあいかわらず巨大だ。重量を考慮してM17xではなくM15xを選ぶ、というのはあまり意味がなく、持ち運びの際にカバンへの収納が可能かどうかがポイントになるだろう。また、フットプリントが小さい分、机の上に載せてもそれほど場所を取らないというメリットもある。

本体前面/背面。前方の光るスピーカーと後方の排気ダクトが飛行体を思わせるデザインだ

本体左側面/右側面。左側面に8-in-1メディアカードスロットとIEEE1394、USB 2.0、DisplayPort、ギガビットLAN、アナログRGBを搭載し、右側面は手前からスロットローディング式の光学ドライブとExpressCard /34/54スロット、音声入力、音声出力×2、SATA/USB 2.0共用ポート、USB 2.0が並ぶ。M17xとの大きな違いはHDMIがない点だ

CPUはCore i7以上、液晶ディスプレイはフルHDパネルを選択するべき

CPUとGPUからヒートパイプが伸び、左右後方のファンで個別に冷却されている。メモリやHDDの交換は比較的容易だ。なお、CrossFire(旧モデルはSLI)構成を選べるM17xはファンを最大3基搭載していた

 M15xの基本構成は、CPUにデュアルコアのCore i5-540M(2.53GHz/キャッシュ3Mバイト)、4Gバイトメモリ、250GバイトHDD、グラフィックスがGeForce GT 240M(512Mバイト)、光学ドライブにDVDスーパーマルチという内容になっている。Arrandaleが選択肢に加わったことで最小構成時の価格が14万9980円へ引き下げられているが、これまでの基本構成ではCPUにクアッドコアのCore i7-720QM(1.6GHz/キャッシュ6Mバイト)が採用されていたため注意が必要だ。i5-540Mとi7-720QMの価格差が2310円しかなく、現時点ではCore i7以上を選択しないと上位のGPUオプションであるGeForce GTX 260M(1Gバイト)も搭載できなくなっているので、できればCPUは上位モデルに変更しておきたい。

 そのほかのBTOオプションでは、メモリが最大8Gバイト(+9万1350円)まで、ストレージは256GバイトSSD(+9万4500円)、光学ドライブはBlu-ray Discドライブ(+3万1500円)なども選べる。ただし、こちらは価格差が非常に大きいので、メモリやストレージは予算があるときに自分で換装するほうが安上がりだ。なお、M15xに搭載される基本パーツは、背面のカバーを開ければすぐにアクセスできるので、メモリやHDD程度なら比較的簡単に交換できる。

 液晶ディスプレイには15.6型ワイドの光沢パネルが採用されている。標準構成では解像度が1600×900ドットだが、こちらも2625円で1920×1080ドットのパネルに変更できるので、よほどの理由がない限りアップグレードしておきたい。15.6型ワイドだとドットピッチはやや狭くなるが、見た目の印象では文字が小さすぎて見づらいといったこともなく、広いデスクトップ領域を扱えるメリットのほうが大きいだろう。

 一方、評価機のキーボードは日本語91キーだが英語キーボードも選択できる。日本語キーボードの配列はEnterキーの右にPgUp/PgDnが並ぶレイアウトだ。M17xと比べて10キーが省かれているものの、パッドの位置がパームレストの中央に近い(M17xは左寄りになっている)ので、違和感なく利用できる(もっとも、このモデルを買うユーザーの多くはゲーミングマウスを接続していると思うが……)。

15.6型ワイドの光沢液晶ディスプレイを搭載する。解像度は1600×900ドットと1920×1080ドットの2種類があるが、価格差は小さいので後者を選びたい(写真=左)。キーボードは10キーが省かれている。キーボード奥にはタッチセンサ式のメディアコントロールや無線LANのオン/オフ、Alienwareコマンドセンターの起動ボタンなどが並んでいる(写真=右)

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