Appleの「iPad」を展示ブースでねっとりと眺めるAppleイベント現地リポート

» 2010年01月28日 10時55分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

Appleのタブレット端末がついに登場

スペシャルイベントが始まってほとんど間を置かず、「みんなこれを見たかったんだろ」と言わんばかりに新型タブレット「iPad」を抱えて聴衆にアピールするAppleのスティーブ・ジョブズCEO

 米Appleは1月27日(現地時間)、米サンフランシスコ市内のYerba Buena Center for the Artsでスペシャルイベントを開催し、ウワサのタブレット製品「iPad」を発表した。

 ステージに登場した同社CEOのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏はiPod、MacBook、iPhoneらのヒットにより、もはやAppleはソニーやNokiaを抜く世界ナンバー1のモバイル機器メーカーになったと表明した。しかしその一方で、スマートフォンの「iPhone」とノートPCの「MacBook」のあいだには溝があると語り、それを埋める存在として紹介したのがiPadだ。

 iPadはWi-Fiまたは、3GとWi-Fiの両ネットワーク通信のいずれかを備えており、iPhoneやiPod touchなどと同じネットワーク端末としてブラウジングを楽しめる。また映画、音楽、写真などを楽しめるメディアプレーヤーでもある。さらに、HarperCollinsなど大手出版社との提携で電子書籍の電子ブックリーダーとしても利用できるなど、各種コンテンツが楽しめる端末となっている。

iPhoneとMacBookのあいだにある溝を埋める

 もちろん、14万以上のiPhoneのアプリ資産がそのまま利用でき、小型スクリーン表示のままだけでなく、画面を2倍に拡大したフルスクリーンモードを選択することも可能だ。ゲーム端末としてのiPhone/iPod touchの魅力もそのまま引き継ぐ。

 Appleによれば、既存のコンテンツ資産を引き継げるのがユーザーと開発者にとって最大の魅力であり、すでにユーザーの多くがiPhoneでのマルチタッチ動作に慣れ親しんでいることも大きいという。多機能かつノートPCより可搬性に優れ、iPhoneよりも大きなスクリーンでリッチなUIを楽しめるという点をアピールしている。

 さて、問題は値段だ。多くの参加者の関心がそこにあることをジョブズ氏は知っており、イベントでも事前にリーク情報で出ていた999ドルという価格を画面で示した。しかし、その画面の文字が崩れ出現した本当の価格は……なんと499ドルだった。

値段は999ドルか……と思いきや、なんと驚きの499ドル。事前に1000ドル前後というリーク情報があってこそのアピール方法だ

 初めに高い金額を提示してユーザーに判断を保留させつつ、そこで一気に値段を下げて「安い」と思わせる同氏一流のテクニックなのだろう。会場のみなが思わず拍手で同意してしまったほどだ。実際の価格は写真を参照してほしい。Wi-Fiオンリー版とWi-Fi+3G対応版の2種類があり、さらにストレージ容量に応じて3モデルが用意されている。iPadは3G版であってもSIMフリーで、2年契約などの縛りなしで、通信量に応じたデータ通信料金を支払えばだれでも利用できる。

iPadのネットワーク接続サービスについての説明。3G接続はGSM系列のネットワークに対応し、米国ではAT&Tが対応キャリアになる。ただしSIMロックは存在せず、アクティベートから持ち出し、キャリアの変更、途中キャンセルまで自由に行える。米国でのデータ通信契約は250Mバイトまでが14.99ドルで、月額無制限が29.99ドル。AT&T利用の場合は同社Wi-Fiホットスポットも無料で接続できる

モデルはストレージ容量によって3種類、Wi-FiのみとWi-Fi+3Gの2種類の計6種類存在し、価格も異なる。499ドルは最も安価なモデルはWi-Fiのみと16Gバイトの組み合わせだ

展示ブースでiPadをねっとりと眺めてみた

 以下、会場で撮影した写真の数々で、iPadの特徴や機能の一端を見てほしい。

プレゼンテーションが行われたシアター横に設置された展示会場での実機ハンズオンコーナー。見てください、この人の数

招待を受けたプレス限定イベントのはずなのに、入り口で入場制限がかかる状態

みな、思い思いに実機に触れてその動作を確かめている。手に持って薄さを確かめてみたり、ソフトウェアキーボードでメールを打ってみたり……

iPadのホーム画面。iPhoneやiPod touchユーザーにはお馴染みだろう。画面下部にホームボタンもあり、スクリーンサイズが変更されただけという印象

本体を裏返したところ。外装は“初代iPhone似”というリーク情報があったが、どちらかといえばユニボディのMacBook Proに近い感じだ。中央部が若干盛り上がっている(写真=左)。本体下部。中央部がドックコネクタで、3つの小さな穴がスピーカーになる(写真=右)

本体上部。左からイヤフォン端子、マイク、オン/オフスイッチとなっている。マイクの位置以外はiPhoneとほぼ同じだ。なお、本体左側はスイッチやコネクタ系の装備はない(写真=右)

ハンズオンでデモ機として置かれていたのはWi-Fiオンリーの64Gバイト版(写真=左)。セッティング画面を開いて日本語キーボードを有効にする(写真=右)

日本語キーボードを試してみたところ。フリック入力用のキーボードは用意されていない。本体は横にしたほうが打ちやすいようだ。基本的にiPhoneのシステムを踏襲している

iBook Storeを試してみる。シェルフ(棚)の本をクリックすると、書籍風の背景のところに電子ブックが出現する。本の隅をドラッグするとページをめくる動作になったり、下部に出現するスライダーを動かすとページをスキップできたりと、実際に本を読んでいる感覚だ

iPad用ドック。本体を立てかけてみるとこんな感じ

iPad用ドックのキーボード付きバージョン

普通のフォトスタンドとして使用してもいいが、必要に応じてネットに接続して地図を出したり、キーボードで文章を入力するなど、いろいろ応用できる。価格は米国で69ドルだが、日本での販売予定や価格は不明だ。また、このキーボードを接続した状態で日本語を入力することはできない※記事初出時、キーボード付きドックを接続した状態で日本語入力ができないと記述しておりましたが、誤りでした。おわびして訂正いたします

意外とよく出来ているのがiPad用のカバー

通常は本体持ち歩きの際の保護カバーとして使うが、折りたたみ方によって縦にも横にも有効なフォトスタンドになったり、携帯メディアプレーヤーとして利用できるなど、活用の幅が広い ※記事初出時、活用例として「携帯DVDプレーヤー」と記載しておりましたが、iPadはDVDプレーヤーにはなりません。おわびして訂正いたします

 続く現地リポート第2弾では、実際にiPadが“ぬるぬる”と動作する様子を動画で紹介していく。そちらも合わせて確認してほしい。


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