“薄すぎる”モバイルノートPC「Adamo XPS」の実力に迫る厚さ1センチの衝撃(1/3 ページ)

» 2010年02月10日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

薄さの帝王は2010年春も依然として「Adamo XPS」

 2009年の年末商戦に登場したデルの超薄型ノートPC「Adamo XPS」(Adamo XPS BREATHTAKER)は、わずか9.7〜10.3ミリという驚きの薄型ボディを誇るエポックメイキングなモバイルノートPCだ。2010年に入り、続々とPC春モデルが各社から投入されているが、いまだにこれより薄型のノートPCは見当たらない。

 PC USERでは既に動画によるリポート海外市場版の試作機でのレビューをお届けしているが、今回は日本市場版を入手したので、改めてその実力を検証しよう。

極薄ボディと個性的なデザインが目を引くAdamo XPS


アーティスティックなたたずまいのスリムボディ

 ボディのサイズは、340(幅)×272(奥行き)×9.7〜10.3(高さ)ミリだ。フットプリントは13型クラスのワイド液晶ディスプレイを搭載した製品としてはかなり大きめだが、最厚部でも10.3ミリしかないフォルムはとてもノートPCとは思えず、高級な画材道具のような雰囲気すら感じる。

 詳しくは後述するが、キーボードを開いた状態でのスタイルもまた独特で、オブジェのようなアーティスティックな存在感を醸し出している。このあたりのデザインやギミックについては過去に掲載した記事(上の囲み参照)が詳しいので、併せて確認してもらいたい。

 重量は公称2時間36分駆動の標準バッテリー(6セル)搭載時で約1.44キロ以上、公称5時間17分の駆動が可能となる拡張バッテリー(12セル)搭載時で約1.56キロ以上となっている。

 ACアダプタは3ピンの電源ケーブルが多少太いものの、ウォールマウントプラグも付属し、比較的スリムにまとまっている。実測でのサイズは69(幅)×118(奥行き)×17〜23(高さ)ミリ、電源ケーブルを含む重量は約308グラムだった。

天面は1枚の板のようにスッキリしている。奥行きが272ミリと長い点には注意が必要だ
底面は天面側のシャシーに包み込まれるように収納される。底面のデザインも美しい
標準装備のバッテリーは容量11.1ボルト 20ワットアワーで、駆動時間は最大2時間36分だ

超低電圧版Core 2 Duo、128GバイトのSSDを標準搭載

 デルのPCはBTOでスペックがカスタマイズできる製品も多いが、Adamo XPSの場合は基本スペックが固定されている。CPUは超低電圧版のCore 2 Duo SU9400(1.4GHz)、チップセットはグラフィックス統合型のIntel GS45 Expressだ。

CPUは超低電圧版のCore 2 Duo SU9400を採用。定格動作クロックは1.4GHzだが、EIST(Enhanced Intel SpeedStep Technology)により、アイドル時には最低約800MHzまで動作クロックが下がる

 メインメモリはPC2-6400 SO-DIMMに対応し、容量は4Gバイトとなっている。データストレージにはSSDを採用しており、容量は128Gバイトを確保する。デバイスマネージャーで確認したところ、評価機のSSDはSamsungの「PB22-JS3 TM」を採用していた。リード/ライトともに高速なMLCモデルで、性能はかなり期待できそうだ。ちなみに、メモリスロットやHDDに容易にアクセスできるような小さいカバーなどは用意されていない。

 グラフィックス機能はチップセット内蔵のIntel GMA 4500MHDを利用する。DirectX 10対応でHD動画再生支援機能にも対応しており、Windows Media Player 12などでMPEG-4 AVC/H.264やAVCHDムービーをコマ落ちなく再生できる。これだけの薄型ボディなので、さすがに光学ドライブは内蔵しない。

Adamo XPSのデバイスマネージャ画面

 通信機能は、IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(Intel WiFi Link 5300)、Bluetooth 2.1+EDRを標準装備する。有線LAN(RJ45)のコネクタは内蔵しないが、100BASE-TX対応のUSB変換アダプタが標準で付属しているので、有線LANでの接続も可能だ。

 端子類はボディの液晶側に配置されており、USB 2.0ポートが左右に1基ずつ、右にヘッドフォン出力、左にDisplayPort出力がある。DisplayPort出力については、まだ搭載する液晶ディスプレイが少ないこともあり、DVI-D出力用の変換ケーブルが標準で付属するほか、アナログRGB出力用やHDMI出力用の変換ケーブルもオプションで用意されている。液晶ディスプレイの上部には200万画素のWebカメラとデジタルマイクも内蔵している。

 プリインストールOSには64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、ほかの選択肢は用意されていない。

前面にインタフェース類は用意されていない。横から見ると、薄さが際立って見える
Adamo XPSは背面が利用時に接地するため、当然ながら端子類はない

天面側の左側面にUSB 2.0とDisplayPort出力を搭載する
天面側の右側面にはUSB 2.0、ヘッドフォン、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ

DisplayPort出力につなぐDVI-D変換ケーブルが付属する
有線LANはUSB変換アダプタ経由で接続する

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