ボディのデザインは、液晶ディスプレイのヒンジ部分に電源ボタンやバッテリー、電源ボタン、ACアダプタ接続端子を集中させた「シリンダーフォルム」、キー間隔を離したキーボードユニットを格子状のカバーにはめ込んだ「アイソレーションキーボード」、アルミ製のキーボード/パームレストパネルといった従来機の特徴を継承しながら、さらに進化させている。
新設計のボディで大きな特徴となるのが、アルミ製のトップカバーだ。従来機もアルミの1枚板から打ち出した継ぎ目のないヘアライン加工のキーボード/パームレストパネルを用いて高級感に配慮していたが、新モデルではキーボードパネル、パームレスト、電源周囲のシリンダー部分までを含むトップカバー全体を1枚のアルミ板から成型している。
アルミの成型方法についても切削加工を新たに採用した。具体的には、肉厚のアルミの1枚板を押し出し成型で加工した後、それを削り出してトップカバーに成型している。この手法により、カバーの厚さを部分的に変えられるようになったので、側面や角など剛性が必要な部分は厚く、そうでない部分は薄く加工し、堅牢性と軽さの両立を図っている。
そのほかの部分も細かく素材を変えている。天面は軽さを追求するために「VAIO X」用に開発された「ハイブリッドカーボン」を新たに採用した。これはカーボンレイヤーの間に特殊シートを挟み込んだもので、従来のマルチレイヤーカーボンに匹敵する剛性を確保しつつ、軽量化にも貢献している。
PC本体を切削加工のアルミ製トップカバーで覆うことで堅牢性が確保できたため、ボディ底面は、従来機のようなマルチレイヤーカーボンではなく、加工性がよい炭素繊維強化型の樹脂製にして軽く仕上げている。また、パームレストについては、中に無線LANやBluetoothのアンテナ、FeliCaポートがあるため樹脂製だ。液晶ディスプレイのフレーム部も樹脂製となる。
このようにボディを構成する素材は場所によって異なるが、全体的なデザインがキチッと統一されていて、塗装の質もよいので、例えばアルミ製のトップカバーと樹脂製のパームレストに違和感を覚えるようなことはない。炭素繊維強化型の樹脂製になった底面もチープな印象はなく、従来機と見た目は変わらない。
むしろ、切削加工のアルミ製トップカバーによって、外観上はヒンジからパームレストまでが1枚の板で包まれ、側面から見てもシリンダー部から先端までが継ぎ目なくシームレスなデザインになったため、従来より一体感があり、洗練された外装になったように思える。
また、新モデルのデザインコンセプトとしては、シリンダー部と本体のデザインを溶け込ませた「ブレンドシリンダーフォルム」、ボディの先端に丸みをつけてバッグに出し入れしやすくしたり衝撃を受けた際に破損しにくくする「コンバージェンスライン」、パームレスト部を別パーツにしてアンテナなどを収納しつつ、見た目にアクセントを付けた「インタラクションテーブル」、閉じた際に2枚の板が重なっているように見える「ダブルプレートデザイン」が掲げられているが、こうした各所のこだわりも質感の向上につながっている。
ボディのカラーはブラックとシルバーを基調としているが、バリエーションは豊富に用意している。店頭モデルのカラーは天面、トップカバーともにシルバーを採用。直販モデルでは、シルバーに加えて、ブラック、プレミアムカーボン、グロッシープレミアムカーボン、メタルシールド、メタルモザイクの天面を選択でき、トップカバーのカラーもブラックとシルバーの2色から選べる(シルバー系カラーの天面を選択した場合、トップカバーはシルバーに固定)。
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