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コダックの電子文書化技術、“電子書籍”需要の拡大に期待

» 2010年02月24日 21時22分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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他社製品とは「製品そのものの生い立ちが違う」

photo 個人・ビジネスコンシューマー向けの「ScanMate i1120」。フィーダ容量A4・50枚のADFを備え、毎分20枚で両面スキャンできる

 コダックはこのほど、ドキュメントイメージング製品と同ソリューションに関するプライベートイベントを実施。主にSOHO・法人ユーザー向けとする紙書類を電子化する手段や管理方法、電子化により得られるメリットなどを説明した。

 コダックのドキュメントイメージング製品は個人・ビジネスコンシューマー向けの「ScanMate i1120」やビジネス業務向けの「コダック イノベーションスキャナー i1200/同i1300プラス」シリーズから、1日に3000枚ほどスキャンするような専門業務向け「i150/i160シリーズ」、書籍やカルテなどデリケートな書類にも対応する直線給紙型「i1410/i1420シリーズ」、自動仕分け機能や高速(毎分200枚の速度で両面スキャン可能)さを追求した大規模業務・金融・工場・官公庁向けの「i1840/i1860シリーズ」まで、用途やニーズ、業務に応じた広範囲なラインアップ展開を強みとし、価格帯も数万円から1250万円(i1860)と幅広い。

photophotophoto より高速、高機能でさまざまなニーズに対応する小型・パワフルな業務向けモデル「i1200/300シリーズ」(左 9万8000円から)と「i1400シリーズ」(中 65万円から)。i1320はカラー/グレースケールで最大1200dpi出力の両面スキャンに対応し、スキャン速度は最大60枚/分。A3/A4フラットベッドユニットもオプションで用意する。i1440は、原稿のサイズや形状、品質が異なる場合も自在に対応する最大75枚/分の直線給紙型モデル。小さなカード類から最長6.1メートルの長尺原稿も扱える。それぞれ、自動方向き修正やテキストと写真部をそれぞれ自動的に最適化するセグメントスキャン機能、OCRの利用に適した高品位のイメージを出力する高性能CCDセンサーなどを搭載する
photophotophoto ネットワーク対応スキャナ「Scan Station 500」(28万円から)。100BASE-TX対応LAN端子(と56kモデム)やUSB 2.0インタフェース、タッチスクリーンを実装し、PCレスでスキャン原稿を管理できるのが特長。スキャン速度は最大30枚/分で、スキャンしたデータをメール/FAX/ネットワークドライブ/プリンタ/USBメモリ/FTPなどの手段で直接送信できる(同報送信も可能)

 個人・ビジネスコンシューマー向けのドキュメントスキャナ製品は、実売数万円前後から他社でも各種存在するが、「製品そのものの生い立ちが違う。これが特長で強み」(ドキュメントイメージング営業本部マーケティング担当の江川氏)とし、製品群そのものは、金融、映画(フィルム化など)、出版、工場、財務といった企業ニーズから、教育、官公庁も含めた幅広い業種・機関に導入実績がある。ラインアップの違いはスキャン速度や用紙・ボディサイズ、耐久性などに留まり、スキャン機能の根幹技術は同じとする。「“紙を、異なる媒体に置き換える”ための製品群・ソリューションとして展開している。技術そのものは、文書の電子化が叫ばれ始めた最近より、相当前──紙文書をマイクロフィルム化する時代(例えば新聞の縮小版など)から、約80年の歴史がある」(江川氏)という。

photophotophoto 大規模スキャン業務ニーズに対応する「i700シリーズ」(左 340万円から)と最上位の「i1800シリーズ」(中 980万円から)。余分な背景をトリミングする自動枠消し機能、カラー+グレースケールなどの同時出力機能、自動方向検出機能、用紙の重なりを検知して読み飛ばしを防ぐ「重送検出機能」など最高品位クラスのスキャン機能と速度を実現する。スキャン速度はi780が両面130枚/分、i1860が両面200枚/分。紙からマイクロフィルムにしたかつての原稿を電子化できるマイクロフィルムビュアー「ScanPro 2000」。付属ソフトで自動コマ送りやフォーカス、回転といったPCディスプレイでの高速表示機能を備え、表示したデータはそのままファイルとしてPCに保存できる

最大200枚/分の超っ速ドキュメントスキャナ コダック「i1800」シリーズ。スキャン速度以外に、スキャンしている用紙のサイズや種類もバラバラである点にも注目してほしい
(高画質版はこちらから)


 昨今、コンシューマー向けビジネスにつながるキーワードの1つに「電子書籍」が挙げられる。今後、電子書籍市場の拡大が見込まれる中、アマゾン「Kindle」やアップル「iPad」といった電子書籍機能付き端末の普及やユーザーニーズの変化とともに、国内の大手出版社21社も電子書籍の業界団体を設立し、急速に変わっていくと考えられる市場に対応していく考えだ。説明会には、ハードカバーの書籍を持ち込み、いかように電子化できるか──を聞いていた出版関連と思われる人も訪れていた。

 文書の管理や管理経費の削減、業務作業量の軽減、作業時間の短縮、情報漏えいリスクの低減など、紙文書の電子化はさまざまなメリットをユーザーにもたらすが、優れたドキュメントイメージング化技術は、これらに加えてより高まるであろう電子書籍ビジネスのニーズもまかなうと考えられる。



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