5万円切りの小型リビングPC「EeeBox PC EB1501」を試すDVDドライブ付きNettop、そういうのもあるのか(1/3 ページ)

» 2010年03月09日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

ASUSのNettopがデュアルコアAtom+IONで大幅パワーアップ

「EeeBox PC EB1501」

 ASUSTeK Computer(ASUS)の小型デスクトップPC「EeeBox」シリーズから、新モデル「EeeBox PC EB1501」が登場した。

 同シリーズはインターネットアクセスを主目的とした低価格なデスクトップPC、いわゆるNettopの範ちゅうに入る製品だが、初代モデル「EeeBox PC B202」からフルモデルチェンジしており、基本システムの強化に加えて光学ドライブやHDMI出力を搭載するなど、性能、機能ともに大幅に進化している。さっそく機能や使い勝手をレビューしよう。

 まずは基本スペックだが、CPUはデュアルコアのAtom 330(1.6GHz)だ。CPU基板にAtom 230(1.6GHz)相当のダイを2つ実装しており、TDP(Thermal Design Power:熱設計電力)も2倍の8ワットとなっている。もちろん、Hyper-Threadingもサポートする。

 チップセットにNVIDIA ION(GeForce 9400M G)を選択しているのは見逃せない。チップセット内蔵のグラフィックスコアはDirectX 10に対応しており、インテル純正のAtom向けチップセットであるIntel 945GSE Expressより3D描画性能が高く、Windows 7のWindows Aeroなどがより快適に操作できる。また、MPEG-4 AVC/H.264やVC-1などのハードウェアデコード機能を含むHD動画再生支援機能のPure Video HDも備えるため、Atomとの組み合わせでもHD動画をスムーズに再生することが可能だ。

 メインメモリはPC2-6400 SO-DIMMを用いている。容量は標準で2Gバイトとなっており、2基のSO-DIMMスロットに1Gバイトモジュールを2枚装着済みだ。データストレージは容量250Gバイト、回転速度5400rpmの2.5インチSerial ATA HDDを内蔵する。

 新たに追加された光学ドライブは、スロットインタイプのDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブを前面に配置している。本シリーズの先代機(B202)を含めてNettopと呼ばれる製品は光学ドライブを搭載しない例が多かったが、(光学ドライブを省くことで)小さくて軽くなることのメリットがあまりない据え置き型では、やはり光学ドライブが内蔵されていたほうが便利には違いない。

CPU-Z 1.53.1で見たCPU情報。CPUにはデュアルコアのAtom 330を採用する。動作クロックは1.6GHz、2次キャッシュは1Mバイト、TDPは8ワットだ
底面のネジを外し、サイドカバーを開いたところ。250GバイトのHDDは、シーゲイトのMomentus 5400.6(ST9250315AS)を搭載していた

コンパクトボディに豊富なインタフェースを装備

 ボディのサイズは39(幅)×193(奥行き)×193(高さ)ミリ、重量は約1.2キロにおさまっている(スタンドを除いた場合)。容積は約1.5リットルと非常にコンパクトだ。電源ユニットは本体に内蔵しておらず、付属のACアダプタで駆動する。

 デザインはブラックとシルバーを基調にしたシンプルな仕上がりで、縦置き用のスタンドへネジを使ってナナメに取り付ける仕組みだ。縦置き状態の底面に吸気口、天面に排気口が用意されている。長期間の運用では排気口からホコリが混入しやすい懸念があるが、空気は暖められると上昇することから、冷却には効率のよいスタイルといえる。

 横置き用のスタンドやゴム足などは特に用意されないが、横置きでも利用可能だ。また、VESA規格対応のマウンタが標準で付属しており、液晶ディスプレイの裏側などにネジで直接取り付けて利用できる。ただし、液晶ディスプレイのスタンドを装着した状態で背面にVESA規格準拠のネジ穴が露出している製品でなければ、マウンタは取り付けられないので注意したい。

電源にACアダプタを用いていることも、ボディの小型化に貢献している。そのACアダプタも小型軽量で設置時にじゃまにならない
付属のマウンタを装着すれば、VESAのフリーマウント規格に対応した液晶ディスプレイの背面に本体を固定することも可能だ

 通信機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANと1000BASE-T準拠の有線LANを搭載する。前面にはDVDスーパーマルチドライブのほか、メモリカードスロット(SD/SDHC/MMC/メモリースティック対応)、2基のUSB 2.0ポート、ヘッドフォン、マイクがある。背面の端子もなかなか充実しており、4基のUSB 2.0ポートのほか、eSATAポート、HDMI出力、アナログRGB出力、光デジタル対応の音声出力、無線LANアンテナなどが用意されている。

前面には電源ボタン、光学ドライブ、リモコン受光部、メモリカードスロット、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン、マイクの端子を配置
背面には4基のUSB 2.0、eSATA、アナログRGB出力、HDMI出力、有線LAN、光デジタル対応の音声出力、無線LANアンテナ、ACアダプタ接続用のDC入力が並ぶ
光デジタル対応の音声出力端子については、丸型を角型に変換するアダプタも付属する

 ワイヤレスのキーボートとホイール付き光学マウスが標準で付属しており、受信部はマウスの中に収納できる。また、Windows Media Centerの操作に対応した赤外線リモコンも付属しており、離れた位置から操作できる。

ワイヤレスのキーボードとマウスが付属。キーボードには音量調整、メディア操作、Web操作、メーラー、電卓などのワンタッチボタンがある
USB接続の受信部はキーボードとマウスでいっしょだ。受信部はマウスの底面に収納できるが、本体に装着したままで問題ない
Windows Media Centerに対応したシンプルなデザインの赤外線リモコンが標準添付される。受光部は本体の前面に配置されている

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