デルの「Vostro 3000」シリーズ。13.3型ワイド(1366×768ドット)/14型ワイド(1366×768ドット)/15.6型ワイド(1366×768ドット)/17.3型ワイド(1600×900ドット)と、ディスプレイサイズ別に4モデルを用意し、カラーバリエーション展開も行う
デルは3月9日、SMB(Small Midium Business:中堅・中小企業)向けノートPCのラインアップを一新。新シリーズ「Vostro 3000」4モデルを2010年3月9日に発売した。
ラインアップは、ディスプレイサイズ別(13.3型ワイド/14型ワイド/15.6型ワイド/17.3型ワイド)に4モデルを用意する。全モデルでCPUにCore iシリーズと光学ドライブを搭載し、最大6GバイトのDDR3 SDRAMと外部グラフィックスを実装可能できるBTOメニューや、HDDに落下センサーや指紋センサーといったビジネスPCに必要な要素も備える。Core i3搭載の最小構成例で6万4980円から(Core i3モデルは後日提供予定。Core i5モデルは8万4980円から)とするリーズナブルな価格帯を実現し、シルバー以外に、レッドとブラウンのカラーバリエーション展開も行うのも法人向けモデルとは少し異なるところだ。
13.3型ワイド(1366×768ドット)の液晶ディスプレイを備える「Vostro 3300」(写真=左)、同15.6型ワイドの「Vostro 3500」(写真=中)、17.3型ワイド(1600×900ドット)液晶を備える「Vostro 3700」(写真=右)。ディスプレイ以外のCPUや基本プラットフォームをほぼ統一化(バッテリーやキーボードなど、一部仕様は異なるが)することで、1366×768ドット解像度のCore i5搭載モデルはいずれも8万4980円から、Vostro 3700は外部グラフィックス(GeForce GT330)搭載で8万9980円からとなっている
アルミニウム製シャシーを全モデルに採用し、従来モデルより薄型化/軽量化を実現した。13.3型ワイド液晶(LEDバックライト仕様)搭載のVostro 3300(写真)は約3時間30分動作する4セルバッテリーを実装し、重量約1.94キロ。このほかの大型液晶搭載モデルは、約4時間30分駆動の6セルバッテリーを実装する
Vostro 3300(ハイスペックモバイルパッケージ/Core i5-430M+3GバイトDDR3 SDRAM搭載)のキーボード(日本市場では日本語キーボードも用意)とWindowsエクスペリエンスインデックスの結果(写真=左、中)。大型ディスプレイ搭載モデルはテンキー付きのキーボードを採用する(写真=右)
“Vostro”は、SOHOから従業員数500人までとする中堅・中小企業向けPCとして展開するブランドだ。同社ノートPCラインアップのうち、個人向けPCブランド“Inspiron”(および個人ゲーム・グラフィックス用途向けの“Studio/XPS”)と、大規模企業向けブランドの“Latitude”、その中間に位置するブランドとして、中小企業ならではのニーズにマッチする製品展開を2007年より鋭意的に行っている。
「Vostro 3000シリーズは、とにかくSMB市場に特化して開発した」(デル スモール&ミディアムビジネスマーケティング本部の原田洋次北アジア地区本部長)
ラインアップの中間に位置する中小企業向け──という製品群は「これはどの業界でもあることだと思うが、注目を浴びにくく、メーカー側の立場としても“正直つかみきれない”ところがある」(デル スモール&ミディアムビジネスマーケティング本部の原田洋次北アジア地区本部長)とするほど、ユーザー層が多く、広く、(不特定でない)特定多数のユーザーが存在する市場だ。そんな顧客のニーズは、
- IT投資より、まずは自社ビジネスへの投資を優先
- とはいえ、ITがダウンするとビジネスに大きく影響するので妥協できない
- 自宅でもPCを使用する
- コストパフォーマンスを求める(特に初期投資費を抑える)
- 社内に専任IT担当者がいない。複雑な管理はしたくない/できないが、セキュリティはある程度考慮したい
などが挙げられ、コンシューマーでもあり、ビジネスユーザーでもある「特殊なニーズ」を満たす必要がある。ただ、特殊とは言うが、SMB市場は法人市場の中で半分を占めるほど大変大きな市場でもある。
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