7万円台のCore i3搭載ノート「K52F」は買いなのか?これなら新世代PCに手が届くかも(1/3 ページ)

» 2010年03月15日 16時30分 公開
[林利明(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ASUSからCore iシリーズ採用の低価格大画面ノートが登場

「K52F」

 ASUSTeK Computer(ASUS)の「K52F」シリーズは、据え置き利用を想定した15.6型ワイド液晶ディスプレイ搭載のノートPCだ。低価格帯の大画面ノートPCを求める幅広いユーザー層に向けた、スタンダードな構成となっている。

 K52Fシリーズには、CPUやメインメモリ容量、HDD容量が異なる2モデルが用意されている。ハイエンドクラスほどのとがったスペックと機能はないが、CPUにCore i3/i5を採用し、大画面のディスプレイ、ゆとりある入力環境、光学ドライブまで内蔵するなど、汎用性が高い。そして何より、超低電圧版Core 2 Duo搭載の上位CULVノートPCにも見劣りしないコストパフォーマンスが大きな魅力といえる。

 ここでは2モデルのラインアップから、CPUにCore i3-350M(2.26GHz)を選択し、価格を7万9800円まで抑えた下位モデルの「K52F-SX003V」を取り上げよう。

チープさを感じさせない重厚な外観

 ボディサイズは380(幅)×255(奥行き)×34.5〜35.7(高さ)ミリ、重量は約2.6キロにおさまっている。据え置きでの利用を中心に、屋内で持ち運んで使っても苦にならないサイズと重量だ。ボディ全体では曲面と斜面が多用されているが、硬質すぎでもなく軟質すぎでもなく、バランスの取れたフォルムという印象を受ける。

 本体カラーはダークブラウン調で、微妙にゴールドが混じっているように見える。といっても嫌みなギラツキはなく、高級机のような落ち着きがある。昨今のASUSはノートPCのデザインにコストをかけているだけあって、低価格帯に位置するK52Fシリーズであっても、チープさは感じられない。

 天面は無地に見えるが、凝視すると細かい模様が全体に施されていることが分かる凝った作りだ。ただし、表面が光沢仕上げなので、指紋や皮脂が目立ちやすい点は注意したい。パームレストには格子状の模様が斜めに刻まれており、浅めの凹凸を形成している。手を置いたときの感触は、ザラッとしていてなかなか心地よい。

 標準のリチウムイオンバッテリーは6セルで、容量が49ワットアワー(11.2ボルト/4400mAh)、公称の駆動時間が約3.5時間とされている。据え置きタイプのノートPCとしては標準的な駆動時間であり、家庭内やオフィス内でちょっとバッテリー駆動するくらいなら十分だろう。

 ACアダプタはボディサイズの割に小さくまとまっている。実測でのサイズは45(幅)×108(奥行き)×30(高さ)ミリ、付属の電源ケーブル(メガネコネクタ)を含めた重量は約275グラムだった。

ボディデザインは落ち着いた雰囲気があり、天面にある光沢シルバーのASUSロゴがひときわ目立つ
パームレストには、格子状の模様が斜めに刻まれており、ザラッとした手触りになっている
公称のバッテリー駆動時間は約3.5時間だ。ACアダプタは小さめで、使用時にじゃまにならない

Core i3-350Mを中心に、手堅くまとまった基本スペック

 CPUはArrandaleコアのCore i3-350M(2.26GHz/2次キャッシュ256Kバイト×2/3次キャッシュ3Mバイト)だ。物理コアは2つだが、Hyper-Threading Technologyによって同時に4スレッドを実行できる。ただし、上位クラスのCore i5/i7とは異なり、状況に応じて動作クロックを上げるTurbo Boost Technologyには対応しない。チップセットはIntel HM55 Expressを採用する。

 グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphicsだ。MPEG-4 AVC/H.264やVC-1、MPEG-2といったHD動画の再生支援機能を備えるため、デジタルビデオカメラで撮影したAVCHD形式の動画などをCPUに大きな負荷をかけずに再生できる。

 メインメモリはPC3-8500 DDR3 SDRAMを採用しており、容量は標準で2Gバイトを確保する。本体底面のネジ止めされたカバーを開けると、メモリスロットへ容易にアクセスできる構造だ。購入時には、2基のSO-DIMMスロットのうち1基に2Gバイトのモジュールが装着され、1基のスロットが空いている。

 データストレージは標準的なSerial ATA対応の2.5インチHDDで、評価機は日立グローバルストレージテクノロジーズの「Travelstar 5K500.B」(HTS545032B9A300)を用いていた。容量は320Gバイト、回転数は5400rpmだ。光学ドライブはDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブを右側面に内蔵している。

底面のカバーはネジを外すだけで簡単にオープンできる。SO-DIMMメモリスロット、2.5インチSerial ATA HDDベイへのアクセスも容易だ。CPUと冷却機構も確認できる
「ディスクの管理」を見ると、リカバリ用の隠しパーティションとして14.65Gバイトが確保されていた。Cドライブは74.52Gバイト、Dドライブは208.92Gバイトだ

 なお、上位モデル「K52F-SX005V」のCPUは、ArrandaleコアのCore i5-430M(2.26GHz/2次キャッシュ256Kバイト×2/3次キャッシュ3Mバイト)だ。基本仕様はK52F-SX003VのCore i3-350Mと同じに見えるが、Core i5-430MはIntel Turbo Boost Technologyによって、最大2.53GHzまで自動的にクロックアップする。

 K52F-SX005Vのメインメモリは標準で4Gバイト(2Gバイトモジュール×2/空きスロットなし)、HDD容量は500Gバイトだ。インタフェース類や付属ソフト類は、2モデルで共通化されている。

通信機能や拡張性、ソフトウェアの構成もそつがない

 本体内蔵の通信機能は、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、ギガビットイーサネット(1000BASE-T)対応の有線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを網羅しており、不満がない。

 インタフェースの構成については、USB 3.0やeSATA、ExpressCardスロットといった高速なものは装備しないものの、合計3基のUSB 2.0やHDMI出力、SDHC対応SDメモリーカード/MMC/メモリースティック用のカードスロットを備えており、標準的な用途にとって必要十分といえる。3基のUSB 2.0は左右の側面に振り分けられているほか、電源や有線LANといった頻繁に着脱しない端子を奥に、ヘッドフォンやマイクを手前に配置するなど、インタフェースのレイアウトは使い勝手が考えられている。

前面には、各種インジケータとステレオスピーカーが配置されている
背面にあるのはバッテリーのみで、インタフェース類は設けられていない

左側面の端子は、アナログRGB出力、HDMI出力、USB 2.0×2、ヘッドフォン、マイクだ。排気口や盗難防止用ロックコネクタもある
右側面には、電源コネクタ、有線LAN、USB 2.0×1、メモリカードスロット(ダミーカード装着済み)、DVDスーパーマルチドライブが並ぶ

K52F-SX005Vのデバイスマネージャ画面。内蔵HDDは日立グローバルストレージテクノロジーズの「HTS545032B9A300」、光学ドライブは「Optiarc DVD RW AD-7580S」、無線LANチップは「Atheros AR9285」と表示された

 OSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumがプリインストールされている。付属ソフトは、トレンドマイクロのセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター2010」(60日期間限定版/OEM版)、サイバーリンクのCD/DVDライティングソフト「Power2Go」、ASUS独自の各種ユーティリティソフト群などだ。Microsoft Officeシリーズをバンドルしたモデルは用意されていない。

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