さすがにXPSは格が違った――ハイエンドミニタワー「Studio XPS 8100」の実力10万円以下で買える高性能PC(1/2 ページ)

» 2010年03月17日 16時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

ハイセンスなデザインのミニタワー型ボディを採用

Studio XPS 8100

 デルのデスクトップPCラインアップで、ゲーマー向けの「Alienware」に次ぐハイパフォーマンスモデルが「Studio XPS」シリーズだ。今回登場した「Studio XPS 8100」のボディは、従来の「Studio XPS 8000」を継承し、あっさりしたホワイトと光沢ブラックのツートーンを基調に、シンプルで落ち着きのあるデザインとなっている。本体上部にはトレイとして使えるくぼみがあり、その奥に2基のUSB 2.0ポートとサウンド端子が用意されている。そのほか、SDHC対応SDメモリーカードやコンパクトフラッシュなど19種類のメディアにサポートするカードリーダーをフロントパネル上部に内蔵し、3段目のベイカバー内にも2基のUSB 2.0ポートがある。

本体上部に各種インタフェースを用意する。机の下に設置するとアクセスしやすい位置だ

 シャシーの構造はシンプルで、工具なしでパーツを着脱するようなギミックは搭載されていない。ベイの構造は5インチベイとシャドウベイを2基ずつ、3.5インチオープンベイを1基ずつ備える。大型ネジ1本でロックされているサイドカバーを外し、内部にあるグラフィックスカードのスタビライザーを外すとほとんどのパーツにすぐにアクセスできる設計だ。

 前面下部とサイドカバーにある吸気口から、9センチ角のケースファンを備えた背面までほぼ一直線のエアフローだが、グラフィックスカードには前面の吸気口からスムーズに空気を取り込むためのダクトが装着されている。電源ユニットの出力は350ワット、+12V系出力は2系統で、それぞれ12A、18A(同時出力300ワット=25A以下)となっている。あまり拡張の余裕はないが、BTOで選択できる範囲内なら問題ないだろう。

本体前面/背面/左側面。本体サイズは186(幅)×455(奥行き)×408(高さ)ミリだ

基本システムにインテルのLGA1156プラットフォームを採用

 基本システムにはインテルのLGA1156プラットフォームを採用している。今回のリニューアルでは、CPUの選択肢として、32ナノメートルプロセスルールで製造されるCPUコアにGPUコアを統合した新型Core i5(開発コード名=Clarksfield)が加わった。これにともない、マザーボードのチップセットも最新のIntel H57 Expressが採用されている。

Intel H57 Expressチップセットを搭載したマザーボードを採用している。新Core i5(Clarkdale)内蔵GPUのディスプレイ出力機能を持つが、評価機ではこの機能は使われず、別途グラフィックスカードを搭載する構成だ

 このH57は、従来のIntel P55 Expressが持つ機能に加え、新型Core i5に統合されたGPUコアのディスプレイ出力を行う機能を持つのが特徴だ。もっとも、直販サイトに用意されているパッケージ構成のBTOでは、この新型Core i5は選ぶことができず、より自由度の高い基本構成(ページ右の「自由に構成できる基本構成などはこちらから」のリンク)からアクセスする必要がある。

 さらに、原稿執筆時点ではCore i5を搭載する構成よりも、Core i7を搭載するベーシックパッケージのほうがより高性能で価格も安いため、Core i5は選びづらい(最も安価なベーシックパッケージは、Core i7-860、6Gバイトメモリ、1TバイトHDD、GeForce GTS 240で9万9990円。一方、基本構成から選んだ最小構成はCore i5-650、4Gバイトメモリ、500GバイトHDD、GeForce GT 220で11万3400円になる)。なんとも微妙であるが、それだけ「お得な価格のパッケージが用意されている」と理解すればいいだろう。このため今回の評価機もよりコストパフォーマンスの高いベーシックパッケージをベースとした。

Core i7を採用するお得なパッケージ

評価機のCPUはCore i7-860(2.8GHz)

 ベーシックパッケージにおけるCPUは、標準でCore i7-860(2.8GHz)が搭載される。BTOではワンランク上のCore i7-870(2.93GHz)も選べるが、価格差が2万7300円と大きいため、あえて変更する理由は見あたらない。いずれもインテルのNehalemアーキテクチャを採用したクアッドコアCPUで、1コアにつき2スレッドを同時実行できるHyper-Threading Technology(HT)や、CPUの負荷状態などに応じて自動で動作クロックを上昇させるTurbo Boost Technology(TBT)を搭載する。日常用途からゲーム、クリエイティブユースまで、あらゆる用途に対してハイレベルの処理性能を発揮してくれるはずだ。

 前述したように、マザーボードのチップセットにはIntel H57 Expressを採用している。メモリスロットは4本、拡張スロットはPCI Express x16が1本、PCI Express x1が2本、PCIが1本という構成で、ギガビットLANと8チャンネル出力対応のHDオーディオ機能をオンボードで装備する。背面には4基のUSB 2.0ポートに加え、光デジタル音声出力(角型)、eSATAポート、IEEE1394a(6ピン)などの端子が並ぶ(このほか、HDMI出力やDVI出力のプリントもあるがコネクタは用意されず、このモデルでは利用できないためケース背面がカバーで覆われている)。

 メモリはPC3-10600 DIMMに対応し、4Gバイト(2Gバイト×2枚)から最大16Gバイト(4Gバイト×4)までの構成が選択可能だ。いずれも2枚1組の構成となっており、デュアルチャネルアクセスに対応したCore i7/Core i5のメモリコントローラの性能を最大に発揮できるようになっている。

 データストレージにはSerial ATA(3Gbps)対応の3.5インチHDDを採用し、容量は500Gバイトから2Tバイトまで選べるほか、HDDを2台利用したRAID 1構成も利用できる。光学ドライブは、標準のDVDスーパーマルチドライブ、BD-ROMコンボドライブ(+1万500円)、BD記録に対応したBD-REドライブ(+2万1000円)などが用意され、さらにBD-REドライブとDVDスーパーマルチドライブの2台構成も選べる。

グラフィックスカードはNVIDIA GeForce GTX260を選択した

 グラフィックスカードのBTOオプションは、標準のNVIDIA GeForce GTS 240(1024Mバイト)に加え、ATI Radeon HD 5770(1024Mバイト)や、NVIDIA GeForce GTX 260(1792Mバイト)と、いずれもWindows 7の基本操作やHD動画の観賞には十分な性能を持つ。GeForce GTS 240でも特に処理が重いと言われるタイトル以外ならば、3Dゲームもプレイが可能だが、より性能を重視するならばRadeon HD 5770や、あるいはさらに高い3D描画性能を持つGeForce GTX 260を選ぶとよいだろう。

 標準で付属するキーボードとホイール付きレーザーマウスは、USB接続となっている。ケース本体とデザインを共通化したキーボードは、メディア操作やWebブラウザなどの起動ができるワンタッチボタンを備える。マウスはホイールとサイドボタンに加えて、センサーの解像度を400〜1600dpiの間で調整できるスイッチも装備する。dpiを上げるとカーソルが敏感に反応するので、高解像度のディスプレイを利用していてデスクトップ上でカーソルを移動させることが疲れるような場合は、dpiを少し上げて使うといいかもしれない。この設定値はマウスに内蔵されたLEDで確認できる。なお、BTOメニューではワイヤレスのキーボートとマウスも選択可能だ。プリインストールOSは64ビット版のWindows 7で、エディションはHome Premium、Professional、Ultimateの3種類から選べる。

CPU-Zの画面。評価機ではCPUにCore i7-860を搭載している。アイドル時にはEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)により約1.2GHzまで動作クロックを下げて消費電力を節約する。また、高負荷時にはTurbo Boost Technologyにより、CPUの状態(温度、電力、電流、使用コア数)に応じて自動的に動作クロックが上昇する。Core i7-860では最大3.46GHzまで上昇する(画面=左/中央)。GPU-Zの情報表示画面。NVIDIA GeForce GTX 260(グラフィックスメモリ1792Mバイト)搭載のグラフィックスカードを採用している。DirectX 10世代のGPUだが、3D描画性能はパワフルだ(画面=右)

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