ソニーの新しい主力スタンダードノート「VAIO E」を攻略するカラーもパフォーマンスも自由自在!?(1/3 ページ)

» 2010年03月26日 11時00分 公開
[富永ジュン(撮影:矢野渉),ITmedia]

生まれ変わったVAIOのスタンダードノート“E”とは?

「VAIO E」(カラーはグリーン)

 2010年春モデルからVAIOのラインアップに追加された新シリーズ「VAIO E」は、15.5型ワイド液晶ディスプレイを搭載したスタンダードなノートPCだ。同サイズのバリュー価格帯シリーズ「VAIO N」の後継に位置付けられるが、外観も内部のスペックも大きく異なる。

 VAIO Nはインテリアとの調和をコンセプトとして、ファブリックや波がモチーフのテクスチャを配したシンプルなボディデザインと淡く優しいカラーリングを組み合わせた、主張しすぎない外装だった。また、基本スペックについてはBlu-ray Discドライブ搭載モデルをラインアップしながらも一貫してベーシックな構成にとどめることで、エントリーユーザーにも受け入れられやすい「お手ごろ価格」を実現していた。

 つまり、VAIO Nは「ネットとメールができればいい」というライトユーザーや「何をどの程度使うか分からない」という初めてPCを購入するユーザーをターゲットにした、「必要十分な性能を持ち、お手ごろ価格で無難なデザインのPC」が欲しいというニーズにぴったりハマるシリーズだったわけだ。

 これに対し、新登場のVAIO Eは、VAIO Nと同程度の価格帯をカバーしつつ、従来のホームユーザーというくくりよりもさらに幅広いターゲットを狙って、さまざまなチャレンジが行われている。

 ユーザーのチョイス次第で個性を打ち出せるこだわりのカラーバリエーションやボディデザインに加えて、インテルの最新ノートPC用プラットフォーム(開発コード名:Calpella)を採用することで、外も内も大幅に強化してきたのだ。また、ソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルでは仕様のカスタマイズに対応しており、上位パーツも選択できる。

 要するに、最小構成でも優れたデザインと最新のプラットフォームによる高いコストパフォーマンスが得られるが、追加投資をすれば上位シリーズ並みの性能も実現するという「どっちを取ってもおいしい」スタンダードノートPCになったのだ。

ビビッドカラーかマット調か、悩ましい計7色のカラバリ展開

 ボディの形状は、VAIOノートおなじみのシリンダーデザインではなく、VAIO Nのイメージを継承しており、フラットながらも全体的にやや丸みを帯びたフォルムとなっている。ボディサイズは369.8(幅)×248.2(奥行き)×31.1〜36.7(高さ)ミリ、重量は約2.7キロとなっており、VAIO Nとほとんど変わらない。

 最大の特徴ともいえるカラーバリエーションは、つややかな「ピンク」と「ブルー」の2色の蛍光カラーに、光沢のある華やかな「ブラック」、そして「ホワイト」の合計4色展開だ。さらにVAIOオーナーメードモデルでは前述の4色に加えて、光沢のある「グリーン」、つや消しの「マットブラック」と「マットホワイト」の3色が限定カラーとして用意されている。

ピンク

ブルー

ブラック

ホワイト

グリーン(直販限定)

マットブラック(直販限定)

マットホワイト(直販限定)

 このうち、ピンク、ブルー、ブラック、ホワイト、グリーンの5色はグロッシーカラーと呼ばれている。これらはキズや塗装はがれに強く、美しい光沢が特徴のインモールド成型を天面に採用しているのが特徴だ。

 インモールド成型とは、図柄が描かれたフィルムを金型に挟んだ状態のまま、樹脂を金型内に射出することで、熱と圧力により、図柄の樹脂への転写と成型を一度に行う成型技術のこと。VAIO Eでは、ピンク、ブルー、グリーンの3色にドットパターンが、ブラックとホワイトの2色にスクエアパターンがグラデーション状に印刷されたフィルムを使っている。

 質感を高めるためにインモールド成型を取り入れたノートPCは他メーカーでも珍しくないが、VAIO Eでは透明な樹脂をインモールド成型した後、さらに裏側から塗装を施すことで、透明感と奥行き感があるデザインに仕上げている。ここが他メーカーと違う。

 成型後のデザインパターンは天板の表面近くにあるが、その裏側に地のカラーを塗装すると、塗装は天板の裏面に定着するため、天板の厚みのぶんだけわずかにデザインパターンが地のカラーよりも浮き上がって見える。表面に光が当たると、浮き上がったパターンや箔(はく)押しのVAIOロゴが地のカラーの上に影を作り、さらに深みや動きが増すという仕掛けだ。見る角度や明るさ、光の色味によってどんどん天面のニュアンスが変わっていくのが面白い。

まずは透明の天板にインモールドでVAIOロゴやデザインパターンを転写する
次に裏面から地のカラーを塗装することで、VAIOロゴやデザインパターンに立体感を与えている

表面張力であふれそうな水をイメージしたという個性的なパームレストのデザイン

 グロッシーカラーのパームレストは、VAIO Nのクリアタッチパッドをさらに進化させており、天面のデザインとのマッチングが図られた。表面張力でグラスから水面が盛り上がり、今にもあふれそうな、みずみずしいイメージの透明なパームレストになっている。天面と同様、角度や光によってニュアンスが変わり、光沢のある表面処理ながら指紋や汚れが目立ちにくいのは好印象だ。

 一方、VAIOオーナーメードモデルの限定カラーとなるマットブラックとマットホワイトの2色の天面には、インモールド成型が使われておらず、一般的な塗装フィニッシュによるつや消し加工が採用されている。アグレッシブな印象のグロッシーカラーと比べるとグッと落ち着いたスタイリッシュな雰囲気で、従来のVAIO Nに近い。

 しかし、ただシンプルということはなく、液晶ディスプレイを開くと、きめ細かなガラスフレークが入った光沢のパームレストが現れ、上品なつやと虹色のきらめきによる高級感が華を添える。主張しすぎず、しかし地味すぎずの絶妙なバランスは老若男女を問わずおすすめのカラーだ。

Sony Style(ソニースタイル)

Sony Style(ソニースタイル)

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