チップセットはIntel HM55 Expressを採用する。メモリも高速なPC3-10600 DIMM(DDR3-1333)を用いており、標準で4Gバイトを搭載する。プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、最大8Gバイトまでメモリの増設が可能だ。データストレージは2.5インチのSerial ATA HDD(5400rpm)を採用しており、容量は500Gバイトを確保する。
本体の右側面には光学ドライブとしてBD-REドライブを内蔵している。付属のBD/DVD再生ソフトは「WinDVD BD」だ。また、PMB VAIO Editionには従来のBD/DVDオーサリングソフト「Click to Disc/Click to Disc Editior」に相当する機能が統合されており、画面の指示に従っていくだけで簡単にメニュー付きのBD/DVDディスクを作成できる。同じ撮影日の素材から自動的にマルチアングルのBDを作成したり、撮影日を認識して自動でカレンダー型メニューを作成するといった高度な機能まであるのは驚きだ。
クリエイティブユースのモデルながら、高度なテレビ視聴・録画機能も盛り込まれている。地上デジタル放送対応のダブルテレビチューナーを内蔵しており、定評あるVAIOオリジナルの視聴/録画ソフト「Giga Pocket Digital」で2番組の同時録画が可能だ。あらかじめ設定したキーワードに関連する番組を自動録画する「おまかせ・まる録」や、時間帯が不規則な番組でも番組名から追跡して自動録画する「シリーズ録画」などの便利な機能も搭載しており、録画番組をBDメディアやメモリースティックなどにも簡単に書き出すことができる。
通信機能は1000BASE-Tの有線LANに加えて、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN(300Mbps対応)、Bluetooth 2.1+EDRも標準で装備する。端子類も充実しており、USB 2.0はeSATAとの兼用端子を含めて3ポート、IEEE1394a(4ピン)、光デジタル音声出力(ヘッドフォンと共用)、HDMI出力、アナログRGB出力など一通りの端子を備える。
カードスロットについても、ExpressCard/34をはじめ、前面にメモリースティック デュオ(PRO-HG対応)用とSDメモリーカード(SDHC対応)用の両方を装備しており、デジタルカメラやポータブルオーディオプレイヤーなどとのデータ交換も手軽に行える。
液晶ディスプレイのサイズは16.4型ワイドで、画面解像度は1920×1080ドットのフルHDに対応する。店頭販売向けの3モデルの中ではVPCF119FJ/BIのみハイグレードな「VAIOディスプレイプレミアム」仕様となっており、低反射コートを施しているほか、Adobe RGBカバー率100%ならびにNTSC比100%(u’v’色度図による)の広色域をカバーする。
輝度はそれほど高くないものの、低反射コート付きの画面は映り込みが少なく、しっとりとした発色で、見た目の表示品質は良好だ。液晶ディスプレイのヒンジが開く角度は約130度までだが、ノートPC用のTNパネルとしては視野角も広いため、実用上は問題ないだろう。
この液晶ディスプレイは当然ながらクリエイティブユースを意識して搭載されたものだ。初期状態で内蔵液晶用のICCプロファイルが適用されており、カラーマネジメント対応アプリケーションを使用する際、Adobe RGBの画像をほぼ正しい発色で再現できるとしている。測色器を使ったソフトウェアキャリブレーションでの利用も想定済みで、エックスライトの「ColorMunki Photo」が推奨キャリブレーターとされている。
また付属ソフトを見ても、ソニーオリジナルのタイトルに加えて、画像管理/RAW現像ソフトの「Adobe Photoshop Lightroom 2」、フォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop Elements 8」、エプソン製プリンタ用Photoshopプラグインの「Epson Print Plug-In for Photoshop」、ビデオ編集ソフトの「Adobe Premiere Elements 8」といったメジャーなクリエイティブツールを備えている。
ちなみにPhotoshop Lightroom 2には、同社のデジタル一眼レフカメラ「α」で撮影したRAWデータを現像作業する場合、カメラでの現像画質に近づける「αプリセット」機能も追加されているので、αユーザーにとってはさらに価値が高まるだろう。
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