2010年PC春モデルで注目を集めたのは、富士通の“Real Pocket size PC”こと「FMV-BIBLO LOOX U」シリーズだ。1280×800ドット表示に対応した5.6型ワイドタッチパネル液晶ディスプレイと、約16ミリのキーピッチを実現した日本語75キーボードを備えながら、重量は約495グラムと背広のポケットに収まる小型ボディが魅力だ。
従来モデルは、液晶ディスプレイを180度回転できるコンバーチブル型だったが、新モデルでは一転してノートPCと同じクラムシェル型に改められた。ボディサイズは204(幅)×106.5(奥行き)×23.8(厚さ)ミリと横幅こそ33ミリ増えたが、奥行きは28.5ミリ、最厚部が9.2ミリほど短くなり、重量も約70グラム減っているのが見どころだ。店頭販売向けモデルの「U/G90」は3色のカラーバリエーションが展開されており、モカブラック(FMVLUG90B)、ルビーレッド(FMVLUG90R)、ヴィンテージゴールド(FMVLUG90G)が用意される。発売当初は、直販のWEB MART限定で「A BATHING APE」とのコラボレーションモデルも期間限定でラインアップしていたが、2010年4月現在は購入できない。
ここでは、店頭モデルのルビーレッドを分解し、内部構造に迫った。なお、LOOX Uの使用感や開発者インタビューなどの記事は下の囲みにまとめたので、合わせて参照してほしい。
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製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは編集部が使用した製品のものであり、すべての個体にあてはまるものではありません。
それでは、ルビーレッドモデルを見ていこう。
実機を手にすると、まず液晶ディスプレイ天面だけでなく底面まで施された光沢塗装が目を引く。UVコートを施すことで、耐摩耗性を高めつつ光沢感を出しており、ルビーレッドはキャンディコートと呼ぶ3重コートをかけているという。また、本体と液晶ディスプレイ面の側面をメッキのトリムラインで囲み、ネジ穴やステッカーなどを省いて見た目にもこだわっており、同社では「W FACEデザイン」と名付けてアピールしている。光沢塗装ゆえ指紋や手の脂はやや目立つが、余分な凹凸がなく、ジャケットの内ポケットやパンツのバックポケットにも収まるサイズは魅力だ。
本機を分解する手順としては、底面のバッテリーを外してから、ゴム足を取り除く。するとネジが現れるので、上面のカバーやキーボードユニットなどを外すとマザーボードにアクセスできる。もっとも、本機は2Gバイトのメモリがオンボードで実装され、SSDもハーフスリムタイプのモジュールで提供されるため、ユーザー自身が気軽にパーツを増設/換装して性能を強化することは難しい。
次のページではマザーボードを見ていこう。
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