見た目も中身もまさにエリート――「HP EliteBook 8440w/CT Mobile Workstation」を駆る高級外車のような心地よさ(1/2 ページ)

» 2010年04月13日 17時05分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

高級感抜群の頑強なボディ

HP EliteBook 8440w/CT Mobile Workstation

 HP EliteBook 8440w/CT Mobile Workstation(以下、EliteBook 8440w)のボディは、ダークなシルバーとブラックのツートーンを基調にしたカラーリングで、金属の質感を生かした仕上げと、直線的でシャープなラインが印象的だ。アルミニウムの天面はアルマイト加工とヘアラインで仕上げており、ソリッドな剛性感ある素材がキッチリとタイトに組まれているため、手に持った感触も実にがっしりと安定する。液晶部は手前側にある金属製のボタンをプッシュするとロックが外れるが、このボタンの精度も高く、押した感触がとても心地よい。

 ボディのサイズは336(幅)×237(奥行き)×31.3〜39.5(高さ)ミリ。重量は光学ドライブの搭載やバッテリーの種類によって異なるが、最小2.24キロ〜最大約2.54キロと、モバイルというには少し重い。14型液晶を搭載していることからも、常時携帯するというよりは、快適な仕事環境を実現するフルスペックのPCをそのまま持ち出せるという可搬性に重きを置いた製品だろう。ちなみに、ACアダプタのサイズは48(幅)×124(奥行き)×30(高さ)ミリで、ケーブル込みの重量は約410グラム。ケーブルが3ピンでかさばる点は少々残念だ。

天面にヘアライン加工を施した高級感のあるボディ

 ボディ背面に搭載するリチウムイオンバッテリーは6セル(55ワットアワー)と9セル(100ワットアワー)の2種類が用意されており、さらにオプションでは底部に装着する8セルのセカンダリバッテリー(52ワットアワー)も用意されている。公称の駆動時間は搭載CPUによって異なっており、クアッドコアのCore i7搭載時は6セルで約4時間、9セルで約7時間、9セル+セカンドダリバッテリーで約10時間だ。

 また、デュアルコアのCore i7/Core i5搭載時には6セルで約5時間、9セルで約8時間、9セル+セカンダリバッテリーでは約12時間となっている。6セルバッテリーの重量約320グラムに対して、9セルは約480グラム、さらにセカンダリバッテリーは約455グラムあるため、駆動時間を求めると相応に重くはなるが、用途に合わせた使い方ができる選択肢が用意されている点はありがたい。

電力設定を管理できる「HP Power Assistant」が付属している

バッテリの状態や消費電力をリアルタイムで表示できるほか、電力設定のカスタマイズや変更が可能だ。電力設定別の使用時間や電力コストなどのリポート機能もあって、なかなか面白い

クアッドコアCPUも選べるハイパフォーマンス

 CPUをはじめとする主要なパーツはBTOで柔軟にカスタマイズしてオーダーできる。プリインストールOSの選択肢も豊富で、Windows XP Professional(Windows 7 Professionalのダウングレード)、Windows Vista Business、Windows 7 Professionalと3世代が用意されており、Windows 7 Professional(32ビット版/64ビット版)では英語版を選ぶこともできる。CGやCADなど専門的アプリケーションの利用も想定したモバイルワークステーションならではの柔軟性といえるだろう。また、ハードウェアの選択肢が性能面にこだわった内容となっているのも特徴だ。

 特にCPUは強力で、クアッドコアのCore i7-720QMを筆頭に、デュアルコアのCore i7-620M、Core i5-540Mと、最新の高性能CPUが選べる。評価機が搭載していたCore i5-540Mは、基本動作クロック2.53GHz、Intel Turbo Boost Technologyにより最大3.06GHzで動作する。デュアルコアだがHyper-Threadingに対応しているため同時4スレッド処理が可能で、マルチスレッドに最適化されたアプリケーションも高速に処理できる。

評価機が搭載するCore i5-540Mの基本動作クロック2.53GHzだ。アイドル時/低負荷時にはEIST(Enhanced Intel Speedstep Technology)により最低1.2GHzで、高負荷時にはIntel Turbo Boost Technology(以下、TBT)により最大3.06GHzで動作する。なお、評価機の実際の動作クロックをモニターしてみたが、アイドル時は1.33GHz、高負荷時は2.8GHzで動作していることが多かった

 チップセットはIntel QM57 Expressを採用する。グラフィックス機能は別途NVIDIAのエントリーワークステーション向けGPUであるQuadro FX 380M(ビデオメモリ512Mバイト)を搭載している。CGやCADアプリケーションで広く利用されているOpen GLに最適化されており、数多くのアプリケーションの動作認証も受けているため、安心して利用できるだろう。

 メモリはPC3-10600に対応しており、最大8Gバイト(4Gバイト×2枚)まで搭載可能。データストレージには320Gバイトか500Gバイトの2.5インチのHDD(7200rpm)、または160GバイトのSSDが選べる。HDDでも7200rpmの高速タイプを採用しているところに性能面へのこだわりが感じられる。HDDを振動や落下から保護する3Dドライブガード機能を装備している点も心強い。なお、メモリスロット(2基)、HDD/SSDベイにはボディ底面のカバーから容易にアクセスできる。

「HP 3Dドライブガード」は3Dモーションセンサーで振動や落下を検知し、自動的にHDDのヘッドを退避させることでヘッドクラッシュによる損傷を防いでくれる(画面=左)。メモリスロットは底面にあり、アクセスは容易だ(写真=中央)。ACアダプタのサイズは48(幅)×124(奥行き)×30(高さ)ミリ。電源ケーブルが3ピンタイプで重量はやや重い(写真=右)

着脱可能なドライブベイなど充実機能を装備

 本体右側面手前には着脱式のドライブベイ「アップグレードベイ」を装備しており、光学ドライブか、セカンドHDDなどを交換して使えるようになっている。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブのほか、BD-REドライブも用意されている。ドライブを搭載せずに軽量化することも可能で、目的に応じて柔軟な運用が可能だ。

 通信機能はIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN(Intel Centrino Ultimate-N 6300)、ギガビットLAN(Intel 825577LM)、そしてBluetooth v2.1を標準で装備するなど充実している。また、本体にはSDメモリーカードスロット、アナログRGB出力、3基のUSB2.0ポートといった基本的な端子類に加えて、eSATA/USB2.0兼用ポートやExpressCard /54スロット、DisplayPort(アナログRGB出力への変換ケーブルも付属)などといった先進かつ高速なインタフェースも装備する。さらにスマートカードスロットも備えるなど、充実した内容だ。

本体前面/背面/左側面/右側面。各種インタフェースは充実している

 液晶ベゼル上部には200万画素のWebカメラとステレオマイクを装備しており、外部デバイスなしでテレビ会議やビデオチャットを高画質で楽しめる。本体手前側に名刺を挟み込めるスリットが用意されており、そこに挟んだ名刺をカメラで撮影しての名刺読取/管理ができるソフトウェア「HP Business Card Reader」も付属している。

DisplayPort→アナログRGB出力の変換ケーブルを付属(写真=左)。液晶上部に200万画素Webカメラを内蔵する(写真=中央)。名刺管理用ソフトの「HP Business Card Reader」では、本体手前側のスリットに挟んだ名刺を内蔵Webカメラで撮影してOCR読取/管理ができる。液晶ベゼルを倒しながら撮影する必要があり、コツをつかむまで慣れが必要だが、Webカメラを活用した面白いソリューションだ(画面=右)

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