GeForce GTX480/470カードは、4月9日にGALAXYの「GF PGTX480/1536D5 HDMI」と「GF PGTX470/1280D5 HDMI」が登場し、週末のうちに売り切れた。しかし、先週は複数ベンダーのGTX480/470カードが各ショップに入荷し、一時的に店内の新製品コーナーを占拠するほどのバリエーションが並んだ。
入荷が確認できたのは、ギガバイトとMSI、ZOTAC、InnoVSION、EVGA、玄人志向、Palitの7社。いずれも内部設定とクーラーともに標準仕様のグラフィックスカードで、GTX480搭載モデルは5万円台半ばから6万円台半ば、GTX470は4万円弱から4万円台半ばとなっていた。
前回お伝えした通り、GeForce GTX 480/470はDirect X 11に対応するNVIDIAの次世代ハイエンドGPUだ。処理性能の高さに加え、消費電力も高く設定されており、標準仕様カードのはGTX 480は250ワット、GTX 470カードは215ワットとなる。ちなみに、GeForce GTX 285は182ワットだ(関連レビュー:GeForce GTX 480で時代が変わるか!)。
複数のメーカーから登場したものの、各モデルの入荷は少数で、上位のGTX 480カードはどこのショップでも瞬く間に売り切れていったという。ツートップ秋葉原本店は「本気で瞬殺という感じでした。NVIDIAからアーキテクチャを一新したハイエンドカードが出るのは1年以上振りですから、待っていたという人も多いのでしょう。複数の店舗を渡り歩いて2枚そろえるという人もいるようです」と語る。
一方で、GTX 470カードは複数枚の在庫を確保しているショップがいくつかあり、「すでにちょっと余り気味になっていますかね。まあ、初回はハイエンドばかり売れるので仕方ありません。GTX 470も普通にゲームするなら十分すぎるパワーを持っているので、これから本気で売れていくと思いますよ」(クレバリー1号店)といった声も聞こえた。
ただし、今後の流通量に関して楽観視するコメントは見あたらない。TSUKUMO eX.は「今回は各社の初回入荷が固まったにすぎません。問題は再入荷ですが、めどが全然立っていないんですよ。今回の入荷分を逃したら、次はゴールデンウィークになるのか、もっと先になるのか……。まあ、本気で欲しいという人は今のうちに足を運んでもらうのがいいと思います」という。
一方、Radeon系のハイエンドカードもバリエーションが増えた。4月初旬にSapphireから6画面出力が可能な「RADEON HD 5870 Eyefinity 6」カードが登場したが、先週はHISとXFX製品も店頭に並んだ。価格はXFXの「HD-587A-CNF9 Eyefinity 6」が7万円前後、HISの「H587F2G6DG」が6万円台前半から7万円弱となる。ともに在庫は少数だ。
パソコンショップ・アークは「DisplayPort対応モニターがレアな状況なので、6画面出力をすぐ構築したいというよりは、将来の可能性を持ちつつ、2GバイトのGDDRメモリを使いたいという人に売れるのではと思います」と話していた。
両社のハイエンドカードが同時期に数を増やしている状況について、歓迎する声はいくつも聞いている。某ショップが「ここ1〜2年はNVIDIAかAMDのどちらかが強いという状況ばかりだったので、劣勢のカードを入荷するのが怖かったんですよ。今みたいにどちらも注目されているという状況だと在庫リスクが少なくなるので、ショップとしては万々歳です。まあ、それでもRadeon HD 5000ファミリーのラインアップの多さは何とかしてほしかったですけど」と漏らしていたのが印象的だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.