Wind NetbookシリーズやX-Slimシリーズが目立つMSIのノートPCだが、MSIのゲーミングノートPCラインアップ「GT」シリーズは、日本市場に投入されてから意外と長い。日本市場におけるMSIノートPCの「尖兵」となって長期にわたってがんばっており、グラフィックス性能に優れたノートPCを望むユーザーから注目されている。また、海外、特に欧州では「ゲーミングノートPCの王道」として広く認知されている。
2010年3月にドイツで行われたCeBIT 2010で、MSIが最も力を入れてアピールしていたのも、GTシリーズの最新モデル「GT660」だった。「DYNAUDIO」ブランドと提携して迫力あるサウンドの再現に力を入れるだけでなく、CPUに“Clarksfield”世代のモバイル向けCore i7を採用し、メモリを最大で12Gバイト搭載するなど、強力なスペックで注目を集めたGT660は、2010年に登場する予定とされているが、その“超ハイエンドモデル”に先んじて日本市場に登場したのが今回紹介する「GT640」だ。
16万9800円と20万円を大きく下回る実売価格ながら、1680×1050ドットを表示できる15.4型ワイド液晶ディスプレイを装備するだけでなく、CPUには“GT660”で搭載する予定の“Clarksfield”世代のクアッドコアモデル「Core i7-720QM」を採用し、GPUも外付けのGeForce GTS 250Mを備えるなど、ハイエンドモデルに負けないスペックで構成する。
Core i7-720QMの動作クロックは定格動作で1.6GHzだが、Intel Turbo Boost Technologyに対応するため、システムの状態と動作するコアの数によって、最高で2.8GHzまでクロックがアップする。また、Hyper-Threding Technologyにも対応するので、クアッドコア構成で最高8スレッドの同時処理も可能になる。
外付けGPUのGeForce GTS 250Mは、NVIDIAのノートPC向けGPUのポジショニングでGeForce GTS 260Mとともに「HIGH PERFORMANCE」に位置するモデルで、96基の統合型シェーダユニットを内蔵するほか、GT640ではコアクロックが450MHz、シェーダユニットクロックが1080MHz、メモリバスクロックが790MHzに設定され、グラフィックスメモリとしてDDR3を1Gバイト搭載する。
DirectX 10.1、シェーダモデル4.0をサポートする。また、CUDAにも対応するので、GPUコンピューティングに対応したアプリケーションを利用すればエンコードやトランスコードの高速処理などが可能になる。
本体のインタフェースは、2基のUSB 2.0にeSATA、4in1カードリーダー(SDメモリーカード、MMC、メモリースティック、xDピクチャーカード)、IEEE1394、1000BASE-T対応有線LAN、FAXモデムが用意されるほか、無線接続として、IEEE802.11a/b/g/nとBluetooth 2.1+EDRが利用可能だ。また、映像出力にアナログRGBとHDMIを備える。
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