大物が出そろい“6コア時代”に突入した4月のアキバ5分で分かった気になる、4月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2010年05月11日 10時50分 公開
[古田雄介,ITmedia]

待望のコンシューマー向け6コアCPU「Core i7-980X Extreme Edition」が店頭デビュー!

インテル「Core i7-980X Extreme Edition」

 4月初頭のアキバをわかせたのは、コンシューマー向けで初の6コアCPUとなる「Core i7-980X Extreme Edition」だ。インテルから正式発表された直後の3月中旬から一部のショップで予約が行われたものの、初回の生産数が少ないこともあり、当初は組み込みでの販売が先行する形だった。その後、4月初頭に単品発売がスタート。価格は10万5000円前後で、瞬く間に売り切れて入手困難な状況となった。

 Core i7-980X Extreme Editionは、3.33GHz動作の6コアを内蔵しており、合計12MバイトのL3キャッシュを搭載している。ソケット形状はLGA1366で、TDPは130ワット。1コアで2スレッドの処理を併行で行うHyper Threading Technologyや、稼働中のコアが少ないときに動作クロックを自動で引き上げるTurbo Boost Technologyも搭載している。

 Core i7-980Xの反響は大きく、各ショップに問い合わせが寄せられたが、「本当に入荷数が少なくて、再入荷がいつごろになるのかも分かりません。すごく人気があるので、この機にたくさん売りたいのは山々なんですけどね」(ソフマップ秋葉原本館)と、需要に対応しきれない現状を悔しがるショップが多かった。

 しかし、大型連休の少し前に比較的まとまった数量を再入荷するショップがいくつか現れた。レジ前に「Core i7-980X再入荷!」のPOPを掲げたツートップ秋葉原本店は「潤沢とはいかないまでも、初回よりたくさん入荷しました。10万円を超えるCPUでここまで人気があるのは珍しいですね。ハイエンドマシンを組みたいという人にはあこがれのCPUとなっているでしょう」と話していた。

 なお、3月中旬から4月にかけて、サーバー/ワークステーション向けのCPUでも6コア以上のマルチコア化が進んでいる。3月末に登場した6/12コアのAMD「Opteron 6100」シリーズのほか、4月中旬には6コアCPUで初のTDP 60ワットとなる「Xeon L5640」も注目を集めていた。Xeon L5640は2CPUをセットで使うタイプで、1個あたりの価格は10万6000円前後となっている。

ドスパラ秋葉原本店に張られたCore i7-980Xの予約POP(写真=左)。4月後半にCore i7-980Xを再入荷し、POPをレジ前にPOPを掲げたショップは多い。写真はソフマップ 秋葉原リユース総合館(写真=中央)。4月中旬に登場したインテルの「Xeon L5640」と「Xeon X5660」(写真=右)

「AMDのCPU部門が本気を出してくれた」――激安6コアCPU「Phenom II X6」が4月末に登場

AMD「Phenom II X6 1090T Black Edition」と「Phenom II X6 1055T」

 大型連休の初日である4月29日、AMDからも6コアCPUが登場した。定格3.2GHz動作の「Phenom II X6 1090T Black Edition」と定格2.8GHzの「Phenom II X6 1055T」で、価格は順に3万5000円前後と2万2000円前後。初回から潤沢に出回ったものの、連休中に売り切るショップも多かった。Phenom II X6はSocket AM3に対応する6コアCPUで、今回登場した2モデルのTDPは125ワット。6コア中3コア以下が稼働している際、クロック数を自動で引き上げるターボコア機能を搭載しており、X6 1090Tは最大3.6GHzに、X6 1055Tは最大3.3GHzまでクロックアップする。L3キャッシュは合計6Mバイトとなる。

 Phenom II X4 965 Black Edition以来、約9カ月振りとなるAMD製CPUのハイエンドモデルだけに、各ショップで大きな反響があった様子だ。クレバリー1号店は「6コアで圧倒的に安いということもあり、かなりの勢いで売れていますね。たくさん入荷したので連休中も余裕でストックできるだろうと思っていましたが、予想以上の売れ行きです。新型マザーとセットで購入される方が多いので、相乗効果も大きいと思います」と語る。

 その新型マザーとは、同時期に登場したAMD 890FX/880G/870チップセットを搭載したマザーボードのこと。3つとも、AMD 890GXと同じ8シリーズに属するチップセットで、SATA 3.0をサポートしているのが特徴だ。上位のAMD 890FXはPCI Express x16スロットで最大32レーンまで利用でき、グラフィックスチップは非搭載だが、グラフィックスカードを装着する場合は、最大16レーンのAMD 890GXよりもハイスペックなマシンが構築できる。AMD 880GはAMD 890GXよりワンランク下のグラフィックスチップを採用しており、AMD 870はAMD 880Gからグラフィックス機能を省いた構成だ。それぞれの搭載マザーはAMD 890FXが1万7000円から3万円強、AMD 880Gが9000円から1万5000円前後、AMD 870が1万円前後から1万3000円前後となる。

 TSUKUMO eX.は「Phenom II X6はAMD 7シリーズのマザーでも搭載できますが、やはりSATA 3.0対応マザーと組み合わせたいという人が多いのでしょう。いまハイエンドを目指すなら、高速なSATA 3.0対応ドライブは欠かせませんから」と話していた。

Phenom II X6入荷を知らせるツートップ秋葉原本店のPOP(写真=左)。ASUSTeKのAMD 890FXマザー「CROSSHAIR IV FORMULA」とAMD 880Gマザー「M4A88TD-V EVO/USB3」(写真=中央)。AMD 880Gマザーと870マザーは、比較的在庫数が多い。AMD 890FXマザーは連休明けの現在も品薄だ(写真=右)

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