インテルは、5月25日に米Intel本社 副社長 兼 データセンター事業部長のカーク・スカウゲン氏による新世代Xeonを導入したデータセンターのメリットに関する説明会を行った。
スカウゲン氏は、これからのサーバ市場を表すキーワードとして「爆発的な拡大」を挙げる。「2015年に向けて、25億人がインターネットを利用するようになり、150億台のコネクテッド・デバイスがインターネットにアクセスして、データも65%と爆発的に増える。10億台の仮想サーバがクラウドの中で稼働する。クラウドサーバの市場は25%成長するだろう。」(スカウゲン氏)
このように急成長が期待されるサーバやネットワークといったインフラストラクチャーに求められる条件として、スカウゲン氏は「効率的」「簡素化」「セキュリティー」「オープン」という4つの項目を設けている。
「効率的」の視点では、インテルが2009年から2010年にかけて発表したXeon 5600番台、Xeon 7500番台において、パフォーマンスは従来モデルから最大60%向上したにもかかわらず消費電力が最大30%減少した“電力効率”や、2005年に登場したシングルコアXeonを搭載した15ラック構成サーバと2010年に登場したXeon 5600番台で構成される15ラック構成サーバと比較して、パフォーマンスが最大15倍、電力コストが年間で最大26%削減できることや、同じパフォーマンスを発揮するXeon 5600番台搭載の1ラック構成サーバなら、電力コストを年間95%削減して投資を5カ月で回収できるなどの試算が提示された。また、Xeon 7500では、QPIによるCPU間接続によるマルチソケット構成で実現する拡張性がアピールされた。「サーバの40%は、依然としてシングルコアCPUを採用している。同じ熱設計のサーバでXeon 7500番台にリプレースすれば性能が20倍に向上する。ここにチャンスがある」(スカウゲン氏)
また、スカウゲン氏はXeonとItniumについて、「これまでは、Itaniumの下にXeonという位置付けだったが、今では、両者の機能と性能は横並びで、どちらも基幹システムで利用されている。ユーザーは、システムで利用するOSがUnixならItaniumを、Windows ServerやLinuxならXeonを選ぶことになるだろう」と説明している。
「簡素化」の視点でスカウゲン氏は、これから急成長が期待されるデータセンターのストレージシステムでXeonの採用が増えると述べ、その割合は現在の70%から2011年の末までに80%に達するとした。スカウゲン氏はデータセンターでXeonが普及することで、データセンター管理の簡素化が進むと説明する。
その例として、消費電力を個々のサーバやラックごと、ラックのグループごとの各レベルで管理する「インテル インテリジェント・パワー・ノード・マネージャー」や、データセンターレベルで管理する「インテル データセンター・マネージャー」によって動的な電力管理を行い、ネットワークでは、ストレージ、LAN全体における共通インタフェースアーキテクチャの採用、マルチプロトコルのサポートなどでネットワークを簡素化することで、LANケーブルを10億マイルの節約が可能と主張した。
セキュリティの視点については、「ユーザーが最も懸念を感じる」とした上で、Intel Trusted Execution Technology(Intel TXT)とIntel Virtualization Technology(Intel VT)による仮想化におけるセキュリティ実現に加えて、「従来の専用のハードウェアを持たないシステムでは、高速な暗号化と複号化にXeonのすべてのパフォーマンスを使ってきたが、AES-NIが導入されたXeon 5600番台では、従来より90%ほど高速な処理が可能になる」と、アピールした。
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