応答速度の数字はホンモノか!?――液晶ディスプレイの動画性能をチェックしよう簡単に試せるテスト動画付き(4/4 ページ)

» 2010年05月31日 10時00分 公開
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動画再生におけるグレアとノングレアの違い

 ここからは、液晶ディスプレイの動画表示品質を大きく左右する要素や、さまざまな高画質化機能に注目する。

 見た目の動画表示品質という意味では、液晶ディスプレイの表面処理も大きく影響する。ここでいう表面処理とは、グレア(光沢)かノングレア(非光沢)だ。一昔前はノングレアタイプが大半を占めたが、最近はメーカー製PCの内蔵ディスプレイをはじめグレアタイプが大幅に増えている。

 まずグレアタイプから見ていくと、高彩度な発色とツヤのある表示がメリットだ。液晶ディスプレイの構造では、バックライトの光がカラーフィルターを通して画面を発色させており、グレアタイプの製品は画面の表面へ透過する光量が大きい。よって、輝度やコントラストを高める特徴もある(スペックは液晶ディスプレイによって大きく異なる)。映像コンテンツを表示するときの画質的な印象度では、ノングレアタイプよりもグレアタイプのほうが有利だ。

 一方、グレアタイプの液晶ディスプレイは外光の映り込みが発生しやすく、目への負担が大きいというデメリットもある。映像コンテンツの視聴では、暗いシーンで室内の照明や自分の姿が画面に映ってしまい、雰囲気が損なわれる場合も少なくない。特に視聴距離がテレビより近い液晶ディスプレイでは、自身の姿が画面に映り込みやすい点を覚えておいたほうがいいだろう。

 続いてノングレアタイプだが、画面の表面に細かな凹凸を施すことで、外光を乱反射させている。これにより、外光の映り込みがほとんどなくなるわけだ。発色の雰囲気が柔らかで落ち着いており、グレアタイプと比べて目の負担が軽く、長時間画面を見続ける作業にはノングレアタイプが一般に向いているといえる。

 ノングレアタイプのデメリットは、グレアタイプのメリットとほぼ正反対だ。バックライトからの光も画面の表面で乱反射させてしまうため(バックライトの透過量が減る)、輝度やシャープさが低下する1つの要因となる。動画や画像を表示させると、グレアタイプよりも地味な印象になるのは、そのためだ。

液晶ディスプレイの表面処理による映り込みの違い。グレアパネルはバックライトからの光が表面で拡散しにくく、高い色純度を得やすい半面、ユーザーや照明の形がはっきりと映り込みやすい(写真=左)。ノングレアパネルでは同じように照明を当てても、ぼんやりと明るくなるだけで、表示への影響は少ない(写真=右)

マイクロスコープで液晶ディスプレイ表面を接写した拡大画像。グレアパネルはバックライトの光がカラーフィルターを通して素直に表面へ出てきており、画素形状が判別できる(写真=左)。ノングレアパネルはバックライトからカラーフィルターを通った光が表面で拡散するため、画素形状まで判別できず、ぼやけている(写真=右)。なお、昨今はグレアとノングレアの中間のような質感を持った「ハーフグレア」処理の製品もある

 グレアタイプとノングレアタイプ、どちらがよいとは一概にいえないので、ぜひ店頭で比較してほしい。おそらく、動画コンテンツの再生ではグレアタイプを高画質と感じることが多いと予想されるが、いろいろなアプリケーションをフルスクリーンで起動してみて、特に外光の映り込みをチェックするとよいだろう。

製品選びでチェックしておきたい高画質化技術

 冒頭でも触れたが、最近の液晶ディスプレイは実に多彩な高画質化技術を搭載している製品も見られる。既に動画向けの画質モードをはじめ、応答速度や動画ブレを改善する技術(オーバードライブ回路/黒挿入/倍速駆動)、ダイナミックコントラスト機能は紹介したが、動画の表示品質を向上させるそのほかの技術も簡単に見ていこう。現在はこうした複数の高画質化技術が高度に組み合わされ、そのチューニングによって最終的な画質や表示の特徴が大きく変わってくるのだ。

I/P変換

 I/P変換とは、インターレース/プログレッシブ変換のことだ。奇数フィールド/偶数フィールドで構成されるインターレース映像を、1フレームで画面全体を描画するプログレッシブ映像に変換するわけだが、この変換技術が滑らかな動画再生に大きく影響する。

1080/24p対応

 1080/24pとは、映像フォーマットの一種だ。映画やアニメーションでよく使われ、解像度が1920×1080ドット、毎秒24フレーム(24fps)の映像を指す。一般的な液晶ディスプレイのリフレッシュレートは60Hzなので、フレームレートも60fpsだ。1080/24pの映像は60fpsに変換して表示するが、60fpsは24fpsの倍数になっていないため、1080/24p映像の全フレームを正確に60fps化できない。これにより、映像のシーンによっては動きが瞬間的にカクカクすることがある。

 これに対し、EIZOのエンターテインメント液晶ディスプレイ「FORIS」シリーズなどは、液晶ディスプレイ側のリフレッシュレートを48Hzで駆動させることで、1080/24pを滑らかに表示する機能を備えている。24fps×2=48fps(48Hz)なので、1080/24p映像の全フレームを均等に、つまり自然に表示できるわけだ。

Power Resolution/超解像

 主に低解像度の映像を補正し、高精細にして解像感を高めるという液晶テレビでもトレンドの機能だ。動画共有サイトの映像をはじめ、ゲーム、DVD-VideoやSD記録のビデオカメラといった映像で高い効果が得られる。もちろん、Blu-ray Discタイトルや地上デジタル放送、HD記録のデジタルビデオカメラといった、HD映像でも有用だ。

 EIZOのラインアップではEV2334W-Tがこうした機能の「Power Resolution」を備えており、特にゲーム用途ですばらしい補正効果を見せてくれる。

ゲーム向けの表示機能

 ゲーム向けの高画質化機能では、EIZOの「FORIS」シリーズなどが備えるスルーモードとポータブルモード、EV2334W-Tが備えるPower Gammaをチェックしておきたい。

 まずスルーモードは、映像信号の入力から画面出力までのタイムラグを減らす機能だ。ゲーム機のコントローラー操作と、それによる画面の変化がほぼリアルタイムになるため、微妙な操作が要求されるゲームで大きな効果を実感できる。ポータブルモードは、PSP(プレイステーション・ポータブル)の映像を、画面の横幅いっぱいに表示する機能だ。PSPのゲームを大画面で楽しめる。

 Power Gamma機能は、ゲームやアニメーションに最適化した専用モードだ。コントラストを独自に調整し、立体感やメリハリを高める。単純に高コントラストにするわけではないので、黒つぶれや白とびが目立つこともない。

これからの液晶ディスプレイは動画の表示品質にこだわって選ぼう

 今回は液晶ディスプレイの動画表示性能にフォーカスして話を進めてきたが、普段使っている液晶ディスプレイで、サンプル動画の表示品質に問題はなかっただろうか。液晶ディスプレイにとってイジワルなサンプル動画だったため、ほとんどの環境で多かれ少なかれ動画ブレが見られたと思う。

 実際の動画は画面内の色数も多く、もっと複雑な描画がなされているので、輪郭の偽色や残像はそれほど目立たないだろう。また、動画ブレをどれくらい感じるかは、個人差も非常に大きい。

 背景などの動画ブレも含めて気になるようなら、動画の表示品質に優れた液晶ディスプレイの購入を考えたいところだ。EIZOのラインアップでいうと、オーバードライブ回路を搭載したモデル全般、Power ResolutionやPower Gammaを搭載したEV2334W-T、豊富な映像入力とゲーム向け機能をそろえた「FORIS」シリーズなどに注目したい。これらのモデルは静止画の表示品質も高いレベルにあるため、画質面の不安を感じることなく、さまざまな用途で快適に使えること請け合いだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年3月31日