今だから純国産──ハイエンドスペックのATXケース「JIGEN J's PRO460S」(1/2 ページ)

» 2010年06月18日 11時00分 公開
[長畑利博(撮影:矢野渉),ITmedia]
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加工品質の高さとデザイン性を両立

J's PRO460Sは、シンプルなタワー型デザインで“ごく普通”のPCケースと思われがちだが、その高い加工品質のおかげで、パネルやドライブベイの脱着などの作業性に優れている

 「JIGEN J's PRO460S」は、設計から製作まですべてを国内で行う「純国産」を訴求するATXケースだ。純国産のPCケースというと、「星野金属工業」を思い出す自作PCユーザーも多いと思う。J's PRO460Sを開発したLBJは星野金属工業に在籍していた開発メンバーを中心として設立されたメーカーで、「J's PRO460S」は同社のPCケースブランド「JIGEN」を掲げた最初の製品となる。

 本体フレームとなる部分にスチールを、外装部にはアルミを使うハイブリッド構成を採用。本体上部に配した2本のステンレス製シャフトで横方向の剛性を確保するなど、比較的軽い本体でありながら、フレームの剛性を十分確保している。外装で一番目立つのは、5ミリの肉厚アルミを使ったフロントパネルだ。表面に微細なヘアライン加工が施され、高級オーディオ機器のような雰囲気を持っている。

 ちなみに、5インチドライブベイは4個で、3.5インチのオープンベイは持たないというシンプルなレイアウトとなっている。サイドパネルは、アルミの1枚板で構成されているが、折り曲げ加工がうまく施してあり、ゆがみやたわみが発生しない強度を確保している。

5ミリの肉厚アルミパネルが使われており、繊細なヘアラインが施された表面は高級感がある(写真=左)。フロントポートは本体最下部に配置する。USB 2.0×2、サウンド端子とシンプルな構成だ

個性的なボディ内部のエアフロー

 ボディ内部は、最近流行の電源ユニットを本体下部に配したレイアウトになっている。このレイアウトの場合、通常はケース底面側に穴が開いており、電源ユニットのみ独立したエアフローを構成するのが一般的だが、J's PRO460Sではケース内部の空気を排出する役割を担う。

 特徴的なのは、吸気用のファンがシャドウベイ付近の底面に取り付けられていることだろう。吸い上げられた風がHDDにあたり、拡張スロットエリアで発生した熱は電源部のファンで排気され、CPU周辺で発生した熱はケースの背面ファンで排気する構造になっている。暖かい空気がボディ内部を上昇するため、CPU側にもある程度の空気が流れる仕組みだ。

 ただし、このレイアウトは、利用できる電源ユニットやCPUクーラーを選ぶ。電源ユニットの排気が強すぎるとCPU側に空気の流れが届くにくい。反対に弱いと拡張スロット部に熱が滞留するため、温度センサーでファンコントロールが可能な電源ユニットを選ぶべきだ。また、CPUクーラーもサイドフロー型でPCケースのリアファンに向けて強制的に空気を流すものを選びたい。うまく空気の流れを処理しないと、内部の構造上5インチベイ付近に熱がたまりやすいためだ。

 風切り音が耳につきやすい吸気側のファンが本体下部を設置していることとファンの下にフィルター用のスペースが設けられていることで、ファンの動作音はほとんど聞こえない。サイドパネルの加工精度が高く密閉されているため内部の音もほとんど聞こえてこない。

電源ユニットは本体下部に設置するレイアウト。電源ユニットが排気ファンの役割を果たす。マザーボードベースの中央には、マザーボードがついたままでもCPUクーラーのバックプレートを交換できるメンテナンスホールが用意されている(写真=左)。フロント側のファンはケースの底面近くに設置されている。シャドウベイに取り付けられたHDDに直接外気があたる。底面にはファンを取り付けるスペースがもう1つ用意されている(写真=右)

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