これはコンセプトモデルではない!──「libretto W100/11M」のデュアルディスプレイな使い勝手を試す2010年PC夏モデル(1/2 ページ)

» 2010年06月21日 13時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]

見た目だけじゃない、中身も最先端

25周年を記念したlibrettoは2つのディスプレイを搭載した「libretto W100/11M」として登場した

 東芝が6月21日に発表した「ノートPC事業25周年記念モデル」には、“えっ、これってコンセプトモデル?”と思ってしまいそうなユニークな製品がいくつか登場している。そのなかでも、まず見た目で驚かされるのが、ボディを開くと通常の液晶ディスプレイの対面に、キーボードではなくもう1枚の液晶ディスプレイを配置している“デュアル液晶ディスプレイ搭載ノートPC”として登場した「libretto W100/11M」だ。

 2枚のディスプレイ、しかも、サイズの小さい“サブディスプレイ”ではなく、同じサイズの2枚を搭載したデュアルディスプレイノートPCは、2009年のCeBITでASUSがコンセプトモデルとして公開し、2010年のCeBITではMSIが複数のコンセプトモデルを展示している。しかし、同様な構成のlibretto W100/11Mがコンセプトモデルではなく、実際に市場に投入する「製品」として登場したことに、東芝の元気とやる気と遊び心が感じられて、旧来のJ-3100/Dynabookユーザーとしては、それだけでうれしく思ってしまう。


 libretto W100/11Mは、CPUにTDP18ワットの超低電圧版「Pentium U5400」(1.2GHz)を搭載し、チップセットにはIntel QS57 Expressを採用する。Pentium U5400はグラフィックスコアを統合した“Arrandale”世代のデュアルコアモデルで、Hyper-Threading TechnologyとTurbo Boost Technologyはサポートしない。メインメモリはDDR3-800をオンボードに2Gバイト実装する。メモリスロットは持たず、これ以上の拡張はできない。データストレージとしては、62GバイトのSSDを内蔵する。

 本体に搭載するインタフェースは、micro SDカードリーダーとUSB 2.0が1基、ヘッドフォン端子と種類が限られるが、無線接続では、IEEE802.11 a/b/g/nの無線LANに対応するほかモバイルWiMAXも利用可能で、Bluetooth 2.1+EDRもサポートする。

 本体サイズは約202(幅)×123(奥行き)×25.4〜30.7(厚さ)ミリ、重さは4セルバッテリー搭載時で約699グラム、8セルバッテリー搭載時で約819グラムになる。なお、バッテリー駆動時間は4セルバッテリーで約2時間、8セルバッテリーで約4時間となる予定だ(いずれも2画面点灯状態)。

左側面にはヘッドフォン端子とUSB 2.0を備える(写真=左)。右側面には電源コネクタと無線LANのオン/オフスイッチがある(写真=中央)。液晶ディスプレイと本体は180度まで開くことが可能だ(写真=右)。なお、micro SDカードリーダーは天面ユニットの前面に搭載する

「TOSHIBA Bulletin Board」で自分流のインタフェースを

 マルチタッチに対応するタッチパネルを組み込んだ液晶ディスプレイは、サイズが7型ワイドで解像度は1024×600ドットになる。従来のキーボードの代わりに設置されたディスプレイには、いろいろなパターンのユーザーインタフェースを表示して利用することが可能だ。libretto W100/11Mでは、専用ガジェットを自由に配置して使えるオリジナルツール「TOSHIBA Bulletin Board」や、5パターンのレイアウトを切り替えられるソフトウェアキーボードが用意される。TOSHIBA Bulletin Boardで使える専用ガジェットには、メッセージを自由に記入できるメモ紙やふせん紙のほか、時計やカレンダー、テンキーがある。いずれも、自由に配置でき、向きやサイズを変更できる。

 タッチパネルの操作性を向上させるオリジナルツールには、ほかにも「TOSHIBA ReelTime」が用意される。これは、帯状に並んだ「最近使ったファイル」のアイコンをタップすると、そのファイルと関連付けしたアプリが起動するランチャーで、アイコンに指を重ねてスライドさせるとアイコンもスクロールする。その動きは指の動きとシンクロし、スクロールも高速だ。

2つの液晶ディスプレイはサイズが7型ワイドで、解像度は1024×600ドットとなる。OSからは通常のプライマリとセカンダリのディスプレイとして認識されており、2つのディスプレイを1つの画面として扱うことも可能だ(写真=左)。キーボード側のディスプレイで使えるツールとして、専用ガジェットを自由に配置できる「TOSHIBA Bulletin Board」が用意される(写真=右)

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