イベントではβ版のWebブラウジング機能も紹介された。モノクロの電子ペーパーにWebページが表示され、そこで枠に囲まれた部分がカラー液晶パネルに表示される。Webページのスクロールはこのカラー液晶パネルのタッチスクリーンを利用するか、本体左右のボタンに割り当てられた「PageUp」「PageDown」機能を利用する。試しに日本語のWebページにアクセスしてみたが、問題なく表示された。ただし、Webページの表示速度が非常に遅く、複数のWebページを続けてみるとストレスがたまりそうだ。イベントでは、このほかにも「SUDOKU」などのゲームアプリケーションも紹介された。
イベントでは、参加した老婦人から「図書館からPCにダウンロードした電子書籍がnookに移せない」という質問が出たが、説明員によると、出版社によって電子ブックリーダーへの移動が制限されているものもあるのが原因らしく、ノートPCを店舗に持参すれば無料で問題を検証すると約束してくれた。
B&Nはフルカラー液晶パネルを搭載する電子ブックリーダー「Pandigital Novel」を手がけるPandigitalや、プラスチック基板の電子ペーパーを採用する大画面電子ブックリーダー「QUE ProReader」を手がけるPlastic Logicなど、ほかの電子ブックリーダーメーカーと積極的に協業するなど、電子ブックそのものの市場拡大にも注力している。さらに、iPhone端末で動作するB&NアプリケーションをB&Nカフェのレジで見せると、トールサイズのコーヒーが無料になるキャンペーンも最近まで実施していた。
このB&Nの攻勢に対抗してか、Amazon.comも生活雑貨流通大手のTargetで行っているKindleの店舗販売を拡大した。2010年4月からミネソタ州ミネアポリスのフラッグシップ店、および、フロリダ州の店舗で取り扱いを開始し、6月からは全店舗に展開した。
iPadの登場で一気に過熱した米国電子書籍市場は、Amazon.comとB&Nの競争にも火をつけたようだ。
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