AMD製クアッドコアCPU搭載ノート――「HP Pavilion Notebook PC dv6a/CT」を駆るあえてCore iではない選択肢(1/3 ページ)

» 2010年08月10日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

日本HPのプレミアム・スタンダードノートPC「dv6」

AMD製CPUを採用した「HP Pavilion Notebook PC dv6a」

 「HP Pavilion Notebook PC dv6」シリーズは、日本ヒューレット・パッカード(HP)が手がける15.6型ワイド液晶搭載のスタンダードノートPCのうち、最上位に位置する“プレミアム・スタンダードモデル”だ。同社製ノートPCのラインアップ全体では、17.3型ワイド液晶搭載のフラッグシップノートPC「HP Pavilion Notebook PC dv7」に次ぐハイスペックを誇る。

 dv6シリーズは、インテル製CPU採用モデル「dv6i/CT」と、AMD製CPU採用モデル「dv6a/CT」の2種類のベースシステムを用意しているのが特徴だ(dv7はインテル製CPU採用モデルのみ)。同社直販のHP Directplusでは、それぞれ基本スペックをBTOでカスタマイズしてオーダーできる。

 今回はCPUにクアッドコアのPhenom IIを選べることが珍しい、AMD製CPU採用モデルの「HP Pavilion Notebook PC dv6a/CT」を入手し、その性能や機能を試してみた。

シンプルながらもエレガントなボディデザイン

 ボディはエッジを曲線で仕上げたスリムなフォルムで、明るいシャンパンゴールドのカラーや上品なデザインパターンと相まって、全体的にシンプルながらエレガントな雰囲気を表現している。

 カラーバリエーションは評価機のシャンパンゴールドに加えて、ブラックチェリーも用意。トップカバーとパームレスト(ブラックチェリーはトップカバーのみ)にあしらったデザインパターンは、HPと世界各国のデザイナーのコラボレーションから生まれた「ZEN-design」によるもので、dv6シリーズは「facet(フェシット)」と呼ばれる格子状のパターンを採用する。

 facetのパターンは単なる塗装ではなく、HPおなじみの「HP Imprint」技術によりボディ素材の成形段階でフィルムを使って樹脂に転写されるため、キズに強く、塗装がはがれる心配もなく、パターンを美しい状態で長く保つことができる。手の脂や指紋が付きにくい表面仕上げも好印象だ。

 ボディのフットプリントは378(幅)×245(奥行き)ミリと、B4サイズ(364×257ミリ)に近い大きさで、高さは30.8〜36ミリとなっており、緩やかな傾斜が付けられている。重量は約2.45キログラムと、画面サイズの割には軽量だ。

シャンパンゴールドのボディは決して派手ではなく、品よくまとまっている。表面に指紋が付きにくいのもいい
天面とパームレスト部にはfacetと呼ばれるデザインパターンが施されている。天面のHPロゴは白く発光する

バッテリー駆動時間は約5時間と長め。ACアダプタ自体はそう大きくないが、3ピンの電源ケーブルがかさばる

 背面に装着するリチウムイオンバッテリーの容量は55ワットアワー(10.8ボルト)で、公称の駆動時間は約5時間を確保している。モバイルノートPCではない、このサイズのノートPCとしてはかなり長めのバッテリー駆動時間だ。屋内を移動して、場所によってACアダプタ駆動とバッテリー駆動を使い分けるような利用の仕方にも向いているだろう。

 標準で付属するACアダプタのサイズは48(幅)×124(奥行き)×30(高さ)ミリと少し大きく、重量はアダプター本体のみで約350グラム、電源ケーブル(3ピン)も含めた場合は約520グラムと、電源ケーブルがかなりかさばる。重量約41グラムのウォールマウントプラグも付属するので、持ち歩く際には電源ケーブルよりこちらを利用したほうがよい(ACアダプタのサイズと重量はどれも実測値)。

TDPが25ワットのクアッドコアCPU「Phenom II P920」を選択可能

 dv6a/CTのCPUは、クアッドコアのPhenom II P920(1.6GHz、2次キャッシュ2Mバイト)を筆頭に、デュアルコアのAthlon II P320(2.1GHz、2次キャッシュ1Mバイト)、そしてシングルコアのAMD V Series V120(2.2GHz、2次キャッシュ512Kバイト)と3種類から選べる。TDP(熱設計電力)は、いずれのCPUも25ワットだ。

 入手した評価機は、クアッドコアのPhenom II P920を搭載している。このモバイル向けPhenom IIは、デスクトップ向けのPhenom II X4と共通のK10アーキテクチャを採用しており、128ビットの浮動小数点演算ユニット(FPU)を実装するため、SSE系命令を高速に実行可能だ。2次キャッシュは各コアに512Kバイトずつ内蔵しており、4コア合計で2Mバイトを搭載する。一方、デスクトップ向けのPhenom II X4などが内蔵する共有型の3次キャッシュは省かれている。

評価機のCPUはクアッドコアのPhenom II P920。定格の動作クロックは1.6GHzで、省電力機能のPowerNow!により、アイドル/低負荷時は駆動電圧とともに動作クロックを下げる。各コア512Kバイト、4コア合計で2Mバイトの2次キャッシュを内蔵する

底面のネジ止めされたカバーを開けると、2基のSO-DIMMスロットとHDDベイにアクセスできる。

 メインメモリはPC3-10600に対応しており、容量は2Gバイト(2Gバイト×1)、4Gバイト(2Gバイト×2)、8Gバイト(4Gバイト×2)の3種類から選択できる。

 データストレージは2.5インチSerial ATA HDDを採用しており、容量は1Tバイトのほか、500Gバイト、320Gバイト、250Gバイトが用意されている。HDDの回転速度は1Tバイトのみ5200rpmで、ほかの容量は7200rpmの高速モデルだ。

 光学ドライブの選択肢はDVDスーパーマルチドライブとBD-ROMドライブ(DVDスーパーマルチドライブ機能搭載)の2種類で、記録型Blu-ray Discドライブのオプションはない(インテル製CPU採用モデルではBlu-ray Discドライブを選択可能)。

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