コーレルは8月18日、総合グラフィックソフトの最新版「CorelDRAW Graphics Suite X5」を発表した。価格は通常版が5万7540円、特別優待版とダウンロード通常版が4万40円、アカデミック版とアップグレード版が2万6040円で、9月10日に発売する。
CorelDRAW Graphics Suite X5は、ベクター型グラフィックスソフトの「CorelDRAW X5」をはじめ、ビットマップデータのベクター変換ソフト「Corel PowerTRACE X5」やビットマップ編集ソフト「Corel PHOTO-PAINT X5」、スクリーンキャプチャソフト「Corel CAPTURE X5」をワンパッケージにした総合デザインスイート製品だ。最新バージョンでは新たに「Corel CONNECT X5」が加わっている。
同日行われた製品発表会では、同社のシニアプロダクトマネージャーであるジョン・ファルセット(Jhon Falsetto)氏が最新版の概要と主な新機能を説明した。
同氏がまずはじめに紹介したのは、新たに追加されたCorel CONNECT X5だ。Corel CONNECT X5は、製作物に使う素材をキーワード検索で探し出す機能で、選択したコンテンツはDRAWとPHOTO-PAINT間で同期されるトレイに保存され、ドラッグ&ドロップで素早く取り込めるのが特徴。検索対象はローカルPC内のデータ以外にも、「Flicker」や「Fotolia」、「iStockphoto」といった写真共有/写真素材提供サイトに対応している。ファルセット氏は「気に入った素材をドラッグしてすぐに製作イメージに追加できる」と説明しながら、画面右上の検索ウィンドウに「cat」と打ち込み、検索範囲から猫の素材を探し出す様子を実演してみせた。
また、「Corel PowerTRACE」も強化されている。Corel PowerTRACEは、拡大に向かない(低解像度の)ビットマップ画像をトレースし、瞬時にベクターイメージに変換する機能だ。ファルセット氏は、新旧バージョン(X4/X5)のトレース結果を並べ、「(最新版では)イメージが非常にシャープで、高いクオリティを実現できた。すばらしいトレースを行うことができる」とトレース精度の向上を挙げた。
このほか、200近くの新しいスタイルを追加したアートメディアや、ドキュメントで使用したカラーを記憶する新しいパレット、色だけでなくオブジェクトの属性情報(効果、変形)を保持するスポイトツール、Webグラフィックス製作用途向けにオブジェクトがどのようにピクセルで分割されるかをプレビューできるピクセルプレビューなど、主要な強化機能が紹介された。
コーレルは今年で25周年を迎える。代表取締役社長の堺和夫氏は、同社がラインアップする主要な3つの製品群のうち、「CorelDRAW」の歴史を振り返りながら、最新バージョンではスモールビジネスやエデュケーション分野にフォーカスしていくと今後の展開を語った。なお、同社はその一環として、教育機関250校/一般企業250社を対象に、CorelDRAW Graphics Suite X5の無償モニターキャンペーンを実施する。
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