“色々な意味”で話題の「870A Fuzion」がデビュー古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2010年08月23日 11時18分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]
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「AMD 870と770のどっちを搭載?」

TSUKUMO eX.で急きょ用意された手書きのPOP

 先週の金曜日、AMD製クアッドコアCPUの価格改定が行われた。「Phenom II X4 965 Black Edition」や「同955 Black Edition」は複数のショップで1500円前後下がり、約2000円ダウンした「Athlon II X4 640」は一部のショップで1万円割れもみられた。

 TSUKUMO eX.は「わずかな価格改定ですが、購入しやすい1万円台のモデルが一斉に下がったのは魅力ですね」と語る。ただ、価格改定に伴う新製品の登場については具体的な情報が流れていなかった。某ショップは「出るとしても消費電力が下がったモデルか若干クロック数が上がったモデルじゃないですかね。まだ話は聞いていませんが、それほどの目玉にはならないと思います。それより、価格が下がったことでAMD系マザーの勢いが出ることを期待しています」と話していた。

 そのAMD系マザーで、先週最も注目を集めた新製品がMSIの「870A Fuzion」だ。GeForceとRadeonが混在したマルチGPU環境を構築できる「Fusion」シリーズに属するモデルで、価格は1万4000円前後となる。Fusionシリーズはこれまでインテル系の「Big Bang-Fuzion」と「P55A Fuzion」が出回っており、AMD系では今モデルが初めて。今年1月にBig Bang-Fuzionが登場した際は、ドライバの調整が難しいこともあってキワモノ扱いを受けていたが、T-ZONE.PC DIY SHOPによると「最近はFusionのドライバが進化して組み合わせの制約がかなりなくなってきたと思います。好き者な人を除いて、あえてGeForceとRadeonを組み合わせようという人はめったにいないでしょうけど、それなりに受け入れられているのは確かです」という。

 そうした背景もあって、870A Fuzionにヒットを期待する声もいくつか聞いた。パソコンショップ・アークは「SATA 3.0とUSB 3.0に対応していますし、モノとしては良い部品を使っているようです。それでいて、Fusionシリーズのなかでも安い。AMDのCPUと組み合わせて割安な高性能マシンが組めるので、普通に使うのもアリでしょう」と語る。

 ただし、チップセットの仕様について対応に困っているショップも多かった。T-ZONE.DIY SHOPは「パッケージにAMD 770とプリントされていますが、エムエスアイコンピュータージャパンの仕様では『AMD 870』となっているんですよ。型番からみても870が正しいように思うのですが、同社がお盆休みに入っているので確認が取れないんです」という理由で販売を見合わせている。一方、販売に踏み切ったパソコンショップ・アークも「MSI本社のサイトには仕様表に『AMD 770』と明記されていますし、『AMD 870相当の実力』ということで製品名をつけたとみています。間違いがあったら修正しますが、今は確認待ちです」と話しており、どちらの立場でも仕様について断言する声は聞かれなかった。

 こうした状況について、某ベテラン店員氏は「今もPCパーツ系の記載ミスはけっこう多いですが、注目度の高いモデルだけに目立ってしまいましたね。まあ、AMD 770だとしても安くFusionが試せるということで、購入したいユーザーは多いと思いますよ」と笑って答えてくれた。

ソフマップ秋葉原本館のAMD系CPU価格表(写真=左)。MSI「870A Fuzion」(写真=中央)。パッケージには「AMD 770」のロゴがプリントされているが、果たして……?(写真=右)


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