マカフィーは8月25日、「マカフィートータルプロテクション」「マカフィーインターネットセキュリティ」「マカフィーアンチウイルスプラス」の2011年版を発表、9月3日より販売する。マカフィーダイレクト価格は、順に6890円/5775円/4095円で、1つのパッケージにつき3台のPCにインストールできる。
2011年版の特徴として特に強調されているのは、クラウドベースのセキュリティ機能だ。同日行われた製品発表会で「マカフィー2011」の概要説明を担当したプロダクトマーケティングマネージャーの葛原卓造氏は、「現在、1日に約5万件のマルウェアが発生している。つまり1.7秒に1つの新種のウイルスが現れている計算になるが、こういった脅威に対して、従来の定義ファイルベースの保護では防ぎきれなくなっている」と指摘する。こうした未知の脅威に対して有効なのが、4000万以上のエンドポイントで情報収集を行い、世界中のMcAfee Labsから24時間体制で脅威を監視・共有するGTI(Global Threat Intelligence)と呼ばれる技術基盤だ。
葛原氏は、この技術を応用した機能として、定義ファイルに該当しないマルウェアを検出する「アクティブプロテクション」(Artemis Technology)、検索結果で表示されたWebサイトが安全かどうかを警告する「サイトアドバイザ」、ファイルをローカルPCにダウンロードする前に安全性の評価を行う「ウェブダウンロードプロテクション」、および全自動バージョンアップとオンラインバックアップの4つを挙げる。もっとも、これらの機能の多くは2010年2月の大型アップデートですでに実装されており、基本的には性能の強化になる。なお、同社のオンラインバックアップサービスでは、年間7980円で容量無制限のストレージを提供しているが、マカフィートータルプロテクションに用意される容量は2Gバイト、マカフィーインターネットセキュリティでは1Gバイトとなっている。
なお、新製品発表会には、米McAfeeのコンシューマーグループでエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるトッド・ゲブハート氏も出席している。同氏は、マカフィーがセキュリティ専業ベンダーとして、クラウドベースのセキュリティ技術をいち早く導入し、この業界をけん引してきたリーディングカンパニーであることを強調。直近の売上高を振り返りながら「2ケタの成長率を17四半期連続で達成し、2009年の売上高は約19億ドル、2010年も20億ドルを超える収益を見込んでいる」と述べ、ビジネスが堅調に推移していることをアピールした。
また、先日発表されたインテルによる買収についても言及し、「ハードウェアとソフトウェアが組み合わさることで、ソフトだけとは違うより強固なセキュリティを実現できる」とメリットを挙げ、今後はインテルの完全子会社としてあらゆるプラットフォーム(AndroidやSymbian、Linuxなども含む)をカバーする包括的なセキュリティを提供していくと語った。「マカフィーは今ユーザーに必要とされているすべての保護機能を提供しており、その姿勢は今後も継続していく」(トッド・ゲブハート氏)。
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